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おまけ2-2

「うわ〜……机の上ぐっちゃぐちゃじゃん」


クロードの執務室へ入るや否や、ノエは目も当てられないほどの惨状に大きなため息をついた。仕事が忙しくなると、それ以外のことが疎かになるタイプなのか、執務室の中はかなり散らかっていた。


執務机の上を覗き込むと、作業ができるスペースだけは綺麗に整えられていたのだが、それ以外の場所にはいろんなものが散乱している。ソファの上には脱いだ服がかけられたままだし、部屋の隅には本棚に入りきらない本が大量に積み重ねられていた。


「何か手伝える仕事を、と思ったけど、これはまず掃除からだな……」


ぽつり呟いたノエは、早速腕まくりをして作業に取り掛かる。せっかくの休みだというのに、なぜこんなことに、という気持ちは拭えないが、疲労困憊の上官を見捨てて一人だけ休日を謳歌するほどの図太さはない。


「今度、おいしいご飯奢ってもらお」


そんなことを考えながらする掃除は、ノエにとっては苦痛なことではなかった。と、そのとき。


「ノエ、何してる」


後ろから声が聞こえてきたかと思って振り返れば、部屋の入り口にダリウスが立っていた。


「ダリウス様……。クロードさん、仕事しすぎて俺の部屋でぶっ倒れたんで寝かせてて。なんか手伝えることないかな、と思ってきてみたんですけど、この通り部屋が散らかってるんで掃除してるところです」


ノエがことの経緯を説明すると、ダリウスは髪をかきあげながら「はぁ」とため息をついた。


「だから、きちんと休めと言ったのに、あいつは……」

「真面目すぎるのも困ったものですよね」

「……別に急いでやるような仕事はないんだがな」


そう呟くダリウスの横顔は、どこか少し寂しそうに見えた。


ノエから見ても、クロードはダリウスに対して何かの負い目があるのか、必要以上に必死になってダリウスに尽くそうとしている節がある。


大魔獣ガルガドスを討伐する最後の戦いのとき、クロードは前戦で負傷を負っていたため最前線でダリウスと一緒に戦えなかったことを、おそらく今でも悔いているのだろう。主人に似て、不器用な上官の一面に、ノエはやっぱり仕方のない人だなと思った。

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