最終話 0.1%
翌日、Y崎は幸雄が居る拘置所へと急ぎ向かい、面会した。
面会室でアクリル板越しに二人は再開した。
Y崎
「幸雄、元気にしてるの?」
幸雄
「……別に普通だよ。どうしたの?」
Y崎
「大事な話があるの。とっても大事な話よ」
幸雄
「……何?」
Y崎
「昨日仕事の帰り道でね、KさんとAさんがやって来て言ったのよ。
私達の捏造だったって」
幸雄
「え?……あの二人、やっぱり手を組んでたって事?」
Y崎
「そう言ってたわ。あの二人、痴漢冤罪被害者の会の会員同士みたいね。
母さんのSNSの投稿で怒って、それで母さんに復讐する為に
あなたの痴漢を捏造したって言ってたわ。これが事件の全ての答えよ」
幸雄
「……やっぱりそうだったんだ……俺は生贄にされたんだよ。
このタイミングでそれを言いに来たって事は、
あの二人、控訴出来なくなる14日間が過ぎてから
言いに来たって事だよ絶対。
それを知った所でもう控訴出来ないし、証拠もないじゃん。
今更もう何も出来ないよ」
Y崎
「いいえ違うわ幸雄、出来る事ならあるのよ」
幸雄
「え?……」
Y崎はカバンからボイスレコーダーを取り出し幸雄に見せた。
Y崎
「母さんね、昨日用心の為に防犯スプレー持っておかなきゃて思ってね、
カバンの中に手を入れてたのよ。その時にKさんだってわかったから
念の為カバンの中のボイスレコーダーで録音してたのよ。
こういう時の為に普段から練習してたのよ」
幸雄
「え?……じゃあその二人の会話、録音出来てたの?」
Y崎はボイスレコーダーを再生した。
スピーカーから昨日録音した音声が流れた。
Aさん
「私達、痴漢冤罪被害者の会に参加してるのよ。そこで知り合ったわ。
あなたの息子の痴漢は、私達が仕組んだ捏造よ!」
Y崎
「ほらね、昨日のAさんとKさんとの会話、全部録音したわ。
これはもう完全に自白よね」
Y崎は幸雄を優しく見つめ、語りかけた。
Y崎
「幸雄、再審しましょ。この証拠があれば今度こそ勝てるわ」
幸雄
「…………え?」
Y崎
「再審なら、今からでも出来るわ。もう一度頑張りましょ」
幸雄
「……本当に?」
Y崎
「ええ、本当よ。時間はかかるけどね……
でも、このまま罪を背負わされる訳にはいかないもの。
あなたは無実だって、痴漢なんてしてないってこの国に
証明してやりましょう」
幸雄
「母さん、本当なの?次は勝てるかな?」
Y崎
「この録音の自白の証拠なら絶対勝てるわ。
母さん再審の為に頑張るから、だから幸雄、
あなたも母さんと頑張りましょ」
幸雄
「うん!俺やるよ、再審するよ!
ありがとう母さん!」
幸雄に笑顔が戻った。
痴漢事件が起きてからY崎は初めて幸雄の笑顔を、
そして幸雄からのありがとうの言葉をその時受け取った。
Y崎
「…………う、うう……幸雄……幸雄……」
幸雄
「……母さん?」
Y崎の瞳から涙があふれ出す。
Y崎は目の前に居る愛する息子の存在を少しでも感じようと
アクリル板に手を伸ばしながら息子の名を呼び続ける。
幸雄もY崎の伸ばした手に重ねるように手を伸ばし
泣きながら自分の名を呼ぶ母を呼んだ。
幸雄
「……母さん…俺はここに居るよ…大丈夫だよ」
Y崎と幸雄、二人は再審を起こし無罪を勝ち取る為に再び歩き出した。
再審はどんなに手続きなどが順調に進んでも
一年以上かかる事が通常である。
そしてこの国では、再審を起こす事は開かずの扉と言われる程に
困難と言われている。忍耐と試練の道のりがY崎を待ち構えているだろう。
愛する息子の無罪を勝ち取る為、自分の生き方が間違っていないと
証明する為、Y崎の戦いはこれからも続いていく。
数日後
昼なま司会
「いや~なんかさ~コメンテーターのさ~Y崎さんがさ~
息子の痴漢事件で再審起こしたんだけどさ~
やっぱり無理なんじゃない~?
どうよ、I山さん」
I山
「もう本当に見苦しいなと、往生際が悪いなと思いますね。
自分の息子の可愛さの為にそこまでするかと、見てられないですね。
こういう人が痴漢撲滅活動プロジェクトの会員だと
その団体全体の品格まで疑われてしまいますからね。
いい加減息子の罪を認めるべきだと思います。
あの人の言葉を借りてもう一度言わせてもらいますね。
この国の裁判の有罪判決率は99.9%です。
当然ながら無罪判決率は
0.1%です」
私の息子の痴漢冤罪
~「お願い信じて!私の息子は痴漢なんてしてないわ!」~
終
この物語はフィクションです。
ですが、貴方、そして貴方の大切な人がいつ痴漢冤罪被害にあっても
おかしくないという現状は、決してフィクションでは無く、
紛れもない事実です。
AI利用区分:AI補助的利用
今作の執筆に当たって裁判について全く無知であった筆者の質問に
全て詳細に教え、答えてくれたAI:Gemini、そして開発元である
Googleに、この場を借りて心より感謝と敬意を申し上げます。
作中の裁判や法的手続きに関する詳細などは
AIの回答をもとに執筆したものであり、
実際の裁判とは異なる場合や誤りが含まれる場合があります。
あらかじめご了承下さい。
ゼロイチ




