第49話 不死身の死~誰が剣で首を斬る~
ニルは雪降る夜道を駆けていた。
「おい、逃げんなよ。」
ニルの背後から男が追いかける。
(ナンデ、ナンデ、オイカケテクルンダ?サンポ、シテタダケナノニ。)
男はニルの脚を持っていた剣で切り裂く。
「ウワァ」
ニルはそのまま雪に顔を突っ込んだ。
(クッ、ハヤク、アシ、フクゲンシナキャ。)
ニルは足に力を込める。
しかし、今回は彼の不死身の肉体は再生を拒んだ。
(ナッ、ナンデ!)
ニルの脚の出血は地面の雪を赤く染めた。
「ニル君、探したよ。」
ニルを追っていた男の雪を踏みしめる音はゆっくりと、しかし確実にニルに近づいていた。
「やぁ、久しぶり。」
男はニルを上から覗き込む。
「オマエハ、ミルテ!」
そう、追ってきた男はアリスたちが北の国来た目的、そしてニルにとっては自分を利用し利を得ていた因縁の相手ミルテ・カイラス、その人である。
「なんで、君の脚が治らないか不思議でしょ。」
ミルテはニルの前まで回り込み、余裕の態度で見下ろす。
「オマエノ、モッテイルツルギカ」
ニルは彼の持っている特異な形状をした剣に目をやる。
「そう、これが君の求めていた不死殺しの剣だ。どうした、嬉しくて声も出ないか?」
ミルテはけたたましく笑う。
(これでオルビスから目をつけられているこいつを殺せば、俺も幹部に・・・。)
予期せぬ好機に天を仰ぐミルテにニルは斬られた足を引きずりながら手から出した刀身で攻撃を仕掛けた。
(スキダラケダ。)
ニルの刃はミルテの首まであと数ミリのところでミルテは首を後ろに引き、ニルを蹴り飛ばす。
「ガハッ」
ニルは空中で体を捻り受け身を取り、地面へ倒れこむ衝撃を緩和させた。
「グググ、グハァ」
ニルは口から血反吐を吐き、体を丸め蹴られた腹を抑える。
「イタ・・イ」
「ん、何だって聞こえないなぁ。」
ミルテが体を前のめりに倒し、耳を傾ける。
「ナーンテナ」
ガバッ
バチーン
雪の下から出したニルの腕から伸びる刃がミルテの顔面に直撃する。
(アイツ、体を丸めて隠していたが、腕から生やした刃を雪の下に滑り込ませ、マッチを使って程よく雪の下の刃に熱を伝わらせることで雪を溶かして、雪の下の刃を俺から見えないように伸ばしやがった。やるな、だが、弱い。)
ミルテはニルに再び目をやり、そのまま持っていた不死殺しの剣をニルの体に投げた。
ドスッ
ニルの腹を不死殺しの剣が貫く。
(アレ、ボク、シ・・ヌノ・・・カ?)
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