第二十三話 生徒プロフィール5
客間に戻り宇宙儀の組み立てセットの続きをする。次は地球だ。
必要な部品を取り出して始めた。
作業をしながら昼間のことを思い返す。
そもそものきっかけは天の、都靄っていじめがいがあるよな、という発言だったらしい。これによって俺はわざわざバナナの皮で転ぶことになったのだ。
この間の黒板での出来事も天だったことから考えると、どうやら城ヶ崎浜たちは俺をいじめることに快感を覚えるらしい。
…………
サドか。
ここにSMの関係が生まれた。
――――
なわけがない。俺は違う。断じて違うぞ。
作業も慣れてきて、夕食の時間には地球はほぼ完成した。
休憩がてらキッチンに向かい簡単な夕食を作る。昨日大量に買い込んだおかげで、材料は無尽の様相だ。
そこから適当に材料を取り出し、味噌汁を作る。
フライパンで肉や野菜を炒めて、肉野菜炒めの完成。
ご飯をよそり冷蔵庫から叶が作りおきをしてくれた惣菜をいくつか取り出し、それらを持ってリビングにいった。
綺麗になったことで淋しさが増したこの家は、俺にとってはただの寂しいだけの家でしかなかった。
夕食を食べ、キッチンに戻ってきた俺は客間で地球の仕上げをした。
それが終わると、いつものように自室で『生徒プロフィール』を編集する。
安西美香華。眼鏡をかけてポニーテイルの黒髪を背中の中程まで垂らしている。背は高い。弓道部や茶道部が似合いそうだ。
叶鼎。性格が今日は変わっていた。多重人格者か。
神崎天使。天使という名前の通り白い餅肌をしていて、頭の上に輪を乗せ白い羽根を背中に付けたら似合いそうだ。背は低め。
城ヶ崎浜三日月子。他人の家に勝手に入り、そして庭を勝手に改造した首謀者か。万が一にも親たちが裏で画策していたら面倒だ。城ヶ崎浜は経済界の五大グループの一つ。田奈浜、城ヶ崎浜、夜浜、小野浜、向浜の五つが五大グループと言われている。そして一方で東条は政治界の五大一族の一つらしい。あまり興味はないが、このせいで面倒事が起こることは看過できない。
杉目天。俺をいじめるのが趣味になりつつある。反省はしていたようだが止めてほしい。
土居久子。くせっ毛で、首まで伸びる髪は外に向かってはねている。あまり喋らないが肝心の所で巧く全体を動かす発言をしていた。勘が鋭そう。
七瀬せな。小動物とはああいう女子のことを言うのだろう。身長は杉目天、夢星宇宙についで下から三番目か。逆から読んでも、ななせせな。自己紹介の時にそう自分のことを称していた。……あれ、微妙に違う。なせせななが正しいか。
日荒川翆。城ヶ崎浜とは昔からの知り合いのようだ。髪がブロンズ、目が碧色をしている。父親が外国人。だがこの苗字をどこかで聞いたことがあるな。
日比野萌。下の名前が江ヶ崎萌と同じ。歩く都度に膨らむ茶色気味の黒髪が特徴。おしとやかなお嬢様といった感じ。
夢星宇宙。漢字だけで喋る。そのために時々分かりにくい表現になるが、的確な発言が多い。
岩井琴子、叶鼎、拝島好乃、夢星宇宙の四人は東条都靄ファンクラブに入ったようだ。
手を組み腕を伸ばす。
それにしても入学してから色々なことがあった。まあそのおかげで輪が広がったのだが、反対に悪い予感みたいなものを感じる。江ヶ崎萌のことが一番気になるが、それ以外にも拝島や城ヶ崎浜、夢星や叶にはまだまだ不確定要素がありそうだ。
明日から新しい一週間が始まる。




