12章 新たな最後
「では、作戦を実行します。」
いよいよ始まる。
12章 新たな最後
「では、最終確認です。まずAチーム以外のチームで、敵の本拠地を攻めます。Aチームは状況に応じた戦闘を展開します。向こうに行くまでの陣形ですが、4チームで4方面から攻めます。Bチームは北。Cチームは南。Dチームは西。Eチームは東から囲むように攻めます。質問はありますか?」
「敵と接触した場合は?」
「敵と接触した場合は、敵と応戦してください。そして、落ち着いて戦況、敵の人数などをを私、五項ミズキに連絡してください。」
「通れない道があるなどしたときの場合は?連絡ですか?」
「どうしても通れない場合は連絡してください。しかし、線路変換は全体の方向転換になりかねないので、魔法を使って通れる場合は魔法を使ってもいいこととします。」
いよいよ勝負の日だ。今日でいい結果になろうとも、悪い結果になろうとも本当に今日で終わり。やるしかない。
「では、リーダー。お願いします。」
「みんな。今日は俺たちの我が儘に付き合ってくれてありがとう。こんなこと言えるのもみんながこんな俺についてきてくれるからだ。本当に今までありがとう。今日の戦いですべてが決まる。」
「やるぞ!!今日勝って、平和を取り戻すぞ!!」
「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
(この団体って一応秘密組織だよな。こんな大声出してていいのかよ。)
「では、作戦を実行します。作戦開始!!!」
いま、始まった。
俺たちは目標のオトリアジトを目指している。Aチームは違うけど。オトリアジトは一見工場にしか見えない建物らしい。周りには障害物もなく、とても見晴らしのいいところにある。らしい。いかにも怪しい。オトリアジトから学園は結構距離があり移動だけでもかなり体力を使う。が今回は魔法を使って移動するらしいので正直2分もかからない。普通ならこういう隠密作戦のときに魔法を使うと敵に察知されるのだが、こっち側には内通者がいるということを知っているので、もういいだろ、って感じだ。
「もうすぐ、目的地につきます。Aチーム以外の4チームは配置についてください。」
「ヒロト。俺たちはこっちだ。」
「おう。いま合流する。」
俺はAチームに合流し、レンの合図と共に西へ旋回した。
「ベルター。そんなに気を逆立てなくていいでしゅ。」
「うるせぇー。俺はとにかく暴れたいんだよ。Aチームの連中がなに考えようと、どうでもいいし、レンに任せときゃ大丈夫だよ。」
「そうでしゅか。まぁ私たちに迷惑はかけないでくだしゃいよ。」
「あぁ、問題ねーよ。」
「そろそろつきます。戦闘準備!!」
「いいか、俺たちがみんなの命を背負っているんだ。失敗はできない。」
(そーだな。俺も、もう我が儘言ってらんねー。修行だってしたんだ。やれる。)
「ヒロト、大丈夫か?」
「レイジ。うん、正直わかんねーんだよ。あんだけ修行したのに、成果というのは出せていない。それに、また大事なところで体が動かなくなるんじゃないかなーって思ってしまう。」
俺は精一杯やったとおもっていた。だけどいつまでたってもなにも変わらない。
「それに、怖いんだよ。すごく怖い。」
「うーん。そーだな。いいか、よく聞け。お前はやるだけやった。あとはお前とお前の魔法を信じろ。それと、誰だって怖いもんさ。お前だって、ここにいる仲間だって、勝負好きのベルタだって。怖くない戦いなんてないんだよ。だから、俺たちを、仲間を信じろ。」
「........わかった。ありがとう。」
「つきました!!戦闘開始!!」
エイラザーノ詠団のメンバーたちは次々とオトリアジトにはいっていく、が、
「おいおい、誰もいねぇーじゃないか。どうなってんだよ。」
「恐らく、、、」
「おい!!外を見ろ!!」
外には大量のテロリスト軍団がいた。要するに囲まれていた。
「無様な奴らめ、わざわざオトリのアジトに来てくれるなんてホント、バカだな!?」
敵の兵力こちらの4倍ぐらいある。普通ならすこしは怯えたりするが、
「いいね。」「いいじゃねーか!!」
「やってやるよ。」「やってやるぜ!!」
沖とベルタは臆することなく敵の群れに突っ込んでいった。
「やはり、あそこはオトリだったようだ。いま、敵に囲まれているらしい。」
「えぇ!?大丈夫なんですか!?」
「向こうには沖がいるんだ。なんとかなる。」
沖 ソウジ エイラザーノ詠団最強と聞くがそんな状況を打破できるんだろか。
「そろそろつきます。戦闘準備を。」
このチームは最強チームだ。絶対負けない。大丈夫だ。俺、レン、ミキ、レイジ、アカネにOBのタクマ、クランどちらもめちゃめちゃ強い。俺なんか比べもんにならないんだろうな。強い仲間もいる。きっと大丈夫だ。
「見えてきたぞ!!準備しろ!!」
敵の本当のアジトはアジトっぽくて城のような作りになっている。
「門のまわりに何十人かいるな。タクマ、クラン頼んだぜ。」
「「了解です。レイジさん。」」
タクマとクランが道を開け、俺たちはさらに奥へと向かった。
アジト内にはテロリスト達が沢山いた。
「一気に突破するぞ!!」
〈散れ·我が魔霊よ·殲滅せよ〉
レイジが放った魔法は前方のテロリスト達を吹き飛ばしたが、難なく起き上がってくる。
「あれ、威力弱くしすぎたかな。」
「レイジさん!!ここは私に任せて!!」
ミキとアカネが魔法を放ち道を開ける。
「もうすぐボスさんの顔が見れるぜ。」
(緊張してきたー。だけど、もうあまり怖くない。)
「多分、あの部屋だ。いくぞ、気合い入れろよ。」
俺たちはボスの部屋と思われる場所にドアを破壊しかねないくらいの勢いで入った。そこには1人の男が立っていた。
「お前がボスか。」
「まぁ、そうだな。私がボスだ。」
その男は慎重が高く声は低い。邪悪な気配を出しており、いかにも危険そうな感じだ。
「やるしかねーな。いくぞ!レン、ヒロト!!」
「「おう!!」」
〈大地の神よ·我は眷属なり·恩のままに壁を作れ〉
〈新緑のもとに·零下を下せ·後光の刃と成り·敵に降り注げ〉
〈星よ·星よ·千となり·爆となれ〉
俺が壁を作り敵の退路をたつ、素早くレンが刃を降らす、最後にレイジが爆裂魔法を打ち込む。普通に当たれば大ダメージだ。だが、
「こんなものか?エリートさんよ。」
「な、なんてことを。」
確かに魔法は当たっていた。しかし、無傷。その訳はボスの男が仲間達を盾にしていたからだ。ボスの盾となった仲間達は気絶し、意識を失っている。のだが、
〈お前ら、やれ。〉
ボスの合図によって再び動き出した。とてもつらそうだ。
「なるほど。リッチか。」
「リッチ?あの男ですか?」
「あぁ、死者をゾンビとして蘇らせ術者の思い通りに操ることができる。しかし、この数の死者を準備できるとは一流のリッチだな。」
「くくく、ゾンビはいいぜ~。なんでも俺の思惑通りに動いてくれる。あー、安心しろ。ちゃんとお前ら全員、俺のゾンビとして働いてもらうからな。」
襲い来るゾンビ達の数はざっと200ぐらいだ。見ている方がすこし気分が悪くなる。
「それにいいことを教えてやるぜ。俺たちテロリストはな、エイラザーノ学園の卒業生が集まってるんじゃ無くてな、俺とお前らが先日倒した奴らを含める何人かで殺して、ゾンビとして使っているだけだ!!」
「なん.....てことを」
《ピリリリリリリリリリリリリ》
通信がはいった。この通信は敵にバレないような作りになっているため、戦場でも十分活用できる。
「沖か、どうした?」
「あなたの言った通りゾンビだったよ。でもそのなかにゾンビじゃないのもすこしいる。それに裏切り者の正体もわかった。いまベルタが戦っている。」
「わかった。沖、大至急こっちに来い。」
「ヒロト、レン。ゾンビ相手に頑張っても意味はない。この勝負の勝利条件は術者、つまり敵のボスの討ち取りだ。最初と大体変わってないだろ?」
「「りょーかい!!」」
「さぁ、始めよう。」
倒しても倒しても、ゾンビの壁は、次々と構成される。俺たちが詠唱をしてゾンビを倒そうとする時間にゾンビを作られ、なかなかボスのもとへとたどり着けないでいた。このままでは俺たちの魔力がなくなる。もしくは仮に突破出来たとしても魔力が足りずに
「レイジさん、このままでは、」
「あぁ、わかってる。俺たちの魔力がなくなって終わりだな。」
「どうすれば..........」
「焦るなお前ら。いまからはお前達の出番だ。」
「俺たちの...出番?」
「あぁ、ヒロトは魔法改変が得意だろ。そして、レン。お前は魔力操作が得意だろ。ならやることは決まっている。ヒロトがゾンビの群れが出来るより早い魔法を改変して唱える。そして、レンが俺とレンの全魔力をヒロトに渡す。そしてゾンビの壁から1人分でも隙間が出来てボスに接近出来たとき、俺たちの勝ちだ。できるな?お前ら。」
「俺、でもそんな改変出来るか分かんないですよ。」
「いいか、ヒロト、俺とやった『魔法詠唱の唱え方』をもう一度強く考えるんだ。そしてお前とお前の魔法を強く信じろ。そして、俺たち信じろ。」
出来るか、出来ないないか、なんてもうこの際どうでもいい。そうだ。俺はおれ自身が信じきれていなかったんだ。もう、迷わない。
「任せてください」
(ふぅー、魔法を強く意識しろ。魔法を強く信じろ。俺が魔法でしたいこと。ゾンビを倒して、道を開けて、仲間を助けたい!!)
「2節以内だ。頼むぞ。」
「分かりました。」
〈剣よ.....〉
「よし、レン。魔力を送れ。」
「はい。」
レンから魔力が送られてくる。とても温かく感じる。
〈.....敵を乱せ〉
(頼むぞ、発動してくれ!!)
俺の詠唱は上手くいき、無数の剣がゾンビに向かっていく。そして、切り裂く。
「いいぞ!レン!!ゾンビには光属性が効きやすい。光を強く意識しろ!!」
(光を強く意識。よし!!)
俺が光を意識すると剣は光を纏った。ゾンビを次々に倒していく。
〈剣よ·敵を乱せ〉
〈我が親衛よ·血に応えよ·その身を捧げ〉
敵がゾンビを作るよりも早く俺の魔法で出した剣がゾンビを倒す。
「なんだよ!!その魔法!!そんな詠唱でなんで発動するんだよ!!」
「開け、開け、開け、やれ!!頑張れ、ヒロト!!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ボスまで続く道が一瞬空いた。その隙を逃さず。
「やるね、君」
「沖!!ミスったら許さねーぞ。」
「レイジさん。誰に言ってるのさ。」
沖さんは敵の懐にまっかさまに入っていく。
「ちっ、だが、貴様があいつみたいな短縮詠唱ができない限り間に合わねーぞ。」
ボスはゾンビを作る魔法を唱え始めた。
「レイジさん。沖さんは大丈夫なんでしょうか。」
レンも同じことを思ったらしい。俺と同じことをレイジに質問した。
「大丈夫だ。何故ならあいつは、」
〈レル·ファイア〉
沖さんは魔法を唱えた。唱えたと言っても、魔法陣だ。魔法陣はかなり短い詠唱ができるが、魔法陣の場合、もとから魔力を使うため、疲れやすく、戦闘中には魔法陣は書きにくい。臨機応変の対応が難しくなるため、あまり人気ではないのだが、
「沖は魔力が多いという個性だ。だから、誰よりも魔法陣に適している。」
沖は魔法陣を活躍させ、敵を追い込んでいく。やがて、
「これで、終わりだね。」
〈ラル·ソウル·ナイツ〉
「くっそ、たれが、」
敵のボスを巻き込み、静寂をもたらした。
「こうしてみれば、あっという間だったな。危ない戦いだったな。」
「あぁ、みんなのお陰で勝てた。ありがとな、ヒロト。」
「なんだよ、らしくない。」
俺たちは互いに笑いあった。その時、俺は心から幸せだと感じた。
戦いは終わった。裏切り者はベルタさんによってボコボコにされたらしい。そのあと、テロリスト団幹部たちの処分が決まるなど、そのあとも当分はテロリスト団の後始末などで月日が流れた。そして、
「37歳!!?」
「いやヒロト。お前、マジで気がつかなかったのか!?」
「だって、高校2年生って言ったから。」
「ふははははははっ!!傑作だな。」
「笑うなよ!!」
「まぁ、任務は達成したし、俺はもういくぜ。」
「えっ、もういっちゃうの!?」
「あぁ、用はすんだからな。」
「そ、そうなんだ。」
「ヒロト、お前のあの戦い。師匠として誉めてやるぞ。これからも頑張れよ。」
俺はこの時、素直にこう思った。
「ありがとうございました!!」
月日はたち、あれから10年がたった。ここはエイラザーノ学園。
「おい、聞いたか?今日から新しい特別講師が来るんだってよ。」
「聞いた。聞いた。どんな先生かな?」
キーンコーンカーンコーン
「静粛にー。授業始めるぞ。えー、まずは自己紹介だな。俺の名前は一ノ瀬 ヒロト。よろしくな。」
「今日からお前らに徹底して教えることがある。それは、」
「『魔法詠唱の唱え方』だ。」
魔法詠唱の唱え方を読んでくださった方々へ。
ありがとうございました。なんとか完結することが出来ました。
初めての小説で見苦しい点もあったと思いますがなんとか最後まで続けれてよかったと思っています。
次回はラブコメに挑戦しようと思いますので、見てくださると嬉しいです。
ホントにありがとうございました。




