プロローグ
はじめまして。この物語は、
「運命に抗う少女」と「すべてを終わらせる力」の物語です。
ダーク寄り・シリアス多めですが、
バディ関係や感情の変化も大事に描いていきます。
少しでも「気になる」と思ってもらえたら、
ぜひ最後まで見届けてください。
――世界は、静かに壊れ始めていた。
空は紫に濁り、昼と夜の境界は曖昧になり、影は意思を持つかのように蠢く。
人々はそれを“災害”と呼んだ。だが、一部の者は知っていた。
それが――現実を侵食する異界、“紫冥領域”であることを。
その中心にいるのは、“鴉”。
死を運び、契約を与え、代償として“存在”を削る終焉の使者。
その日、少女はすべてを失った。
崩れた街、消えた名前、思い出せない“誰か”。
残されたのは――黒い羽だけ。
「……見えるか」
耳元で響く低い声。振り向くと、そこには一羽の鴉がいた。
闇より深い黒、底のない瞳。
「お前には“素質”がある。契約しろ」
救いではない、終わりの提示。
少女は静かに目を閉じ――
「……いいよ」
その瞬間、世界が軋み、空間が裂け、彼女の背に“黒翼”が生まれる。
「契約は成立した。代償は――お前の“記憶”だ」
名前、過去、温もり――すべてが剥がれ落ちる。
それでも少女は立っていた。何も覚えていなくても、戦う理由だけはわかっていた。
「いい目だ。ようこそ、“契約者”」
鴉は嗤い、羽を揺らす。
紫に染まる空の下、黒翼を背に少女は静かに目を開く。
その瞳に宿るのは――光ではない。
――終焉。
こうして、世界の終わりを巡る物語は、静かに幕を開ける。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
少しでも世界観や雰囲気を楽しんでいただけたなら嬉しいです。
この先、物語はさらに大きく動いていきます。
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