ひとつに溶ける世界
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
棚の上には、似たような箱が並んでいる
色違い、型違い、機能違い
けれど説明書きを読めば、どれも同じことが書いてある
「これ一台で、すべて。」
昔、祖父の家には、用途ごとに道具があった
電話は電話
カメラはカメラ
時計は時計
音楽は、音楽だけの機械
それぞれが、それぞれの役割を持ち
余計なことはできなかった
不便だったが、明確だった
いま、僕のポケットには
ほとんどのものが入っている
時間も、会話も、写真も
地図も、買い物も、仕事も
遊びも、孤独も、承認も
ひとつで、なんでも
便利だ
否定しようがない
だが、ふと立ち止まると
専用という言葉が、静かに消えていることに気づく
専用の店は
多機能なモールに吸収される
専用の機械は
統合された画面の中に取り込まれる
専用の時間さえ
通知の波に溶かされる
選べる時代だと言われる
色も、形も、機能も
無数にある
けれど
選択肢が増えるほど
選ぶ方向は一つに収束していく
多機能なものへ
効率的なものへ
集約されたものへ
やがて、多機能は
専用を食い尽くす
電話は消え
時計は消え
カメラは消え
それぞれの「ためだけ」が
意味を失う
すべては統合される
情報も、感情も
買い物も、学びも
仕事も、遊びも
ひとつの中へ
そのひとつは
便利で、速くて、正確だ
だが同時に
世界の輪郭を平らにしていく
違いは最適化され
個性は機能に置き換えられ
余白は削除される
ひとつで、なんでも
その言葉の裏側には
「ひとつしか、残らない」という未来が
かすかに滲んでいる
多機能は、優しい顔をしている
あなたの手間を減らし
あなたの時間を守ると言う
だが気づけば
あなたの時間も
あなたの選択も
ひとつのシステムに預けられている
やがて世界は
ひとつにまとまるのかもしれない
専用は消え
役割は溶け
境界は曖昧になる
国も、言葉も、仕事も
個人さえも
巨大な「ひとつ」に編み込まれていく
それは進化かもしれない
必然かもしれない
だがそのとき
僕たちは何を失っているだろう
ひとつのことしかできない
あの不器用さ
あの集中
あの覚悟
すべてを抱え込む世界の中で
「これのためだけに存在するもの」は
静かに絶滅していく
棚の上の箱は
今日も似たような顔で並んでいる
「これ一台で、すべて」
その言葉の先にある未来を
僕は想像する
便利で、滑らかで
そして
どこか静まり返った世界
多機能が食い尽くしたあと
最後に残るのは
たったひとつ
世界は今
ゆっくりと
その「ひとつ」になろうとしている




