↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
86/90

おまけ3-1 過保護な大人たち

ユーリがダリウスに拾われたときの話。ユーリに過保護な大人たち。


◇◇◇


「お前、親はいないのか」


貧民街にある暗い路地の一角、ユーリ・エドワーズが膝を抱えてうずくまっていると、声をかけてくる男の声がした。顔をあげると、そこにいたのは黒髪に、切れ長の瞳の男。後ろには、肩までほどの金髪の男も立っていた。


ユーリは「はい」と小さな声でそう返すと、また膝に顔をうずめる。


自分みたいな子どもが道端に一人でいると、声をかけてくる大人はこれまでも大勢いた。パンを分け与えてくれる者、金を置いていく者、暗がりに連れ込もうとする者など、その反応はさまざまだ。危険を感じれば、すぐに逃げるくらいの防衛力は普段から持ち合わせていたが、今日のユーリはそれができないくらい体がひどく疲れていた。


早くどこかへ行ってくれ。


そんな思いで手をぎゅっと握りしめて、時間が過ぎるのをただ待った。だが、目の前の男が「おい」と話を続けるので、ユーリは顔を上げざるをえなかった。従わなければ、ひどい扱いを受けるかもしれない。そんな防衛本能が働いたからだ。


「顔が赤いな……。熱があるのか」


男はそう呟くと、ユーリの額におもむろに手を伸ばしてきた。ひんやりと冷たい手。体のだるさも相まって、ユーリは抵抗することなく、その手の冷たさを受け入れた。


「どうしますか、ダリウス様」


もう一人の男が困ったような声色で、そんなことを話していたが、ユーリの意識は次第に薄れていってしまう。体はもう限界。この後、自分がどうなるのかなどわからなかったが、どうせ身寄りのない自分だ。このままのたれ死んだとしても誰が悲しむわけでもないのだから、もうどうなってもいい。そんな気持ちで、意識をスッと手放した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。