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ブルタージュ国では、結婚式から7日目の朝に花嫁が夫の元へと向かうのが慣わし。王都では沿道に市民も集まり賑やかだったが、それもすっかり途切れ、馬車は緑豊かな街道を進んだ。
「リリス様、到着しました」
長時間馬車に揺られ、ようやくたどり着いた夫のダリウスが住まう城は、王都から随分と離れた国境付近の場所にあった。周りは山々に囲まれており、やや古びた印象を受ける。
「やっと着いたわね」
馬車から降りたリリスは、ルーナと共に目の前にそびえ立つ城をじっと眺めた。
「なんだか、想像していた城とは違って、なんというか……無骨な雰囲気ですね」
「ええ」
贅を尽くした華やかな王城とは違って、こちらは国境付近の防衛もかねて建てられていたものだったようで、どちらかというと要塞に近い城のよう。おそらく使い勝手も考慮して、このような造りになっているのだろう。
「リリス様、お待ちしておりました。中へどうぞ」
城の者が現れ、中へと案内される。黒髪に、芯の強さを感じる目をした男。表情ひとつ変えずに接せられるところを見るに、彼もリリスに対して、あまりいい感情を持っていない者の1人なのだろうか。主に似ている、とリリスは思った。
城の中はやや薄暗く、どこか不気味だ。外観同様、王城とは大きく異なり、リリスは改めて自分の生活がこれからガラリと変わることを実感した。男のあとをしばらくついていくと、ある扉の前で立ち止まる。




