令和記念番外編 座敷わらしのいる学校
ここは現代日本。
そして普通の高校。
でも、いるのはあたし達。そんな夢を見たの。
「ローラ、おはよう」
「おはよう、リン」
名前もそのまま横文字なのに、意地でも現代日本。
なんなんだろうこれは。さすが夢。強引である。
「このクラスは、ローラが転校してきてから幸せ続きだね」
「そうかな」
「うんうん、すごくラッキーな事ばかりだよ。嫌な担任が家庭の事情で代わったと思えば、いい担任がきたり、枯れていた花々がこのクラスの周りだけは咲いてるんだ」
「偶然じゃないかな」
「中二病の自称魔王の愉快な転校生もきたし」
「それは我のことか」
「あ、オウマ。やほー」
「やほー、だな。ローラ」
(何気にオウマもいるのね)
お姉ちゃんたちは、どうなんだろうか。
見当たらないけど。
「カンニング続きで落ちぶれたエリートクラスも、ローラのお姉さんが改心していい感じだしな」
(ああ。なるほど。さすがのご都合主義)
「そうね」
(とりあえず話を合わせておこう。夢だし)
「それにしても、テストの成績は何でローラはいいんだ?」
「……コロコロ鉛筆のおかげね」
生前からテストはこれでこなしてたはず。
テスト勉強なしでも、そのおかげでそれなりの結果だったんだよね。
「ほぉ、それはいいものだな。我にもくれ」
「オウマには渡すか! 俺のものだ」
「別に何個も作るけど」
「有料にしたらどうだ。売れるんじゃないか」
「そうね、それもありかもね。ゲスいけど。リンの言うとおりにお小遣い稼ごうかな?」
「おお! その売り上げで俺とデートするんだな」
「……そうね、それもいいかもしれない」
夢だし、本能がままに生きてもいいよね?
自由大好き。
結局、コロコロ鉛筆のおかげで、この学校の成績は全国トップレベルになった。先生にバレることなく。
令和になった記念に番外編を一つ置いときます!
楽しんでいただければ幸いです!




