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小さな緑

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

春の光が、焼け跡の町に降りていた


けれど、その光は、まだ少し寂しそうだった

黒く焦げた柱。崩れた家。灰を含んだ風

かつて人々の笑い声があった場所には、静かな空だけが残っていた


その人は、ゆっくりと歩いていた


かつて、多くの人々から遠く仰がれていた人だった

けれど今、その背中は小さく、深い悲しみを抱えているように見えた


国は大きな戦に敗れた

町は焼け、人は傷つき、たくさんの命と暮らしが失われた


その人は、足を止めた


瓦礫のすき間に、何かが見えた


それは、小さな芽だった


黒い土の中から、ほんの少しだけ顔を出した緑

誰かに見つけてもらうためでもなく

誰かに褒められるためでもなく

ただ光の方へ向かって、懸命に伸びていた


風が吹くと、芽は頼りなく揺れた

けれど、倒れなかった


その人は、そっと膝を折った


「お前は……ここで生きるのか」


返事はない


それでも芽は、まっすぐだった

焼けた町の中で、そこだけが小さな希望のように見えた


失われたものは戻らない

悲しみも、痛みも、簡単には消えない

けれど、この小さな命は、灰の下から立ち上がってきた


その人は、静かにつぶやいた


「我々も、悲しんでばかりではいられない」


それは演説ではなかった

誰かを叱る言葉でもなかった

小さな芽に教えられた者の、静かな決意だった


やがて町には、少しずつ人の声が戻ってきた


焼け残った板を集める者がいた

畑を耕す者がいた

井戸の水を汲む者がいた

子どもの手を引き、明日へ歩き出す母がいた


春が来るたび、緑は増えていった


道ばたに草が伸びた

庭に若い木が植えられた

広場に新しい葉が揺れた


緑は、ただ美しいだけではなかった

傷ついた人々に、そっと語りかけていた


まだ生きてよい

まだ育ってよい

まだ明日を作ってよい


そして、いつしか春のある日は

草木をいつくしみ、命の芽吹きを思う日になった


その名を言わなくても

人々は知っている


この日は、ただ緑を見る日ではない

焼け跡から伸びた小さな芽を思い出す日

悲しみの中から、それでも歩き出した人々を思う日


どれほど傷ついても

命はまた芽吹く


そして人は

小さな緑に背中を押されて

もう一度、明日を作りはじめる

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