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乙女転生―悪役令嬢REPLAY―  作者: せおはやみ
REPLAY―乙女恋愛遊戯編―
75/75

幸せですわ

 とりあえず……

 元皇太子を国に送り返し、両国の問題は発生しませんでした。

 こちらの対応については相手国より感謝を伝えられ個人的にも感謝と謝罪のお手紙を頂いたほどで御座います。

 そうですわ、全ての問題は無くなりましてよ!


 私自身の事を除きまして!

 あ、あの後……

 フフ、フフフ、ええ大変で御座いました。





 連行された元皇太子がその場から居なくなった後、魔法文化祭の最中だといいますのに……


「ヒルデ……」

「……」

「ヒルデ?」

「……」


 どうお答えすれば宜しいのでしょうか、こんな事考えておりませんでしたわ。

 だってアルフレッドは別の方と……


「ヒルデ、泣いているのですか?」

「い、いえ」

「私は幼い時よりずっと貴女に恋をしていました」


 ……ぇ


「そう、私の傲慢な行為を窘めてくれた貴女に恋焦がれ、いつの日かその横に立てるようにと、其れだけを考えて己を磨いたのです」


 そんな、私に対抗するために立派になられた筈ですわ。


「それからも色々ありました、再会を果たした時に、少しは興味を持ってもらえるかと思っていた私はもう一度貴女を見て己を恥じ、そしてより深い恋に落ちたのです」


 でも、私は……


「改めて私は己の不甲斐無さを痛感しました、魔法小物の件、生徒会長の時にも、そしてスカーレット領での幸せな日々……思い返せば全て私の為だと。貴女が厳しく咎めるとき、最初は優しく間違いに気が付くのを待っていてくれましたよね」


 違いますわ、立派になられれば……

 そうは思いましたが。


「まだまだ私は次の王になるには色々と足りない、ですが貴女が私の傍に居てくれればと……甘えでしょうね、生徒会長を引き受けるときに横に居て欲しいと強く思いました、そして貴女が傍にいてくれるだけで、私は更に貴女の横に立つべきと努力できたのです。決して貴女に足るような男では無いかも知れない、ですが貴女を思う気持ちならこの世界のだれよりも真っ直ぐに、そして誰よりも強く思っております。ヒルデ、私は貴女を愛しています、どうか私の妃になってくれると頷いて貰えませんでしょうか」



 私、失いませんでしたの?

 いいのですか、このような令嬢で。

 私色々とやってますのよ?

 皆様を叩き伏せたり。

 趣味作り、生徒会長……

 色々ありすぎですのよ。

 そんな……


「ヒルデ?」

「私などを愛されてしまっては……」

「違いますよヒルデ、貴女だからこそ私は愛しているのです、涙も貴女には似合いますけど、私は貴女の笑顔をみたいのです。どうか」

「私で良ければ」


「「「「「おめでとう、ヒルデ(お姉さま)!」」」」」


 ハッ!

 み、皆さんが居られましたのに!?

 ア、アルフレッド、こんなに大勢のというか友人の前で愛、愛の告白を……


「や」

「え?」

「やってしまいましたわ……恥ずかしいですの!」


 もう!

 これはアルフレッドのせいですわ。


「フフフ、ほら「あっ」こうしましょう」


 その時、アルフレッドが抱きしめてくれましたの……

 どうしましょうか、こんなに幸せで宜しいのでしょうか。


 ああ、お、お兄様が見てますのよ!

 あの、私の旦那様は時分に勝たないとと言っていたお兄様、ハッ!

 お父様も……そしてお爺様も!?


「アルフレッド」

「フフフ、そうですね、出来ればもっと親しみをこめて私を今度からアルと呼んでくれませんか」

「そ、それどころでは……あ、兄が見てますわ」

「ハハハ、ハッ!」


 え、笑顔ですわ、お兄様、でも何故でしょうか零度のような……

 仕方がないからという雰囲気が!

 わ、私が相手になるしか……


「そうだね、あまり人前というのは良くない、この後、直ぐにでも公爵家へご挨拶から始めさせて頂こう」


 ………………

 …………

 ……





 氷の笑顔を貼り付かせたスカーレット家の男性一同に対して必ず私を幸せにして見せますのでと仰って下さったアル……

 ま、まだ少々恥ずかしいのですけど、悪くありませんわね、フフフ。

 そして、笑顔で喜んで下さったお母様とクラウディア。私の幸せを望むならば認める事ですと父達を説得してくださいました。

 其れからは、国王陛下というよりは殆ど王妃様の権限であれよあれよと言う間に婚約の儀を向かえ、王宮でのご挨拶やなんだと事態は急に速度を増しました。

 国王陛下もお止めにならず……

 あれは寧ろ後ろから押しておられましたわ、義理の父も一筋縄ではいかないお方のようですわ。

 そして王妃様の強権といいますか、何と言いますか力技で……




「ヒルデお義姉さま美しいですわ」

「ああ、ヒルデよく似合っているな」

「一番最初にヒルデ様が晴れ姿になりましたねっ!」

「お姉さま、お似合いです」

「流石ですね、まさに妖精ですよ!」


 レイチェル様、ジャンヌ、エーリカ、シャロン、テッサロッサと同年代の友人達が控え室に来ました。


「ではヒルデ様、お時間で御座います」

「有難う御座います、案内宜しくお願いいたします」




「私、アルフレッド・ジュエル・エルドガルド・ローゼンはヒルデガルドを王太子妃に迎え一生をかけて彼女ただ一人を愛し続ける事を誓います」

「私、ヒルデガルド・ルビー・スカーレットは今日この日からアルフレッド皇太子殿下の妻となりその身を助け、支え、彼のみを一生涯愛し続ける事を誓います」

「愛してますわ、アル」

「私もだ、ヒルデ」


 数多くの方々から、そう、私の知る人だけでも数え切れない程の人々が祝福してくれていますわ。

 割れんばかりの喝采がアルと私を包み込みます。

 なんて幸せなのでしょうか……


 一度は失ったと思いました、ですがこうして今は口付け交わしましたもの、二度と失いませんわ。

 アルフレッド、私の愛する人、一生一緒に過ごして幸せになりますの。

 私はヒルデガルドですもの、後悔なんてしませんわ!

最後までお付き合い頂きまして有難う御座いました。

読了されて如何でしたでしょうか。


現在、全然違う話を書いております。

そのうちまた恋愛ジャンルを投稿する際は応援下さいませ。


とにかく応援頂いた事、完結してからも多くの方に読んで貰えた感謝を。

※追記、5/4小話を投稿しました、よければ其方もどうぞ。

                        せおはやみ


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