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おまけ3-3

それからユーリは、ダリウスが住まうこの城に彼らと共に住むようになった。最初は、どんな重労働をさせられるのかとビクビクしていたユーリだったが、ダリウスも、ダリウスの周りにいる者たちも、みな優しく、ユーリを可愛がってくれる者ばかり。


食べるものにも困らず、屋根のある部屋の中で眠れること。

誰かに襲われる危険に怯えることなく、毎日を過ごせること。

優しい人たちに囲まれ、人の温もりを感じられること。


そのどれもが自分にとっては、感謝してもしきれないほどの嬉しいことだったのだが、ユーリは同時に罪悪感も感じていた。自分は彼らにとって、何の役にも立っていない、ただの子どもなのに、と──。


そんなとき、城にやってきたダリウスの妻、リリス。美しく、聡明な彼女は、ただ周りからの優しさを享受するだけのユーリに、役目を与えてくれた。


「リリス様、洗濯物干し終わりました!次は床拭きをしてきますね」


そう言えば「ありがとう、ユーリ」と穏やかな笑顔を向けられ、優しく頭を撫でてくれるリリス。と、そこへ「ユーリは働き者だな」と感心した様子のクロードがやってきた。隣にはダリウスもいる。


「ダリウス様に、クロード様!」


目の色を変えて喜色を浮かべたユーリに、リリスは小さく笑みをこぼした。


「あちこち綺麗になって驚いた。ダリウス様の執務室の扉も、ユーリが磨いてくれたんだろう?」

「は、はい!」

「ありがとうな」


にこにこと微笑みながら、クロードはユーリの頭をポンポンと撫でる。かと思えば、今度はダリウスにもポンと頭を撫でられ、ユーリはそろりと顔を上げた。


「リリスからユーリの働きぶりについて聞いてるぞ」


「いつも助かる」と続いたダリウスからの言葉。普段、あまり話す機会はなくとも、きちんとダリウスは自分のことも気にかけてくれている。ユーリは照れくさそうに笑ったあと、「お役に立てて嬉しいです」と小さく返した。


リリスに褒めてもらえることも嬉しかったが、何よりダリウスに褒められることが、ユーリにとっては嬉しかった。


「でも、ユーリ。あまり無理しすぎるんじゃないぞ。休憩は適度に取ること!」

「育ち盛りだから、食事もしっかり食べろ。あと、睡眠時間もたっぷり取るんだぞ」

「そうよ!食事だけじゃ足りないようなら、お菓子だって用意するから言うのよ」


クロード、ダリウス、リリスはユーリを囲んで、そんな過保護なことを言う。自分のことをあれこれ心配してくれる優しい大人たち。血の繋がりはないけれど、家族のように自分を受け入れてくれる存在がいることに、ユーリは心が温まっていくのを感じた。


あの日、一人きりで膝を抱えて俯いていた自分はもういない。


今はこうして、ささやかな幸せを実感する毎日。その何気ない日常の尊さを噛み締めながら、ユーリは溢れんばかりの笑顔を彼らに向けた。


【完】


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