相棒が攫われた!
みなさん、こんにちは。
アタシは小鳥遊ひばり。
天然な姉を持つ、しっかり者の妹です。
姉が通っていた大学の後輩でもあります。
――事件発生!
ちょっとコンビニへ行こうと、
アタシはサンダルを履いて玄関を出た。
「ぬおっ!」
思わず声が出た。
“ない! アタシのシルバがっ!”
高校三年間、
毎日往復五キロを走り続けたアタシの足。
愛車の自転車、「シルバ」。
もちろん、銀色だ。
そのアタシのシルバが、忽然と消えた。
二時間前、
「あとで乗るから」と玄関横の空きスペースに停めた。
確かに、そこにあった。
ちゃんと鍵も掛けて、
その鍵は玄関の鍵掛けフックに下げてある。
家の中に戻る。
――鍵は、ある。
でも肝心のシルバが、ない。
「どろぼうか?!」
どこにでもある自転車だぞ。
ホームセンターで税込二万円だぞ!
どこのどいつだ!
盗むなら、もっと高いやつを盗め!
「ぬぉーーーー!」
さっきよりも大きい声。
正確には、怒りのこもった嗚咽が出た。
「どうしたの?」
二階から、さくらねえが降りてきた。
「アタシのシルバが盗まれたっ!」
「シルバ?――ああ、ひばりの自転車ね」
「そう! さっきまであったのに、消えた!」
「ひばりの自転車なら、出しっぱなしだったから
自転車置き場に移して、カバー掛けておいたよ」
――――「!!!」
さくらねえの言葉に、玄関を飛び出して自転車置き場を見る。
カバーの掛かった自転車が、三台並んでいる。
そのうちの一台のカバーを、そっと捲る。
“アタシのシルバ”
アタシは家の中に戻り、
さくらねえに「サンキュ」とだけ言った。
カバーを外すのが面倒なので、
コンビニに行くのは中止した。
みなさん、こんばんは。
小鳥遊姉妹の妹、ひばりです。
使った物は元の場所に戻す--
分かっていても後回しにしちゃいます。
改善に向けて前向きに検討します。
さて、次回ep3をご案内します。
「無断外出したブラウス」
2026年4月18日(水) 公開です。
また来週、会いましょう!




