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旧)黒きエルク  作者: ヘアズイヤー
黒き光

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104/104

高地5

 


 気持ちのいい風に目を開けると、明るい光の中で革のソファに座っていた。


「あ、ここ……やあ、ルキフェ」

「エルク、時間がない。時の流れがこことは違う。いいか、準備はいいか」

「準備?」

「私もすぐあとから行く。いくぞ!」

「え?」




 魔王軍と討伐軍が対峙する戦場に、エルクが、復活した。


『復活された! エルク様が復活された!』

 ガランの念話に、未だ空中にいる魔王軍の竜たちが澄んだ高らかな声を、空いっぱいに上げた。


 エルクはアイテムパックから服を取り出して着ると、討伐軍の天幕に向かって飛んだ。


 通り過ぎる魔王軍と討伐軍から声が上がった。

「エルク様?」

「あの子、さっき消えていった……魔王?」

「「「エルク様!」」」


 天幕から人が走り出てきた。

 先頭は白い皮鎧姿のレーデル。

 エルクは天幕の前で地上に降りた。

 レーデルが両腕を大きく広げて、エルクに飛びついてきた。

「ただいま、レーデル」

「……おかえりなさい、エルク」



 レーデルに右腕をきつく抱かれたまま、みんなに事情説明をしていると、エルクは魔力を感じて振り向いた。


「ルキフェ」

 人の姿になったガランの顔の横を、ルキフェが歩いて来た。

「……宙を歩いてる……宙を歩く……白い猫?」

 レーデルがつぶやいた。

「ふふふ。みなさんご紹介いたします。魔王国国王、魔王ルキフェ陛下です」


 顔をツンと上げ、尻尾をピンと立てて優雅な足取りで宙を歩いてくる白い猫。尻尾の先端が小さく震えている。

「初めまして、皆さん。私は魔王ルキフェです」


 驚く人たちにルキフェを紹介し、みんなと天幕に向かった。




『エルク』

 

 誰かに呼ばれた気がして、エルクは立ち止まり、振り向いた。

「エルク、どうしたの?」

「今、子供の声が……」

「え?」

「……いや、いいんだ。いこう」

 レーデルに腕をつかまれたままエルクは歩き出した。

 歩きながら振り返って、空を見上げ、にっこりと笑った。


本話にて「黒きエルク 継承する者」は完結となります。

お読みいただき、ありがとうございました。

次作「赤いムース」を開始しました。

よろしくお願いいたします。

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