導入 その2
昨日公園で出会った少年から、タケル君という名の友人に起きた不思議な話を聞いた。
ちょうどこの話が終わったときにその少年の母親が迎えにきた。
不思議な話を聞いたものだから、その母親に対しても不思議な感じがする。
頭が重い。
「なに、ボケっとしてるの?!」
「えっ?」
俺は母さんの方を向いた。
「また遅い時間まで起きてたんでしょう?」と母さんからちくりと言われた。
「あ、ごめん。」
俺は箸を手に持ったまま、ぼーっとしていたらしい。さっき起床したばかりでまだ眠い。
その少年から聞いた話が頭から離れず眠ることができなかった。
「母さん、昨日公園で不思議な子に会ってさ。」
「不思議な子?」
「そう。急に話しかけられてその子の友達の話を聞かされてさ。ただその子の話、めっちゃ不思議な話なんだよね。」
「あんた、これ以上その子に近づかない方がいいよ。なんだか嫌な感じがする。」
「え?・・・大丈夫だよ。もう会わないよ。」
母さんが真顔で言ったため不穏な空気が流れた。
黄昏時になった。
なんだか俺の体がそわそわしてきた。
少年の話をまた聞きたくなり、居ても立ってもいられない。
俺は少年と出会った公園へ向かった。
公園に着きほっと安堵した。昨日の少年がベンチに座っている。
「君、またここでお母さんを待っているの?」
「そうだよ。」
「昨日は話をしてくれてありがとう。実はさ、おじさん、また話を聞きたいんだ。何かある?」と俺は聞いた。「あるよ。お母さんが迎えにくるまで話をしてあげる。えっと同じクラスにアキラ君っていう友達がいるんだけど、そのアキラ君から聞いた話。」
俺は速く聞きたくてうずうずした。
その少年が話した内容はこんな内容だった。