表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地味スキル“空気読み補助”で人生が快適になりました  作者: 野山みつ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/48

探す

時間は容赦なく進んでいった。

あれから、豊島さんは目に見えて忙しくなった。

引き継ぎ資料の作成。 後任者との打ち合わせ。 本社と出向先を行き来する日も増えたらしい。

一緒に飲みに行く時間もないと八代さんが愚痴っているのを、百花ちゃん経由で聞いた。


行きや仕事帰りに偶然会うことも減った。

以前なら『今から本屋に寄ります』 『私もです』

そんなやり取りから自然と顔を合わせることがあった。

けれど最近は違う。


『今日から出向先です』 『しばらく帰りが遅くなります』

そんなメッセージが増えた。


休日も同じだった。

予定を合わせようとしても

『すみません、その日は研修です』 『まだ出向先です』

なかなか噛み合わない。


もちろん連絡が途絶えたわけではない。

以前おすすめした本の感想を送ってきてくれる。

見つけた面白い記事を共有する。 たまに他愛ない雑談もする。

スマホを開けば、そこには変わらず豊島さんがいる。

それなのに。


会えない。

それが、こんなにも落ち着かないものなのだと思い知った。










昼休み、ふと休憩室の時計を見る。

仕事帰り、駅の改札へと幾度も視線を向ける。

休日、共に過ごした所で立ち止まり辺りを見渡す。

気づけば、そこに豊島さんがいるかもしれないと探している自分がいた。


運よく会えた日は、それだけで嬉しくて。

以前と何も変わらない会話をして。

以前と何も変わらない顔をして。

別れた後に、ほんの少し足取りが重くなる。


残された時間は、もう多くない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ