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あけましておめでとうございます!
お待たせしてしまい申し訳ない(ToT)
本年もどうぞよろしくお願いします!
「北のヌシ…というのはですね。ちゃんと聞いてます?」
「聞いてるよ」
ちょっとイラッとしてるけど。
「この街から見て、北側。流氷地帯に二体います。一体はグランドホエールといって体長五十メートルほどの魔物です」
大きなクジラ、ね。
「こちらは積極的に襲って来ることは、滅多にありませんが、食事中に居合わせたら吸い込まれます」
「滅多に?」
「ええ。理由は分かりませんが、稀に食事としてでは無く襲って来る場合があるそうです。まあ最近は流氷地帯へ出向く者が減りましたし、そういった事象は確認されていませんが。一応そういう事があったと記録が残っています」
「ほうほう。じゃ見つけたら近づかずに逃げればいいだけか」
「ええ。それで大抵は大丈夫かと。それでもう一匹はクルーエルクラーケンです」
タコ? それともイカだろうか?
「そっちは危ないのか?」
「ええ。グランドホエールほど大きくはありませんが、…いえ、足の端まで入れたら同じか、それ以上かもしれませんね」
…五十メートル以上かよ。
「クルーエルクラーケンは人は確実に襲います。好物はコールドシザーやシルバーシュリンプ、ゴールドシュリンプなどですね。だから尚更コールドシザーの依頼の難易度が高いのです」
ただでさえ美味しいカニが、ヌシがいる場所にいる上、そのヌシの好物だから難易度がめっちゃ高い、と。
「シルバーシュリンプとゴールドシュリンプは?」
「そちらも高級食材ですね。美味しいらしいですよ? ちなみにその二種類の味に違いは無いのですが、シルバーシュリンプは食べると魔力を一気に回復でき、ゴールドシュリンプは魔力量の最大量を増やせます」
「ならカニ…コールドシザーより、そっちの方が難易度高そうだな」
「文字が読めないのにそれなりに考えられるのですね。ええ、実際コールドシザーよりも希少で高価です」
こいつしつこい…。文字読めなくたっていいだろう! 読めるけど! 次来た時には完全に覚えたって言って驚かせてやる…。
「…それで? そっちの依頼はないのか?」
「ええ。発見報告が少ない上にこちらはグランドホエールの好物でもありますので、かなり数が少ないです。依頼を出したところで見つかるかどうかわからない依頼を受ける者がほとんどいませんし、受けても達成できる者が少ないので。年に一度あるかどうかですが、数匹ほど運良く街の方に流れてきたりして手に入りますが、ほぼ確実に陛下への献上品になるので…」
「依頼しても意味がない…か」
ならそれも見つけたいな。お金が稼げそうだ。水槽とかで飼えば増やせないか?」
「さて、依頼の話に戻ります。無知な方がいるとつい話が脱線してしまいますね」
嫌味言わずに説明できないのか!?
「コールドシザーですが、戦闘力はあまりありません。攻撃手段は水魔法とハサミによる攻撃ですね。魔法は大したことありませんし、動きもそんな速くはないです」
「なら警戒するのはヌシだけだな」
「そうですね…。それなりに魔物はいますが、グラースルカンより強い魔物はそこまで多く無いのでヌシにさえ気をつければ…ただし…」
サメはお金になるからまた会いたいな。
「ただし?」
「コールドシザーは単体だとそんな強くありませんが、群れでいることが多いです。大抵の発見例は単体ですが、数を数えられないほど辺り一面コールドシザーが居た。という発見例もあります。その場合逃げることをお勧めいたします」
「うん? なんで?」
「数百のコールドシザーが水魔法を使った場合、辺り一帯が魔法の影響を受け渦潮が起きた。という報告がありますので。それとこちらは確定情報では無いのですがコールドシザーの上位種がいたようです。確認の為調査隊を派遣した時には一匹たりともコールドシザーは見つかりませんでしたので不確定な情報ですが」
「上位種…普通のよりもっと美味いのだろうか…」
「きゅっ!? きゅい!」
さっきまで静かにしていたラピスが声を上げる。
「お前も美味いカニ食べたいか?」
「きゅいっ!」
「…私は忠告しましたからね?」
「ああ。無理はしないさ。それでコールドシザーの特徴を教えてくれ。あとゴールドシュリンプとシルバーシュリンプのも」
「はい。コールドシザー、ゴールドシュリンプ、シルバーシュリンプ全てラピスさんと同じくらいの大きさです」
…デカいな?
「ハサミを広げたら倍近くになるでしょうが。それで色は青白いです。上位種はこのギルドの建物くらいだったと報告があります。ゴールドシュリンプ、シルバーシュリンプはその名のとおり金色と銀色ですね」
「わかった。じゃあその依頼を受ける。期日はないよな?」
「ええ、依頼としての期日はありませんが、一年間音沙汰が無ければ死亡したとして依頼失敗となります」
「了解した」
「ではこちら、依頼受注カードをお持ちください。こちら無くされたら再発行にお金がかかります。それと依頼によってはカードをなくされたら達成しても失敗扱いになる場合があるので気をつけてください。今回は大丈夫ですが。それとギルドでの評価も下がります」
そう言って一枚の銀色のカードを渡された。
「それと拡張鞄に入れないようお願いします。壊れる可能性があるので」
「えっ…。どうするかな…」
何処にしまおうか。ポケットに入れるだけだと壊れたり落としたりしそうだし…普通の鞄買うか…?
「ちなみに紛失防止の為の紐は買いますか?」
…確かにカードには紐を通せる穴がある。だが普通そういうのはセットで貸し出さないか!?
ギルドって仕事斡旋所って認識だったが、しっかりと商売してんな!?
「…魔物の素材で出来た紐を買う」
「毎度ありがとうございます」
リアスが、ふっと笑う。
…うまいこと買わされた。というか拡張鞄に入れられないなら買うしか無いだろうに。
リアスを睨み付けるがそんなものどこ吹く風。涼しげな顔で無視されたので、金を払い、引ったくるように紐を受け取り、ギルドを出た。




