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「きゅぃ?」


目を開くと、膝の上にいるラピスと目があった。


「宿に行こうか」


「きゅっ」


宿に向かいながらステータスを見てみたが、やはりまだ魔法は増えていなかった。


「やっぱ明日か。明日…明日は何しようか?」


「きゅい! きゅいきゅ」


「サメ狩り? また何日も泳ぐんだぞ?」


「きゅい!」


泳ぐの好き! って…まあ膝の上でじっとしてるより泳いだ方がいいに決まってるか。


その日は宿に着き、そうそうに寝た。

というかラピスがすぐに寝息を立て始め、その寝息を横になって聞いていたら俺もいつの間にか眠っていた。


翌朝。


————————————————————

 ⚫︎名 前【神通川 大海】

 ⚫︎種 族【海人族】

 ⚫︎性 別【男】

 ⚫︎年 齢【30歳(0歳)】

 ⚫︎犯罪歴【なし】

 ⚫︎位 階

 【中位第5位】

 ⚫︎能力値

 【魔力:S】【体力:B】【筋力:B】

 【耐久力:C】【免疫力:C】【敏捷力:B】

 ⚫︎能 力

 【水中呼吸】【遊泳】【寒冷無効】【不老長寿】

 【水圧無効】【全言語理解】【暗視】

 ⚫︎魔 法

 【水魔法】【風魔法】【土魔法】【火魔法】

 【木魔法】【氷魔法】【雷魔法】【光魔法】

 【海魔法】【音魔法】【熱魔法】【空間魔法】

 【生魔法】【契約魔法】【強化魔法】

 【召喚魔法】【結界魔法】【洗浄魔法】

 【浮遊魔法】【変身魔法】【解体魔法】

 【探知魔法】【鑑定魔法】

————————————————————


お。増えてる増えてる。


「神様ありがとう。漫画読み終わったんだな」


なんだかんだで感謝はしている。信仰はしてないけど。


とりあえず洗浄魔法を使い俺とラピスの体を綺麗にする。一瞬で海水やら汗でベタついていたのがなくなり、ラピスの毛もサラサラになった。


探知魔法はイマイチ使い方がわからなかった。発動してるのさえわからない。


解体魔法は解体するものがないから後回し。


鑑定魔法は…なんとも言えない。机を鑑定すれば【机】と表情がされ、窓から歩いている人を見れば名前が出る。それだけだ。使い続けていけばより詳細を見れるようになるのか…このままなのか。

このままなら微妙だな。


そして変身魔法。これは明確にイメージが出来れば後は使用魔力で変身できるようだ。一部だけだが。

ラピスの尻尾を見ながら、変身すると、下半身がラピスと同じ白い尾に変わった。

サメの尾をイメージしても、記憶が曖昧だからか変身できなかった。


これは全身は不可能。顔も無理だ。手や下半身を変身させることはできた。これも俺が成長するか使い続けていけば全身、顔まで他の物に変身できることに期待だな。


そして浮遊魔法。難しいと思っていたが案外簡単に出来た。垂直に浮くことができ、小尾と地面の隙間は五センチくらいしかなかったが、浮いていることには違いない。背がとても高くなった気がする。


ちなみに浮遊するだけで移動はできないかと思っていたが、行きたい方向を念じるだけで移動できた。

ただし、徒歩するのと同じくらいの速度だが。


いつの間にか起きて、じーっと俺を見ていたラピスにも魔法をかけてやると、これまた胴体が地面から五センチほど浮いた。

ラピスはそのままお腹で滑るように、すーっと移動し、俺の周りを楽しそうに回っていた。


「楽しいか?」


「きゅっきゅっきゅっ!」


「ならよかった。これで魔導椅子要らないな。ギルドに行ってからハゼさんに返しにいこう」


「きゅい!」


魔法の袋…もとい拡張鞄…なんで鞄なんだ? 袋だろうこれ。リアスに聞いてみるか。魔法鞄って言ったのはあいつだし。


とりあえず拡張袋の口を広げ魔導椅子を突っ込み外に行く。


「え!?」


外に出ようとしたら宿の受付の人が俺を見て目を見開いていた。

浮遊魔法珍しいのか?


特に呼び止められることもなく外に出た…のだが、めちゃくちゃ注目されている。

何故だ…浮遊魔法ってそんなレア魔法だったのか!?


…それならもっと感謝しないとな。創造神の教会にお布施でもしようかな。


注目を集めながら俺とラピスはスーッと移動し、ギルドに入る。

やはりここでもめちゃくちゃ注目され、驚かれた。それはいいが、リアスが目を見開いて、口をぽかんと開けているのが面白かった。


「リアス。そんな間抜けな顔してどうした?」


ニヤッと笑いながら言ってやると、仏頂面に戻り咳払いをした。


「それで本日はどうしますか? そんな注目を集めて、パフォーマンスかなにかですか? 投げ銭でも致しましょうか?」


「いや、移動するのにこっちの方がいいからやってるだけで、注目を集めるつもりもお前を驚かすつもりもなかったんだが」


「……それで、依頼ですか?」


ぶすーっとした顔でそう聞いてくるリアス。


「ああ。えーっと、北の海の方でなにか依頼はないか? これからハゼさんのとこに行って狩りでもしようと思っているんだが」


「北の海ですか。近場には大した獲物はいませんよ?」


「遠くても構わないんだが」


「…グラースルカンの群れを倒してしまうのですから、大丈夫ですね。そうしますと……こちら、本来ランクⅥ推奨の依頼です」


「そんな上のランクの依頼受けて平気なのか?」


「グラースルカンの群れを倒せて、ハゼさんの推薦もありますからね。普通はランクより二つ上の物しか受注ができないことは以前説明しましたが、ギルド職員の許可があればもっと上のランクでも受けられます。ランクと戦闘能力、採取能力や必要となる知識や礼儀などは必ずしも比例するものではありませんから。ランクは目安です。なので職員からの許可などがあれば問題ありません」


「そういうもんか」


意外と緩いんだなーなんて思いつつ依頼書に目を向ける。

知識羊羹…神様から知識を貰ったおかげで文字が読めるし、今なら書くこともできると思う。


依頼の内容は——。


「ああ。文字が読めないのでしたね。三十にもなって読めないとは、今までどんな生活してきたのかお聞きしたいですね」


むっ! 読めるぞ! って言いたいところだが、流石に昨日の今日で読めるようになったなんて変だし、説明出来ないから黙って嫌味を聞いておく。


「こちらの依頼は北の海にいるコールドシザーを納品する依頼です。一匹から納品可能で、何匹でも受け付けているそうです。コールドシザーは気温の低い場所にしかいない魔物で、身が引き締まっていて甘みがある高級食材です」


高級食材! そしてカニ! 美味そうだな!


「ここから何日か…いえ、人魚である貴方なら一日もかからないでしょうか。主に北の海の流氷地帯付近の深い場所にいます。北の海はヌシのことは流石にご存知ですよね?」


「ヌシ? 知らんが」


「…はぁ」


やれやれ、と首を振りながらため息をつくリアス。

こいつ…小突いてやろうか。


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