表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BARダークブルー  作者: 松 宏幸
9/12

夢を持つ人

いらっしゃいませ。BARダークブルー店主の沢北紺です。ちょっと最近、会話少なめのコンセプトがまるっきり変わってしまって話しまくってます。

話せるBARにコンセプト変えようかなぁ。。

さて今日のお客さんは?

ギターケースを持った一人の青年がゆっくりと扉を開けて入ってきた。

青年は何か悩んでるようにこちらを覗いているたので、店主は近寄って行く。

「いらっしゃいませ。あ、この脇に置いてもらって大丈夫ですよ。」とギターケースを脇に置けると案内した。

青年はギターケースを置き、その隣の席に腰を下ろした。

ちょっと年季が入った茶色い革ジャンとグレーのジーンズを履いた、さらっと長めの髪、一目でミュージシャンかなと思う格好をした青年だ。

「ビールください」注文した青年は澄んだ声をしていた。


赤ビールとピーナッツ、おしぼりを運んだ。

煙草も出していたので、灰皿も近くに置く。青年は「ありがとうございます。」と、礼儀正しく返した。


(いいな。)店主も大昔に、ギターを弾いていたことがあって、友達の前とかでは演奏を披露したことがあった。ちょっとだけミュージシャンを目指そうかと思った頃もあったのだ。結局、夢に終わって、ギターはインテリアとなったのであるが。


青年は煙草を吸いながら、何か譜面のようなものを広げて考えている。ビールをときどき口に運んでる。

きっと女子が見たら、かっこいいと思う場面かと。何かのテレビで見たことがあるが、男が煙草吸いながら、何かの書面を見ながら考えてる姿って、女の人はグッとくるそうなのだ。

わかるような気はする。オレも女子がペンを持って何か考えながら書いているとき、同じくグッと来てしまう。


「すいません?」

青年に呼ばれたので、伺った。

「バーボンのロックと、コンビーフください。」と注文されたので、

店主「おつまみは1皿2種類乗せられますが?」

青年「そうですか。じゃ、コンビーフとクラッカーを。」

店主「かしこまりました。」


店主は、バーボンのロックと、雫型の小さい皿に、コンビーフとクラッカー、コンビーフには黒胡椒を振って運んだ。

我ながらこの2種類トッピングは、簡単だけど、満足いただけるつまみだ。


青年は、付いてるアイスクリームスプーンでクラッカーにコンビーフを乗せて口に運んだ。

追いかけるようにバーボンを飲み、また譜面を見ている。


ミュージシャンの人って、バーボンはジャックダニエルなんだよなぁ。店主もジャックダニエルは好きで、昔若いときはジャックダニエルを飲むのがカッコいいと思っていた。

店主はどちらのバーボンも好きなのだが、ハーパーのほうが豊かさがあるので、店ではハーパーを使っている。

今でもときどき家ではジャックダニエルを飲んでたりする。

店主「バーボンお口に合いますか?」と訊くと「はい、美味しいです。」とまた丁寧に返した。

(よかった。)

店主は話しの続きに、どこで演奏してるのか?ストリート?バンド?などを聞きたかったが邪魔すると思い訊くのは耐えた。いや、耐えようとしたのだが、訊いてしまった。

「どちらかで演奏してるんですか?」

ダメだなぁ。客には話さない、邪魔しないのではなかったのか?自問自答で、反省する。


青年「ひとりで。錦糸町の駅前でストリートやってます。」

店主は喜んで話し始めた。

「そうですか!ストリートですか?どんなのやってるんですか?」

青年「フォークですかね?一応オリジナルをやってます。」

店主「私も昔、コピーを少しやったことはあるんだけど、オリジナルをストリートでやれるのはかなり凄いね。」

青年「ありがとうございます。ついでがあったら聴きに来てください。あとたまにライブもやってます。」

青年はポケットから財布を出し、前のチケットを見せてくれた。

--------------------------------------

☆KEITO 弾き語りライブ

     夜の語り2021

          高円寺ライブ館

--------------------------------------

青年「星景人ホシケイトと言います。☆KEITOで活動してます。」

店主「ケイトくんね。今後ライブの宣伝とかあったら貼りますよ。」と壁を指挿した。

ケイトはありがとうございますと丁寧に返す。

その後も店主が褒める度に丁寧に言葉を返す。(うん、良い青年だ。)

「いつか売れたい夢はあるんですけど、なかなか認められないんですよね。」

ケイトは気持ちを話し出してくれた。

「淋しい曲が多いんですけど、だいたいは失恋の歌だし、それが暗すぎるのかなぁと考えてたんです。」


店主「私は、淋しいの好きですよ。失恋の歌も好き。人間はそういうとこ持ってるから、聴いてもらえると思うよ。」

ケイト「そうですよね!」

店主「まー、そう簡単には行かない世界だけどね。でも夢があるってことはいいことだよ。がんばっていけばきっと何かつかめるよ。」

ケイト「なんかマスターさん?と話してると勇気が出ます。ありがとうございます!」

店主「そう?どうも。」

気を良くした店主は、バーボンとつまみをサービスで足した。





夢を持ってる人って素敵だ。夢とか、ありふれた言葉だけど、

本当に夢を追って頑張ってる人は素敵に写る。


音楽でも


役者でも


スポーツでも


夢に向けて突っ走ってる人


応援したくなる。


夢を持ちたい。


そんな大きいことでなくても。


凄いことでなくても。


自分の夢


自分の想ってる夢であればいい




夢を持とう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ