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小さな冒険者マリ

「おねえちゃん!みんなを貸して!」

「え?」


 マリが生まれてから六年。最近は畑で手伝いのようなことをしているらしい。現在、週に一度はハーベ村の家に帰るように心掛けている。


──マリに忘れられないためなんだけどね。


 青いフェニックス事件の後はあちこちを飛び回っていたが、ほぼ毎日家に帰ることができたのはあやかさんのおかげ。マリは生まれた時からみんなに囲まれて育ったので、みんなを怖がることはなく、言葉が理解できないなりにみんなと話している。


「マリ、みんなとなにするの?」

「冒険!」

「え!?」


 マリはみんなと家の外に出ると、ピーちゃんを頭に乗せ、パーラを背負い、どこかで拾った木の枝を杖のように持つ。それはさながら小さなビーストテイマーのような姿。マリの頭の上にいるピーちゃんは、私よりも小さな頭にバランスを取るのが難しい様子。


「マリ、ノココは?」

「片手で持てない…」

「そっか」


 マリはそのまま村の外へと出ていった。


「ちょ、ちょっとマリ!?外に行くの!?」

「うん!」

「レイア、ついていってあげて」

「う、うん」


 ハンナは笑いながら私にそう言った。私はノココを抱えながらマリの後ろを歩く。マリは外へ出たものの、村の外周に沿って小さな歩みを重ねていった。


 マリを先頭に、左右には藤狐のタマモと小さなリオン。その後ろに私がノココを抱えて歩き、私の左右にはケリュスとアカマサ。最後尾はハドックが務める。村の外周と言っても広大な畑の周囲を歩くようで、仕事をしている村人たちは笑顔でこちらに手を振る。マリは村人たちに手を振り返しながら、我が物顔で歩みを進める。そして、仕事中のミゼルと出会った。


「なにしてるんだ?」

「冒険!」

「飯はどうするんだ?」

「食べる!」


 私たちは昼食のためにミゼルや他の村人たちと家に戻る。マリの冒険もここまでかと思っていたが、続きがあった。昼食後、私たちはミゼルと一緒に畑に向かう。マリは冒険を中断した場所から冒険を再開し始めた。しかしマリは満腹なため、次第にうとうとし始め、頭の上のピーちゃんはバランスを取れなくなり、特等席へと舞い戻る。


「マリ、眠い?」

「眠い…」

「ちょっと寝よっか」

「うん…」


 私は布を敷き、マリを寝かせる。畑の近くでマリは眠り、その間に、私、ハドック、ケリュスの三人は畑を手伝った。マリが目覚めると再び村の外周を進む。日が落ち始めた頃、私たちは村の入り口まで戻り、村を一周した。


──マリは途中から大きくなったリオンに乗ってたけどね。


 夕食中、マリは冒険の感想をミゼルとハンナに伝える。


「すっごく楽しかった!」

「よかったな」

「マリはレイアの仲間が大好きだからね」

「うん!」


 マリは私たちがいる時は一階でみんなと眠る。そのため、一階の私の部屋にはベッドが一つ増えた。


──今度はどこかに連れて行ってあげようかな。


これにて終了です。

ありがとうございました。

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