出鼻を挫かれた!
みなさん、おはようございます。
私は小鳥遊さくら。
この春から社会人一年生になりました。
スマホアプリ開発会社の総務で働いています。
初出勤から二週間が経過。
まだ生活のリズムが、まったく染みついていません。
今日は月曜日。
週末は寝て過ごしました。
疲れは取れていません。
今朝は“ひばり”に起こしてもらいました。
あ、ひばりは三つ下の妹です。
私がこの春に卒業した大学に通っています。
姉の私が言うのもなんですが、しっかり者のできた妹です。
――事件発生!
身支度を整えて、「いざ出勤!」
ところが三和土に、私のパンプスが無い。
パパの革靴、ママのサンダル、ひばりのスニーカーは
きちんと揃っているのに、
私のパンプスだけが見当たらない。
“どろぼう?!”
……いや、私のパンプスに価値はない。
“空間転移?!”
……いや、うちは平凡な一般家庭だ。
やばい。
そろそろ出勤しないと、駅まで小走り必須になってしまう。
「ひばりーーーーー!」
私の声に、ダイニングからひばりが顔をのぞかせた。
「なに?」
「わたしのパンプスが消えた!」
「消えるわけないでしょ」
「ほんとに消えたの!」
「――ここにあるじゃん」
ひばりは面倒くさそうに玄関まで来ると、
下駄箱の扉を開けて、
私のパンプスを取り出した。
「いつの間に瞬間移動した?」
「ヤバい、もう出なきゃ!」
パンプスに足を入れ、家を飛び出す。
いつもの電車には間に合いそうで、ホッとした。
*
さくらねえを見送り、ダイニングへ戻るアタシ。
(ごめん、さくらねえ。
きのう無断で借りて、消臭スプレーして、
ついつい下駄箱に入れちゃった)
みなさん、こんばんは。
小鳥遊姉妹の姉、さくらです。
電車には間に合いましたが
「駆け込み乗車はご遠慮ください」って
駅員さんに注意されてしまいました。
これからわたしたち姉妹の日常を
毎週1エピソードずつお届けしたいと思います。
今日は連載開始拡大版で
妹のひばりのエピソードもお届けします。
ep2 相棒が攫われた!
引き続きお楽しみください。




