10章 新たなスタート
「あぁ!!『魔法詠唱の唱え方』のな!」
えっ?
10章 新たなスタート
「魔法詠唱の唱え方?」
「あぁ!!ヒロトの得意なことは魔法を操ることだろ?改変も得意だそうだし、その長所は伸ばさないといけないだろう?」
「そうだけど、唱え方ってどういう意味?」
「魔法の改変が得意なのに、改変が思いつかなかったら意味ないだろ?」
「確かに。」
「なら修行するか!!」
ダンジョン難易度A 最深層にて。
「れ、レイジ。修行にこのダンジョンはきつくないか?」
「ばーか。このダンジョンだからいいんだろう?」
「そーなのか。でも最深層には、ダンジョンボスがいるんじゃ。あっ、もういないのかな?」
「えっ?いるけど?」
「へっ?」
「何か問題でも?」
(待て待て!!難易度Aのボスと戦うのは無理だって!!)
「レイジ!軽いダンジョンだから準備の必要はないっていったじゃないか!?」
「なに言ってんだよ~!難易度Aのボスなんか軽い軽い~。」
「あんた何者だよ!?」
「まぁまぁやってみることが大事だぜ。」
「ちょっとま、、」
《ドゴォォォォォ》
高い爆発音と共にダンジョンボスが現れた。
「じゃあーファイト!!」
「ちょっとレイジ!?」
レイジは透明魔法で姿をくらませた。
「頼む!!待ってくれー!」
「アドバイスは『魔法を強く』だぜ。」
(くっそー無理だ!!アドバイスも意味わからん!!だが、やるしかない!)
〈雷撃の正清よ·雷鳴の錬成もって·なぎ倒せ〉
俺は魔法を放った。だが、その魔法はボスに当たる前に消えた。
「待った。改変なしの魔法を使ってどうするんだよ!?」
「レイジなにしてんだよ!?こんなことして遊んでる、、」
「攻撃くるぞー。」
「わっぷ!!?」
激しい攻撃が飛んでくる。何発も。
(やべーぞ。これは、防げねぇ!!)
ボスの魔法攻撃が直撃する直前。
〈魔法の盾よ·敵の攻撃から·守れ〉
レイジが作った魔法の盾により魔法は止まり
《そして·跳ね返せ》
ボスのもとえ、跳ね返った。j
「一体、い、今のは。」
この盾を作る魔法詠唱は〈魔法の精力よ·我が盾となり·敵の魔法を防げ·舞い降りろ〉なのだが、いまのレイジの魔法はそんなものでは無かった。それに、そのあとの跳ね返す魔法は〈我が盾よ·敵の魔力を行使し·精力のもとに·跳ね返せ〉なのだが、おかしいだろ!!
「いいか、ヒロト。魔法の改変というのはな、しっかりとしたルールがあるんだよ。まず強く魔法を意識すること。自分の作りたい魔法を強くイメージすること。そしてなにより大事なのは、魔法を強く受け入れること。」
「受け入れる?」
「あぁ、さっきのはいくらなんでも適当すぎたから一回だけでボロボロに崩れ落ちたが、強く真面目に意識するともっと強力な盾を作ることができる。攻撃魔法だと、そーだな。」
〈水の精霊よ·その力で·敵を斬れ〉
レイジは水の刃を放った。その刃は水の魔力を含んでいる。
〈雷鳴よ·槍となり·敵を貫け〉
次に雷の槍を放った。どれもこれも通常の詠唱をしたときの威力と変わらない。
レイジが放った魔法はどんどんボスを追い詰めていき、
「最後は、強力魔法の改変だ。普通の詠唱はこうだ。」
〈神力の精霊よ·我が魔霊に応えよ·光明の無限斬を奏し·敵を乱せよ〉
レイジが放った魔法は普通通りの威力を発揮した。
「次はこの詠唱を省略しつつ普通通りの威力をだす改変だ。」
〈神よ·魔力に応え·無数の光斬もって·無双せよ〉
次に放った魔法も先ほどと同じ威力を持っていた。
「うっし。こんな感じか。じゃあ最後は、省略しつつ威力をあげる」
(省略しつつ威力をあげる!?そんなことできんのかよ。)
〈我が魔霊もって·神技を唸らせ·無双の光劍で·敵を滅ぼせ〉
レイジが放った魔法は先ほどとは比べ物にならない威力を発揮し、ボスを追い詰めていく。やがてボスの姿は見えなくなり、反応はなくなった。
(すげー。なんだよこれ。こんなのチートだろ。)
「ヒロトにはな、これぐらいできるようになってもらうからな。」
「えっ!?そんなの出来ないですよ!!」
「いや、何がなんでも出来るようになってもらうからな。」
「お前は俺より改変の才能があるんだからな。」
10章を読んでいただきありがとうございました。
あと2章で最終章となります。
最後までお付き合いいただくと幸いです。
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