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第4話:最終決戦――お風呂という名の水浴び戦場と絶対寝かしつけ作戦

 お茶の大海原(テーブル汚染)を 雑巾部隊の迅速な全拭き作戦により

無事鎮圧し、

夕食の撤収作業を完了した時刻は 1930(ヒトキュウサンマル)。


 だが、ここで勝利の美酒(冷めたお茶)に 酔いしれている暇はない。

一日の総仕上げにして、 最も体力を激しく消耗する二大ミッション――

『水浴び(お風呂)戦場』および 『絶対寝かしつけ作戦』が牙を剥く。


「全軍、入浴体制へ移行! 服を脱いで浴室へ突撃せよ!」


「ヤダー! まだYouTube見るー!」 「メイちゃん、お風呂きらいー!」


出撃命令に対する、速攻の拒否権発動!

要人(子どもら)はソファの背もたれの裏へと潜伏し、

強固な陣地(立てこもり)を築き上げた。


「ふっ……想定内だ。 『びっくらたまご(バスボール)』投下!」


私がポケットから取り出したのは、 中にフィギュアが入った魅惑の入浴剤。


「「入るー!!」」


ε- (´ー`*)フー 買収成功。


要人たちは衣服を脱ぎ散らかしながら、 雪崩のように浴室へととなだれ込んだ。

しかし、浴室に入ったからといって 安心するのは素人(新兵)だ。

ここからは水しぶき飛び交う近接戦闘が始まる。


「リク、頭を洗うわよ! 目を閉じなさい!」

「いやだ! シャンプー目に入るー!」

「大丈夫、泣かない子用シャンプーよ! シャワー、照射ファイア――!!」

「ぎゃあああ!」

と暴れる長男をあやしつつ、 同時並行で、浴槽の湯を洗面器で汲み上げては

足元で水遊びを始めた長女の暴走をブロック。

水滴と汗で私の服(すっぴん&部屋着)はびしょ濡れ。

まさに身を削る水浴び戦場である。


「よし、湯上がり完了! 水分補給と歯磨きフェーズへ移行!」


2030(フタマルサンマル)。

体を拭き、パジャマを着せ、 歯磨きという名の『口内病原菌討伐』を遂行。


いよいよ最終作戦――『寝かしつけ』の時間だ。

寝室の照明を落とし、暗闇ナイトビジョンを展開。

要人二人を布団へと拘束(添い寝)する。

ここでの禁忌タブーは、 司令官である私自身が先に落ちる(寝落ちする)ことだ。

まだ畳んでいない洗濯物の山、 そして溜まった茶碗洗いが

リビングで待っている。


「ママ、絵本読んでー」 「お歌うたってー」


要人たちの粘り強い精神攻撃(寝たフリ破り)。

私はトントンという規則的な振動攻撃(心地よいタッピング)を 加え続け、

彼らの意識の覚醒度を削っていく。


トントン……トントン……。

(くっ……重力が増している……! 私のまぶたが……重い……!)


暗闇と波のような寝息。

それは司令官自身をも襲う強力な催眠兵器。


(ダメだ……落ちるな葵! 今寝たら、明日の朝の自分が絶望する……!)


必死の思想闘争(気合)。 そして、ついに――。

「スー……スー……」


長男と長女の呼吸が、深くて規則的なものへと変わった。

要人たちの完全休眠(睡眠状態)を確認!


「……作戦、完了ミッション・コンプリート


私は忍び足でベッドを脱出し、 静かに子ども部屋のドアを閉めた。

2130(フタヒトサンマル)。


静まり返ったリビングに戻り、 私はようやく本日最初の『温かい紅茶』を淹れる。

夫はすでにソファで爆睡中。

散らかったリビングを片付け、 静寂の中で紅茶を一口すする。


「ふぅ……今日も無事に我が国の平和を守り抜いたわね」


疲労感と、それを上回る圧倒的な達成感。

専業主婦の戦場に、束の間の安らぎが訪れる。

明日は明日で、また新たな作戦(日常)が始まるのだ。

司令官の休息は短い。

 だが、その表情にはどこか誇らしげな笑みが浮かんでいた――。


(第1章 第4話 終わり)

第4話もお読みいただき、ありがとうございます

お風呂のバタバタから歯磨き、そして「寝かしつけ時の寝落ちとの死闘」…!

みなさん一度は体験したことがある「寝落ちとの戦い」

を描いてみました。


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