翼を授かる(棚ボタで)
「みてみて、パパ~!」
ピカピカのカブの横に立つパパに声をかける。
「おお、さくらにひばり。実はパパね―――」
「ばば〜〜ん!」
パパのセリフが終わる前に、さくらねえと私は右手を突き出した。
もちろん、右手には原付免許が握られている。
「ばば〜〜ん!」
間髪入れず、左手に持ったヘルメットも見せる。
ちなみに、さくらねえとアタシはお揃いの色だ。
「いつの間に免許を取ったの?ヘルメットまで?」
(父よ、我が家の情報網を甘くみてはアカン)
「―――そうか、ママから聞いたのか」
(父よ、情報源の特定が早すぎる……当然か)
パパは私たちの免許を凝視した。
「ごめん、このカブには乗れないよ」
「はぁ~~~!?」
「はぁ~~~!?」
さくらねえとアタシの叫びがハウリングした。
「いや、あのバイクアニメに黒髪ロングのサバサバキャラがいたでしょ?
その子のカブが気に入って買ったんだけど、125ccなのよ。
さくらとひばりの免許は50ccまでだから、このカブには乗れない」
「はぁ~~~!?」
「はぁ~~~!?」
再びハウリング。
すごすごと退散した。
――――それから三週間後。
パパのカブの隣に、淡いブルーのカブが停まっている。
アニメのとは少し色が違うけど、きれいな色だ。
「ケンカしないで順番に乗りなさい」
パパの声に、アタシたちはうなずいた。
ちなみに最近、ママの機嫌はすこぶる悪い。
ちなみにさくらねえは、1回だけ乗って、それ以降は脳内ツーリング中である。
こんばんは、ひばりです。
せっかく免許を取って、ヘルメットも買ったのに
運転できないなんて…と思ったら
さすがパパ!
アタシたちのためにカブを買ってくれた…神!
早く乗ってみたい!
さくらねえと思ったら順番ジャンケンね。
次回
「風を感じる」お楽しみに!
2026年7月22日(水)公開です。




