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20.わたくしとマイロ4


その後、第二王子殿下と陛下に呼ばれたマイロは王宮へと出かけて行きました。


そしてノーブル嬢と第一王子殿下の婚約は破棄となり、そんなノーブル嬢へ第二王子殿下がプロポーズなされたのですって!

ノーブル嬢の努力を第二王子殿下は見てらして、そんな努力をしている姿を好きになられたのでしょうね。ノーブル嬢からしてみれば、努力した部分を一番に評価してもらえるのは何より嬉しかったと思います。


「第二王子殿下、素敵ね!」

と言うと

「確かに」

と言いつつも嫉妬をしたマイロにまたぎゅうぎゅうと抱きしめられるのですけど。

「わたくしはマイロにしか興味ありませんのよ?」

ときちんと口にするとキスの嵐が巻き起こりましたわ。


そして、フラーク侯爵令息様のご婚約者グレイス嬢はもちろん婚約の破棄をお求めになりました。

そこでマイロがグレース嬢の目に留まり、婚約者にならないかと声を掛けられたそうなのです。

どうやらグレイス嬢はわたくしとマイロの婚約はご存じなかったようでした。まあ仕方ないと思いますわ。身分的に子爵家のマイロのことなど興味が無くて当然なのですから。

社交の場にわたくし達はパートナーとして出席しておりますけれど、見た目も目立ちませんしね。

けれど、陛下の御前で優秀さを見せつけてしまったマイロが目に留まるのも当然でしょう。

しかもマイロは次男で婿入り可能な立場、そしてわたくしの家より爵位の高い侯爵家。

もしかしたら婚約者がいても靡くかもと思われたのでしょうか?

けれど、マイロがきっぱり断ったのはかっこよかったと第二王子殿下から伺いました。


「私はね、君とマイロの仲睦まじさをこれでもかというほど見せつけられているからマイロが靡くとはこれっぽっちも思ってなかったけど、案の定侯爵家の人間相手に気持ちのいいほどスッパリきっぱり断っていて流石だなと思ったよ。

むしろあれがマイロの良さだよね。あんなに見習うべきいい人が傍にいたのに兄上は何をしてたんだろうね」

と苦笑まじりにおっしゃっておりました。


わたくしのマイロは優秀ですから!

と嫌な気持ちになるよりむしろ誇らしい気持ちになりますわね。

それはマイロが昔からずっとわたくしに気持ちを伝え続けてくれたからだと思います。



そして、何とかマイロの説得でスティフ公爵令息様と、ティミ伯爵令息様は思い直してご婚約者に謝られたのだとか。

裏切った過去は消えませんし、失った信用も返ってきませんけれど許してくださったご婚約者のお2人にはには一生足を向けては寝られないと思います。


その後、ノーブル嬢とグレイス嬢はそれぞれ元婚約者の方々に一泡食わせてやりたいとそれは上手にお2人を手のひら上で転がし自分たちの婚約者はやっぱり素晴らしい!と思わせることに成功したのだそうです。



正直に申しまして、あの女性とは比べ物にならないと思いますの。

何一つとして勝っておりませんのに、本当に高位貴族のご令息と婚約や婚姻ができるとお思いだったのでしょうか?

令息自体は手玉に取れても絶対に家が許しませんのに。

とても賢いご令嬢であればどこかへ養子に入ってから嫁ぐことはままある話ではありますが、高位貴族のご令息を何人も手玉に取って篩いにかけているような令嬢が求められるはずがありませんのに。

正気に戻った皆様からは、もう相手にされなくなった男爵令嬢はもちろん令嬢としての人生は終わります。

貴族社会において醜聞は命取り。そしてそんな醜聞をばら撒いてしまった令嬢に未来などあるはずもなく、男爵家を没落の道へと誘ってしまいました。


けれど、逞しい令嬢は学園を辞めうまく商人を捕まえたそうですの。ただでは起きないあたりが王族を誑かすのもそうですけれど肝が据わっていると言うか、彼女の自信の表れというか。

平民としては上手くやっていけるのではないでしょうか。商人ですから商魂たくましく生きていけそうですものね。


明日で完結です!

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