表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒翼契約譚《レイヴン・クロニクル》 ~終わりを選び、未来を奪い返せ~  作者:
第二章:未確定領域 ― 選択の連鎖

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/121

第3話:未確定の記憶

世界が、壊れている。

アウラが、ただ“そこにいる”だけで。

空間は整い、歪み、そして否定される。

「――遅いね」

その一言で。

クロエの動きが、“なかったことになる”。

「っ……!」

踏み込んだはずの一歩が消える。

結果も、過程も。

最初から存在しなかったかのように。

セレナが叫ぶ。

「クロエ!」

光が走る。

だが。

その光もまた――“届かなかったことになる”。

「……効かない」

セレナの声が、わずかに揺れる。

アウラは、ただ見ている。

「だから言ったでしょ」

静かに。

淡々と。

「意味がないって」

次の瞬間。

世界が“巻き戻る”。

クロエの位置が戻る。

セレナの構えが戻る。

傷すら、なかったことになる。

完全な否定。

ノクティアが告げる。

「現象確認」

「因果逆行、及び再定義」

クロエが舌打ちする。

「チートすぎでしょ……!」

ノクスが笑う。

「いいねぇ」

「絶望ってやつだ」

アウラが、一歩進む。

それだけで。

空間が“整う”。

「終わらせる必要もない」

「最初から、無かったことにすればいい」

その視線が――

エルに向く。

「君も、そうだよ」

その瞬間。

エルの中で、何かが“引き剥がされる”。

白い空間。

無機質な光。

冷たい声。

「適合率、上昇」

「人格領域、削減」

子供の視界。

拘束。

声が出ない。

「……やめろ」

小さな声。

だが。

誰も聞かない。

「観測機構への統合、開始」

世界が、白に塗り潰される。

「……いやだ」

その瞬間。

現在へ戻る。

エルの呼吸が、乱れる。

「……今のは」

ノクティアが反応する。

「記憶領域の強制開示を確認」

アウラが微笑む。

「見せただけだよ」

「“元に戻る前の状態”を」

エルが、震える。

「……違う」

否定する。

だが。

完全には否定できない。

クロエが前に出る。

「それ以上やるな」

低く。

怒りを含んだ声。

アウラは興味を示す。

「へぇ」

「怒るんだ」

その言葉で。

何かが、弾ける。

クロエの中で。

“終わらせた記憶”が、浮かび上がる。

消えた世界。

消した自分。

「……うるさい」

黒が、揺らぐ。

今までとは違う。

抑えていたものが――滲み出る。

セレナが気づく。

「クロエ……それは」

ノクスが、低く笑う。

「行くか?」

クロエは、答えない。

ただ――前を見る。

「……終わらせる」

その瞬間。

黒翼が、崩れる。

形を失い。

再構成される。

より深く。

より強く。

より――“本質”へ。

空間が、沈む。

アウラの表情が、わずかに変わる。

「……それ」

初めての“違和感”。

クロエが歩く。

一歩。

その一歩で、空間が“終わる”。

だが同時に。

“残る”。

矛盾した現象。

エルが呟く。

「……再構成」

クロエの力が、変質している。

セレナが前に出る。

「維持する」

光が重なる。

黒と光が、交差する。

完全に。

アウラが、静かに言う。

「……危険だね」

初めての評価。

だが次の瞬間。

すべてが“巻き戻る”。

クロエの覚醒が。

セレナの光が。

エルの記憶が。

すべてが。

なかったことになる。

「……やっぱり」

アウラが微笑む。

「まだ、届かない」

絶対的な差。

だが。

クロエは笑う。

「そうでもないよ」

黒が、再び揺れる。

今度は、消えない。

ほんのわずかに。

“残っている”。

アウラの目が、細くなる。

「……へぇ」

戦いは、まだ終わらない。

むしろ。

ここからが、本番だった。


読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!

引き続き「レイヴンクロニクル」をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ