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 師匠の家に戻って来たロージーは、晩ご飯のしたくにかかります。


 今日は師匠が買い出しをしてくれたので、お鍋にすることにしました。


「白菜、長ネギ、糸こんにゃく。シイタケにお肉にっと」


 ざっと材料に火を通したら、完成です。


 匂いにつられたのか、師匠が仕事部屋から戻ってきました。


「お鍋か。いい匂いだね」


 師匠にほめられると、いつもくすぐったい気持ちになります。


「わりしたも完ぺきに作りました」

「ありがとう。いただきます」

「いただきます」


 二人で手を合わせて箸を持ちます。ロージーは大好きな白菜から手に取りました。


「あふいけどおいひい」

「本当だね。ねぇ、今日はアランとどこまで行ってきたんだい? いつもより帰りが遅かったみたいだけど」

「ちょっと街まで行ってきました。喫茶店でチーズケーキを食べたんですよ。師匠にも食べさせてあげたいです」

 

 がんばれば、ロージーでもケーキを作れそうな気がしましたが、それは言いませんでした。


「へぇ? いつか作ってよ、ロージー」

「いいんですか? 失敗するかもしれませんよ?」

「それでも、食べ物にはちがいないだろう?」


 アランとのことは、師匠には話さないでおきました。はずかしいからです。その代わりに。


「アラン、一ヶ月後に引っ越すのですって」

「ああ、聞いたよ。急だったんだね。ロージーはさみしくなるなか?」

「そんなことありませんよ。わたしには師匠がいますもん」


 そうしてロージーは、やっぱり手紙のことは師匠には話さないでおきました。


 まだまだヒミツがたくさんあると思っているロージーでしたが、師匠には全部お見通しだということは、それから五年後くらいにならないとわからないこととなりました。


 つまり、ロージーは本当はヒミツなんてなかったのです。


     おしまい

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