魔法適正
アーグルが爆弾発言をフォンに思いっきりぶつけた。その発言を聞いたフォンは、開いた口がふさがらないと言った顔だった。
それもそうだ。あんな思慮深くなく、落ち着きのない人が王宮直属の騎士長なんて誰が信じようか。
また、アーグルが宮廷魔道士なのも驚きだ。
家事全般をこなし、争いごととは縁がなさそうな顔をしている男が宮廷魔道士とは誰も信じないだろう。
まぁ、ライラよりは現実味があるが・・・・・
だったらなぜ、王国にかかわるこの二人がこのような田舎にいるのかがフォンにはわからなかった。
「何で父さんたちはまだ若いのにこんなところでのんびり暮らしてるの?」
「それは、まだフォンには教えてあげない」
と、アーグルはニコニコ笑いながらそんなことを言った。
その言葉を聴いてものすごい不満顔をするフォン。
そんな息子の様子を見て苦笑をすると
「じゃ、教えない代わりに少しテストをしようか」
「え?テスト?いきなりどうしたの?」
「そのテストとは・・・・・魔法のテストです!!」
「魔法のテスト?!そんなことできるの?」
「うん。わりとかんたんに。少し待ってなさい」
と言うとアーグルは自分の部屋に戻った。
二分ぐらいしたころだろうか、アーグルは大きな台に乗った水晶玉を持ってきた。
大きくて綺麗な水晶玉だ。
「これで魔法のテストなんてできるの?」
「もちろん!でもその前にフォンに魔法のことについてざっと説明しなきゃね」
魔法とは体に循環している魔力を使うものだ。魔力は誰でも持っているが、基本は魔法を使える者は少ない。魔法を使えるぐらいの魔力を体内にある人はなかなかいないのである。亜人では魔力を多く含んでいる種族もあったり、ない種族もいる。魔法には、火、水、雷、風、無の五種類がある。火は水に弱く、水は雷に弱く、雷は風に弱く、風は火に弱い。無属性は使えるものがめったにいなくその実態がわかっていない。また、魔法を使える者には必ずその属性の妖精がついている。その妖精の色によって得意な属性がわかる。
「まあ、おおまかにいえばこのぐらいかな。フォン、魔法を使える者は少ししかいないんだ。使えないという結果になってもあんまり落ち込まないでね?」
「うん。わかったよ父さん。それでどうやって魔法のテストをするの?」
「その水晶玉に手をかざしてみて。そしたら、かざした手に魔力を集めるような想像をしてみて」
と言われたフォンは水晶玉に手をかざし目を閉じ集中した。
フォンが集中してから十秒ぐらいたったころだろうか、水晶が光り始めた。その光は、透明で何もかもを透きとうす様な色だった。光は水晶の半分ぐらいの大きさだった。
「これは!?すごいぞフォン!お前は無属性の適性のあるものだ!」
と大きな声を上げながら驚いていた。
それは当たり前のことだ。なぜなら無属性適正がある者はめったにいないのだから。
この父さんの反応を見るに当たりを引いたか!いよっしゃ!キタコレ!これはもしかしたらチート級の魔法でハーレムができるのか?!と思っている矢先にアーグルが
「魔力のほうは中より少し下ぐらいか・・・まあこんだけあればフォンには十分だろう」
「え?!なんで?!多いほうがいいんじゃないの?」
「確かに多いことにこしたことはない。だがそうすると、フォンは多くの時間魔法の練習をしなければならない。そしたら、剣術を磨く時間が減ってしまう。それに師匠が元宮廷魔道士と元騎士長だよ?そのことに鼻が高くなり、いつか足元をすくわれて死ぬかもしれない。そういうことを考えたらこのぐらいの量が一番いいと考えるね。近接戦闘の時にはあまり強力な魔法は使わないんだ。初級、中級魔法をメインに戦うんだ」
この世界ではアーグルの言った通り近接戦闘のときは初級、中級魔法などで戦うのがセオリーだ。上級魔法、さらにその上の最上級魔法を唱えるときは魔力をためるのに時間がかかってしまう。そんなこと戦闘中にしてしまったらすぐにお陀仏だ。
「父さんがそういう理由で言ったのはわかった。魔法を正確に使えるようになるまでどのくらいかかるの?」
「使えるようになるのはその人その人の才能だからなぁ、なんともいえないけれど多分平均して一ヵ月半ぐらいかな。魔力を感じ魔法を使えるようになると妖精が見えるようになるよ」
「ほんと?!父さんには俺の妖精が見えるの?」
「魔力を感じるようにならなきゃ妖精は生まれないんだ。だから今のままじゃ何にも見えない」
「父さんには自分の妖精が見えてるんだ・・・父さんって元宮廷魔道士なんでしょ?なに属性が得意でどのくらいの魔力なの?」
と質問された瞬間にアーグルはものすごい引きつった顔をした。それはもう言いたくないオーラがものすごい出でいた。
「ど、どうしても知りたいかい?父さんあんまり言いたくないかな~」
などといって遠い目をしていた。
なんか嫌な予感がする・・・・とフォンは本能で悟った。こんな顔をするってことは魔力を使うとなんか起きるんだなと予想を立てた。
だが、やめてとけばいいものをこんな顔をする父を見てしまったのだ、気にならないわけがない。
「父さん、少しだけでいいから魔法を見せてよ!」
「み、見たいのかい?」
「見たい!」
「本当に?後悔しない?」
「しない!約束!」
と勢いがすごい息子を見て嘆息しながら
「わかった。いいよ。見せてあげる」
「ありがと!」
わくわく顔するフォン。その顔をみたアーグルは苦笑しながら
「フォン。父さんあまり初級魔法得意じゃないんだ。なるべく抑えるつもりだけど
倒れないでね?」
フォンは何を言ってるのか理解ができなかった。どういうことかを聞こうとしたとき、体が押さえつけられるような感覚と、空間が歪んだように見え、辺りの森がざわついたのを聞くとフォンは目の前が真っ暗になった・・・・・・・・・・




