1.デュアルライフ
新しく投稿しました。
異世界系以外の小説は久しぶりに書くので、お手柔らかに読んでいただけると助かります。
すいません、投稿は遅れます。
日曜日に投稿を変更します。
朝7時。
規則正しい起床は、規則正しい生活を形作る。
そういう考えの元、俺は7時に必ず起床することにしている。
「ん〜……朝かぁ」
6月下旬。
梅雨だというのにまだ一度も雨が降っていないことで今年度は有名になりつつある。
テキパキと服を着替え、俺は朝食を食べる。
朝食は昨夜の夕食の残り。
一人暮らしの俺は、テキトーな食事しか作らない。
歯を磨き顔を洗ってリュックを背負う。
「行くか……」
扉を開け、俺は学校へと向かった。
◆
「よぉーっす!今日も顔色が悪いな、紫乃!」
「それなー……おはよう、シノ!」
「おはようございます、紫乃くん」
「うーす、おはよう。桐崎、新稲、清水」
桐崎東陽。
俺と同じ2年3組の男子生徒。
異能の影響で少し青みがかった髪をした百八十センチ台のガタイが良いイケメン。
いつも新稲とか清水みたいな学年美少女ランキング上位に食い込んでいる女性を侍らせていることからハーレム野郎というあだ名をつけられていることがしばしば。
本人は「不本意だ……」と嘆いているが、俺としては似合っていると思う。
一応、俺とは小学校からの付き合いだが、新稲と清水とは幼稚園からの付き合い。
即ちガチの幼馴染。
リア充爆発しろ!
新稲明里。
クラスは俺や桐崎と同じ。
女性にしては高めの百七十という高身長と真っ赤な髪の毛をポニーテールに結っているのが特徴的。
性格は快活で、部活にも積極的に参加しているスポーティな少女。
胸が大きい割に激しく動くもんだから……ゴクリっ。
とりあえず、何かと危険な少女。
清水翠。
同じく2の3。
鮮やかなエメラルドグリーンの髪の毛が特徴的な女の子。
身長は平均的な百六十ぐらい。
丁寧な物言いに落ち着いた態度が、あまり同学年とは思わせない。
ただ、桐崎への愛情だけは人一倍強い。
今日も朝4時起きで桐崎の弁当を作るぐらいに熱中している。
マジでリア充爆発しろッ!
ちなみに、ちっぱい。
彼ら三人は、俗に言うリア充三人組とでも呼ぶべき存在で、結構学年でも注目されている存在である。
そんな彼らと俺のような没個性の奴が絡んでいる場面というのは、周りからすれば結構な驚愕だったのだろう。
4月は特に騒がしくて大変だった。
まぁ、それも最近では風化して行っているのだが……。
「なあなあ、今週号の『帝軍報告』見たか!?」
「ん?……あぁ、あれか……」
「そうそう、また動き出したみたいだねー、『ノア』の連中ー」
「最近、随分と活動が活発的になっていますね。……治安が心配です」
四人一セットで会話を構成する。
最初に持ちかけてきたのは桐崎だ。
桐崎は、『帝軍報告』という雑誌を広げて指差していた。
「ああ、やっぱり帝軍がなんとかしねぇとここもあっという間にやられちまうかもな……」
「それなー」
「……ですね」
桐崎は妙に実感のこもった声で呟く。
二人も賛同して首を縦にふる。
『ノア』
反社会テロ組織軍筆頭とも呼ばれる組織で、日本のテロ組織の中でも最も大きいグループの一つだと言われている。
構成人数は一万を超えているらしい、とか1日千単位で人殺しをしているとか……果ては国を滅ぼしたことがあるらしいとか、将来は世界征服を目標にしているとか……。
噂に尾びれどころか背びれとか胸ビレとかもついているぐらい誇張表現が多いテロ組織である。
噂を信じるのは勝手だけど、帝軍の方で『ノア』の情報収集とか出来ないのかよ、とは思う。
まぁ彼らにあったらほとんど死を覚悟した方が良いと言われるほど強い連中なので、情報が少ないのも納得できるけどな。
しかし……そんな物騒な話を何も俺の机で行う必要はないではないか?
少なくとも俺はそんな話に興味がないんだし……するなら他所でやってほしいもんだ。
だが、俺はあまり内心を言葉にして発することを得意としていない(ヘタレと言うことなかれ……)ので、俺は黙って頷いてみる。
「やっぱり、紫乃もそう思うよな?」
「えっ?……と………そう、だな」
不意打ちで話しかけられてよく理解できなかった俺は曖昧な返事を返す。
「そうだよな!やっぱ、紫乃とは気が合うぜ!」
しかし、桐崎は俺の返事について特に言及することなく満足げに頷いていただけだった。
……少なくとも、俺はお前とは気が合うとは思えないな……桐崎。
◆
「では、『ノア』や他のテロ組織には注意して帰宅、もしくは部活をするように!」
「起立!気をつけ、礼!」
「「「ありがとうございました!!!」」」
放課後、いつもの決まり文句を放った担任の先生に挨拶を終えると、生徒たちは自由行動となった。
俺は普段の動きならば、ここで桐崎たちが遊びにでも誘って近くのゲーセンにでも寄る予定なのだが……。
「悪りぃ、今日は無理みたいだ」
「ごめんね〜」
「また、後日遊びましょう」
と、言われたため即帰宅することにした。
家に着けば、日課である軽い筋トレを行い食事、風呂と順々にこなして、夕方6時に早めの就寝を行う。
まぁ、俺はこの後も予定があるからな……。
妥当な睡眠時間と言えよう。
「今日は少しだけ長く眠れるな……」
そう呟いて俺は就寝する。
◆
午後11時。
『時間になりました……起きてください、紫電さん』
『ん、おはよう……場所は?』
『Cの22です』
『了解』
予定通りの時刻になった携帯を手に取り、俺は通話をする。
内容は仕事の話。
静かで無機質な彼女の声で、紫電という名を言われるとそれだけで身が締まるような思いになる。
「……行くか」
黒いタキシードと、黒い仮面を装着。
トントンと靴の調子を確かめ、暗器の具合を整えた後、俺は誰にも見つからないようこっそりと裏口から出る。
時刻は11時半。
予定通り、俺は家を出た。
これが、平凡な高校生活とテロ組織『ノア』に籍を置いた非凡な構成員のデュアルライフの生活であったーーー
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