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翼を授かる


「みてみて、ひばり~!」


(ああ、なんか嫌な予感しかしない……)


夕食後、ベッドで推しの定期更新をチェックしていると、ノックの音と同時にドアが勢いよく開いた。

さくらねえが、ドカドカと入ってきたのだ。


(なんかデジャブ……。あれ、エピソード11でもこんなことあったような?)


「ばば〜〜ん!」

右手を突き出すさくらねえ。


「ぬぉっ!」

目の前に差し出されたものにピントを合わせると……

なんと、原付バイクの免許だった。


「すごいでしょ~」

さくらねえは得意げに笑う。


「原付の免許、取ったの?」

思わず声が出た。


「取っちゃいました~」

ドヤ顔は継続中。


「バイクは?買ったの?」

こちらのテンションも上がる。


「買う必要なし。パパから借ります!」

まだまだドヤ顔。


その後、さくらねえは身振り手振りで説明してくれた。

必要な部分だけ抜粋すると――


マカロン事件の翌日、

パパはシュークリームを買って帰った。

その翌日はプリン。


さすがにママも異常事態を察知してパパを問い詰めたらしい。

女子高生がカブに乗るアニメを観て影響されたパパは、ママのご機嫌取りにスイーツ攻勢を展開。

その結果、ママから許可が出てカブを購入したのだ。


その話を聞いたさくらねえは

速攻で原付免許を取得。

これで現在に至る。


「いいなぁ、アタシも免許欲しいな」


「はい、問題集!」

さくらねえは左手に持っていた原付免許の問題集をアタシに差し出す。


「まるっと読めば合格できるよ」

「ありがとう」


「カブが来るまで2週間しかないから、ちゃちゃっと免許取っちゃいな」

そう言い残して、さくらねえは自分の部屋に戻った。


(さくらねえが取れるなら、アタシなら楽勝だろう)


――そして1週間後

アタシの財布の中にも原付免許が入っている。


さらに数日後の日曜日。

ベッドでゴロゴロしていると、家の外から聞き慣れない音がした。

窓から覗くと、家の前にバイクが停まっており、ヘルメットを被ったパパが立っている。


(カブが来た!)


「さくらねえ、パパが帰ってきたよ。カブもある!」

アタシとさくらねえは、右手に免許、左手にヘルメットを抱えて階段を駆け降り、玄関でパパの元へ向かった。


こんばんは、さくらです。


原付バイクの免許、思ったよりも簡単に取れたの。

ひばりなら楽勝ね。

あとはパパのカブの待つだけ。

楽しみだわ。


次回

「翼を授かる(棚ボタで)」お楽しみに!


2026年7月15日(水)公開です。

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