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第26話 はじめまして。

……にゃんこを抱く夢をみた。



はい、あいかわらずネコ大好きです。

このあいだも町中で出会ったネコの写真を友達に見せてたら、


「あ、このネコ知ってる!」

っていう人がいたりして……


ネコでつながるコミュニティー。

素敵じゃありませんか。



とまぁ無駄話はさておき本編へGO〜!



(……誰?)



ふかふかのベッドの上で目覚めた時、あたしはまずそう思った。

寝起き一番で目にしたものが、見た事もないアッシュの瞳だったからだ。



(……この人、だれだっけ?)


眠い頭でぼんやりと考えてみる。


(寝ぼけて思い出せないだけだよね……うん、人間って寝起きだと夢と現実がごっちゃになってるって言うし、きっと良く知ってる人だけど今だけ記憶があいまいになってるんだ……うん、きっとそう。たぶんそう。)


そう自分にいい聞かせながら、くしくしと目を擦って、

さっきの瞳をもう一度見つめてみた。


(……あ、やっぱ知らない人だ)



だんだん目が覚めてくる。


だんだん状況も分かってきた。


(……ここ、ドコですか?)


よく見たら自分の部屋じゃないし。

明らかに初対面のお兄さんお姉さんがこっちを凝視してる。


もしかしたら、まだ夢の中?

あ〜きっとそうだ。じゃあもう一回寝てみよ。

今度起きた時には自分の部屋に戻ってるかも知れないし。


(…というわけで、おやすみなさい…。)



そんなこんなで、あたしはもういっかい目をつぶった。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇






 一時間後。



「…まさか二度寝されるとはねぇ……」


ベッドの傍らで、アリスの寝顔を見つめる少女が一人。

日本から来た留学生、綾崎麗奈である。


「それにしても、なんとも可愛らしいスヤスヤ顔ですなぁ」

あどけないアリスの寝顔に、彼女はニヤニヤしっぱなしだった。


一方、別の部屋では……



「おい……どういうつもりなんだ」


フランツは、電話越しの相手に向かってかなりご立腹のようだ。

いつもの温厚な性格はどこへやら、今回ばかりは本気で焦っていた。


帰宅してみたらベッドに知らない女の子が寝てたんだからそりゃ驚きだろう。


あの童話「三匹のクマ」に出てくるクマ達の心情はだいたいこんなカンジだったのだろうか?



「あの()は誰だよ!?

っていうかどっから連れてきて……は?

道に落っこちてたから拾ったって…いやいやダメだからそれ誘拐だから!」


電話の相手がよほどのクセ者なのか、フランツはいまにもショート寸前といった様子だった。



「だいたいなんでウチなんだよ!?

まず警察に届けるでしょ普通……いや面倒くさいとかダメだし。

そういう言い訳は通用しませんし。

お願いだからもう少し大人になってください…」


今度は半泣きになる。


でもそこは大人のお兄ちゃん。

グッと涙を堪えると、大きく息を吐いた。



「……あ〜もう、わかった。

あとはこっちでなんとかするから……

うん。

…そう、あんまり無茶な事ばっかするなよ?

レナが心配するから……」



呟くように言い残して、受話器を置く。


呆れてうんざりしたような声色の会話。

だが…彼の顔には、どこか懐かしむような、やわらかな色が浮かんでいた。



そしてフランツは電話口を後にする。

寝室の前に立つと、大きな音をたてないようにと、ゆっくりドアを開いた。

それに気づいて、ベッドの横にいた麗奈が振り返る。


「……まだ寝てる?」


寝室の中を覗き込み、彼は静かに尋ねた。


「…グッスリだよ…」


彼女も囁き声で返事をした。



麗奈の隣に立って、フランツは改めて少女の顔を眺めてみる。

見たところ、歳は14、5才といったところだろうか。

まだあどけない容貌だが、長く伸びた髪は芸術的なまでの美しさを持っていた。

幼いながらに美しい。


そんな風に思えたのは、単に見た目がキレイだとかいう理由ではなくて……

フランツにとって、なぜだかその娘がとても尊い存在に思えたからなのかもしれない。

…いや、尊い存在と"重なった"と言うべきか。



(背の高さも、ちょうどこのぐらいで……)


そんな考えが頭によぎったが、フランツはすぐにそれを掻き消した。



「…どうかした?」


不思議そうに尋ねる麗奈に、彼は静かに返した。


「なんでもないよ…


あ〜、それにしてもまいったな。

この娘が目を覚まし次第、家に送り返さないと…

親御さんが心配してるだろうし」


「だね…

ってかこの娘、結局どこから拾ってきたんだって?」


「…あいつは道に落ちてたとか言ってたけど」



眉をひそめて言うと、麗奈はひどく驚いたようだった。


「み、道?

落ちてたって…それ倒れてたって事でしょ!?

なになにひょっとして家出少女?それともなんかの事件に巻き込まれたとかじゃ…!」


「ちょ、ちょっとレナ声が大きい…」




『ふあぁぁぁあ。』



「あ」

「…起きちゃったわね」



二人が見守る中、少女はゆっくりと体を起こして伸びをした。


眠そうに目を擦ると、部屋の中をゆっくり見渡す。

部屋の右隅から左隅まで、首をひねってぐる〜りと眺めると、彼女は碧い目をぱちくりさせた。


確かめるようにもう一度部屋を見渡し、今度はフランツと麗奈をしげしげと眺め始めた。



「あ、あの…さ」


まだ半分寝ぼけている様子の少女にフランツが恐る恐る声をかける。



「いきなりで悪いんだけど、名前と電話番号教えてくれるかな?

お家に電話かけて、ご両親に迎えにきて貰わな…」





『…:@☆●*ーーーーーーーーーーー!?』


「…えっ!?」




フランツと麗奈は驚いてひっくり返りそうになった。

突然少女が早口で叫び始めたからだ。



「な、ななななんか言ってる…けど、

あの〜コトバ通じてますか?

通じてないわよね絶対!」



少女の声だけでもかなり大きいのに、麗奈までパニクって騒ぎ始めた。


「ど、どうすんのフランツ?

この娘外人さんじゃん日本人のあたしに英語ドイツ語だけでなくまだ勉強しろっていうのは少しばかり酷なのではないでしょうかっ?」


「いやいや落ち着いてようるさ……

…英語?」



急にフランツの顔が明るくなる。


「ねぇレナ」


「ななななに?

この娘がドコの国の人か分かったの?」



「いや、これ英語だよ」


「…英語?」



大人しくなった麗奈を見て、彼は頷く。


「早口だったしイキナリだから分からなかっただけだよ。

ほら、よく聞いてみれば…」



そう言われてみれば、まったく理解出来ないほどでもない。

麗奈は落ち着いて、少女の言っている事に耳を傾けてみた。



「……ど、どうしよ…

クスリどっかにいっちゃった…!

なんで?ちゃんと首から下げてたハズなのに…

ない、ないよぉ……」


少女は目に涙を溜めて、ベッドの上で何かを探しまわっているようだった。


「…薬っていってるけど、

レナずっとこの部屋にいたでしょ?見てない?」


「…う〜ん……あ。」


「心当たりあるの?」



フランツが聞くと、レナはバツの悪そうな顔をして、


「ごめ〜ん、

中身がこぼれたらヤバいかな〜とか思って、

あたしが取っといたんだった!」


「……返しなさい」


「あたっ!

ちょ、ちょっと〜叩かなくてもいいじゃんっ」



小突かれた頭をさすりながら、麗奈がジャケットのポケットに手を入れる。

中から取り出したのは、透明な液体が入った小瓶だった。



「えと…英語で話しかけないといけないんだよね……」


一応勉強はしていたが、大学に入って以来それほど付き合いのない英会話。



必死に記憶を引っ張りだしながら、麗奈は少女に話しかけた。



「え、え〜っと……


Sorry...... I don't know this is so important a medicine.

(ごめんね?大事な薬だったなんて知らなくって)……」



(う〜ぎこちないよ〜!

ドイツ語ばっか使ってたからイングリッシュなんてあんまり思い出せないし……)



もう冷や汗たらたらの麗奈。


ところが、少女は麗奈が小瓶を差し出したのを見ると…


「……あぁっ!それクスリの瓶!」



一気に笑顔になって飛びついてきた。



「わわっ

ちょ、いきなりのハグ!」



「よかったぁ…

ありがとう!お姉さんが見つけてくれたんだね」



少女に抱きつかれたまま、硬直する麗奈。

しばらくしてから、彼女はおもむろにフランツを見た。



「……フランツ」


「なに?

どうしたのレナ?」


「………今なら死んでもイィ…/////」




「…ご勝手にどーぞ」



麗奈の喋ってる英語は適当です。

作者が馬鹿なんじゃないよ、あくまでレナが適当に言ってるだけだから!



外国で暮らしてる人って、自分の母国語を忘れたりしないんでしょうか?


ボクなら絶対忘れる。

そもそも他国語を習得できるほどのスペックを持ち合わせてないし。



そのへん言うと、ネコって違う国のネコと会話できるのかなぁ?

ネコ語は万国共通なの?



友達に聞いたら「ネコはもういい」って言われました。



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