第5話
鬼達を倒した一行は、村中の女を集めて酒宴を開いていました。
「おらー!もっと酒持って来んかーい!」
「おいおいリンゴ太郎よ、飲みすぎだって・・・」
「おらー!馬刺しはまだか馬刺しはー!」
「(それはオイラに対するイヤミなのか・・・?)」
ランディとガンツは、眠ったリンゴ太郎を引き連れて村を出ます。
「皆さん迷惑をかけました!リンゴ太郎さんもきっととても感謝してます」
「酒はまだかー・・・ぐがー・・・」
「じゃあオイラ達はそろそろ行くよ。リンゴ太郎もきっと別れを惜しんでるよ」
「馬刺しー・・・ぐおー・・・」
「(こいつッ)」
こうしておばあさんはおじいさんの下へと帰り、村の男達は村に戻って来ました。
村の女達は、去って行った三人の話で盛り上がります。
「やれやれやっと行ってくれたわねアイツら」
「あの鬼ブッサイクだったわねえ!」
「あの馬なんかオナラ臭かったわよ」
「あの男の人なんか、すごい舌技もってるのよ!」
「あんた、あいつと何したのよ・・・」
男三人、むさ苦しい旅の再開です。
「さて、どこに行くんだリンゴ太郎?」
「俺は馬刺しが食いたい」
しつこさMAXでした。
数日後・・・
彼らはあれから、いくつもの村を回り、鬼達を倒していました。
そして皆、確実にスキルアップしていくのでした。
「俺の新技を見せてやる!これが手の甲を向けて乳を揉める、『逆手揉み』だッ」
「あああっこのじれったさが・・・きっ気持ち良い・・・!ぐふっ」
もはや変態でした。
「オイラの腕時計には仕掛けがあるのさ!ここをカチカチと4回引くとな・・・」
「何だ?・・・うっ!」
餅が出てきて、相手のノドにつまらせるのでした。
「オラも必殺技を使うぞ!『メテオプラズマ』!」
「ぐあああーっ!」
ランディは思いました。
「(アイツだけマトモな技じゃないか・・・)」
「中々やるなぁアイツ、さすが俺の弟子だ。しかし俺のよーに実戦向きの技じゃないとな」
リンゴ太郎は己の技術の方がよほど自信があるようでした。
「(何の実戦に使う技なんだ・・・)」
「強くなったな、デンデ」
「(誰だよ)いつかリンゴ太郎さんより、強くなってみせます!」
そう言うガンツが既に自分より強いとわかるリンゴ太郎は、息子に腕相撲で負けた時に「俺が本気を出したら、お前の腕が折れるからな!」と強がる父親のような気持ちでした。
名前を呼ばれなかったランディは、「ボケ役ばかり目立ちやがって!ネタを考えてるのは俺なのに」と嘆く芸人のツッコミ役のような気持ちでした。
調子に乗った彼らは、遂に桃太郎の直属の配下達に戦いを挑む事を決意するのでした。
「俺はまたキジ肉を食いたい!空軍をブッ潰しに行くぞ!」
どうやらランディは馬刺しにされずに済んだようです。
一行はキジのフィレバルド率いる空軍へと突入していきました。
「行くぜお前ら!ぶおんぶおーん!」
「(これ何の掛け声なんだろう?)ぶおんぶおーん!」
「で、空軍基地はドコにあるんだ?」
「わからん!」
やはりカスばかりでした。