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⑬ 食事制限ステップ3 空腹は健康にとってとても良い事!

質問者:具体的にどのようにして食事制限をしていけばいいのでしょうか? 食卓からおかずが1品消えたりするだけでもかなり苦痛だと思うのですが……。



筆者:食べる量については、個々人で徐々に調整していくことが良いと思います。

基本的に、僕が推奨している食事制限は12時間~16時間の“プチ断食”です。


 このプチ断食を行うことによって、1日2食になります。一度の胃が消化できる量は限られていますので、自然と食べる量が減っていくということになります。


 簡単に言い換えるのであれば、朝若しくは夜の食事を抜いていただいて生活をしていくと言うことです。



質問者:??? そんなに時間を空けて大丈夫なのでしょうか?



筆者:そもそもの話としまして、人間が1日3食を食べるようになったのは江戸時代からなんですね。それも、武家の一部の人だけでした。



質問者:江戸時代から3食食べる必要があるから食べているのでは無いのですか? やっぱりご飯を食べる回数を減らすだなんてちょっと考えられないです……。



筆者:確かに、力仕事を行っている方々に関して無理に食事回数を減らせとは言いません。

 しかし、近代化が進めば進むほどデスクワークなどの方が増えていっていると思うので、あまり動きが無い人間がそんなに頻繁に食事をとる必要があるのかな? と言うのが正直な僕の感想です。



質問者:うーん、確かにそうなのかもしれないのですが、減らすメリットをあまり感じません。



筆者:では、現在の最新の研究にもとづいた食事回数を減らすメリットについて見ていこうと思います。


 ちなみに、健康以外の食事を減らすメリットとしては

・お金が貯まる(間食をしないのがコツ)

・家事の時短が出来る(朝や昼だと20分の短縮が可能)

・育毛効果もある

・空腹=メスの要らない手術である

 なども挙げられます。



質問者:確かに食事回数が減れば家事の時短やお金が貯まるというのはすぐに分かります。

 

デメリットの方についても教えて欲しいです。

特に気になるのは、食事をしない時間が長くなってしまうと、空腹がかなりつらいのでは無いのかと言うことです。



筆者:なるほど。世の中では質問者さんのように“空腹状態”に関してネガティブなイメージが強すぎるように思えます。


 しかしながら、最近の研究においてはむしろ“空腹状態”を作ることが体においてメリットをもたらしていることが分かってきています。



 2009年、世界的権威であるサイエンス誌に投稿された研究結果では、空腹状態の継続によって若さがキープできることが示唆されました。

アメリカのウィスコンシン大学が行った実験では、合計76匹のサルにおいて、摂取カロリーを30%制限した群とカロリー制限をしない群を比較しました。


その結果、カロリー制限した群のアカゲザルに見られた現象として

1 加齢による死亡率が低かった

2 筋肉量が減りにくかった

3 糖尿病、がん、心血管疾患の発生が抑制された

4 脳の萎縮が抑制された


など、老化に関する様々な症状が抑制される結果となりました。 



質問者:へぇ……カロリー制限をするだけでそんなにも病気リスクなどが改善されるんですか。

あと、この研究で意外に思ったのはアカゲザルにおいても自由に食べさせてしまうと食べ過ぎになってしまうと言うことですね。



筆者:あ、確かにそれは密かに言えることかもしれませんね(笑)。


また、空腹になると長寿遺伝子である“サーチュイン遺伝子”が作動すると言うことが分かってきています。


2013年、国立遺伝学研究所の小林武彦教授らは、サーチュイン遺伝子の作用する反応経路を明らかにすることに成功しました。

このサーチュイン遺伝子には、ある遺伝子の数を一定に保つという作用があり、それがゲノムの安定性へ通じ、確かに寿命を延ばすことにつながっていたのでした。そしてこれこそが、長生き効果における唯一の反応経路であることを実証しました。



質問者:なるほど、空腹になることで色々な良い作用が働いていると言うことなんですね。



筆者:このように一時的に空腹状態になることを“プチ断食“と言ったりすることもあります。


 こうした断食については様々な健康効果が評価されています。


フランスの医学者カレルは「断食こそが、人体を洗浄し、心身に著しい変化を与えうるものである」と言い、

イギリスの医師カーリントンは「病気の根本原因は有害物質であり、それを取り去るには体内の大掃除が必要である。一定期間、食事をとらないようにして内臓を休ませ、有害物質を一掃すれば、病気の根本原因が消失し、やがて治るのである」

 と言っています。


 イスラム教やユダヤ教では定期的に断食を行っていますが、これは宗教的な側面もあると思うのですが健康としての効果も期待されているように思えます。


 食べない時間を作ることによって内臓を休ませることができるのも効果的だと思います。



質問者:つまり、空腹状態はそれほど悪い状態では無いと言うことなのでしょうか?



筆者:むしろ、健康に良い状態であると言うことが分かっています。

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2015年6月8日『最近おなかがよく鳴る 健康それとも不健康?』と言う記事によりますと


『消化管の動きに詳しい埼玉大学大学院理工学研究科教授の坂井貴文さんは、こう言う。

「おなかが鳴るのは、とてもいいことなんですよ」


なぜ、いいのか。坂井さんは次のように説明する。


「空腹になっておなかが鳴るのは、胃が強く収縮するからです。これは『空腹期収縮』と呼ばれるもので、この収縮が胃で起こると、それを受けて小腸の方でも次々に収縮が起こります。強く収縮することで、中にあるものを絞り出すように先へ先へと運んでいるわけです。


そして、このような強い蠕動ぜんどう運動の結果、胃や小腸の中が空っぽになる。つまり、グーと鳴るとき、おなかの中では大掃除が行われているのです」(坂井さん)

「おなかが鳴っているときに食事をすると、空腹期収縮が食後期収縮へとすぐに移行しますから、掃除が中断されることになります。だから、グーッと鳴ったからといって、すぐには食べない方がいい。


せっかくおなかをきれいに掃除してくれているのだから、次の食事までは空腹の状態でいる方が得策です。犬を使った研究では、胃から始まった蠕動運動が小腸の端まで伝わるのに、やはり90分ほどかかることが分かっています。つまり、掃除が一通り完了するには、そのくらいの時間を見ておいた方がいいということです」』



 お腹の“グぅ~”と言うことはお腹の掃除を順調にしてくれているんだなと考えて欲しいなと思います。



質問者:空腹状態がそんなにも体にとって良いとは……。かなり意外ですね……。



筆者:一般的な誤解としては“お腹が鳴ったから食べなくては!”と思われるかもしれないのですが、実情は全く逆だと言うことですね。


 もちろん、本当に飢餓の生活を強いられている方々にとってはお腹が鳴ることは一大事だと思うのですが、我々はどう見ても食糧事情に恵まれています。


 では次に具体的な“空腹状態“の作り方や、食事量を減らす方法について見ていきたいと思います。

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