成人式と運命の人(美香視点)
結婚式の準備はなかなか決まらないこともあったけどドレスを選び終わってからはどんどんスムーズに決まってる。ウエディングドレスもお色直しのオレンジ色のドレスもとっても可愛い。それに琉依さんのタキシード姿はすごくかっこいい。素敵な結婚式に呼びたい人がたくさんいすぎたんだけど来てくれる人はできるだけ呼ぼうってことになってお花屋さんの常連さんも来てもらえることになった。それにお店でたくさんのお客さんから私に結婚おめでとうっていうお手紙をもらったんだってお母さんが教えてくれておうちに送ってくれた。その中にはお名前は覚えてなかったけどこんなお話をして花言葉をもらえて嬉しかったって書いてあったりしてあの人かもって懐かしくなった。その中には望月怜子さんという人もいて、書いてあることから花言葉プレゼントのきっかけの人だって思い出して琉依さんにこの人なのって言った。結婚したんだーすごく遠くに住んでるみたいだけどどうやって私の結婚のこと知ったんだろうって言ったら同級生から聞いたんだろうねって言われてハテナマークを浮かべてたら琉依さんの大学の同級生だって教えてくれた。それから川原明莉さんからも手紙がきた。明莉さんは大学を卒業してからアナウンサーをしていてテレビで見る。美人さんだけどいろんなことに体当たりでリポートするから人気だって木村さんが言ってた。私が手紙がきたことを言うと琉依さんが怖い顔して手紙を取っちゃったんだけど返してもらって読んで結婚おめでとうって、お幸せにって書いてあって嬉しかった。琉依さんにお返事メール送ってって言ったら連絡先消してるよって、川原さんだけじゃなくて別れたらすぐに消してたもんって言われちゃった。残念だなって思っていたら嫌じゃないのって聞かれた。そんなことないわよ、それにあの日探してくれたお礼もしてなかったしって言ったら会社宛にでも送ってみればって言われてファンレターっていうのだって思いながらお返事した。それの返事はこなかったけどテレビで見た明莉さんが最近あった良いことって、とても素敵な手紙と押し花をもらいましたって言ってて届いたんだって嬉しかった。
それから10月の記念日は黒崎さんのお店でディナーを食べてクリスマスはおうちでご馳走を作って食べて、年明けには恒例になった私のおうちと琉依さんのおうちとのご飯をして、そして今日は成人式。
真奈美さんにもらったお下がりの振袖を着た。もらってから何度か着てみてるけどこれが最後になっちゃう。だって3月に結婚するから。大切にしまって私か優菜に女の子が生まれたら着せるの。男の子だったら孫に着てもらおう。
美容室で着付けとかをしてもらって琉依さんと会場に来て一旦バイバイして成人式が終わったあとに琉依さんと一緒に電車に乗って移動する。
「優菜ー!!」
電車を降りて高校がある最寄り駅につくと優菜とお義母さんが先についてた。
「優菜綺麗ー!!可愛いー!!」
「ふん、当たり前でしょ」
「そうねー!!」
「美香もとっても可愛いわ!!私の娘たちは可愛いわね!!」
「わー!!お義母さんぎゅー!!」
「痛い痛い!!ママ!!」
お義母さんに優菜と一緒に抱きしめられて嬉しくなる。
「琉依も一緒にぎゅー」
「僕は美香だけだよ」
「まあ。お母さんにも優しくしないといけないのよ!!ぎゅー!!」
「わ!!……もう……」
琉依さんも一緒にぎゅーってした。
「えへへー楽しいわねー成人式ー」
「成人式はつまんなかったけどね」
「えーじゃあ今楽しいことしましょー」
優菜とは成人式の場所が違うし、優菜が地元の人が集まっても楽しくないって言うから、そっか、優菜はいじめられていたんだから久しぶりに会っても嬉しくないんだって思って、それなら遊ぼうってなった。駅から高校に向かって歩いて公園に行ってからスニーカーを履く。
「よーし優菜!!まずはブランコに乗ってみよー」
「やっぱ着替えてから来れば良かったのに……」
「えーこの方が楽しいわよーほら早くー」
優菜の手を握って走ってブランコに乗る。
「ねー楽しいでしょー」
「んーまあ馬鹿っぽいけど」
「えーそんなことないわよー琉依さーん写真撮ってー」
「うん、撮るよー」
琉依さんに写真を撮ってもらいながらブランコで遊んでから今度はグラグラ揺れる板に乗ってみる。
「揺れ揺れー優菜楽しいでしょー!!ほらー!!」
「ちょっとー!!肩掴まないでー!!ぎゃー!!」
「はい次ー」
「だー!!急に降りないでよー!!」
「ジャングルジムー!!優菜ー早くー」
回転するジャングルジムに乗って琉依さんに回してもらってお義母さんに写真を撮ってもらう。そうやって他のでも遊んでまた最後にブランコに乗る。
「ねー楽しかったでしょー」
「そうね、20才なのに子供に逆戻りで馬鹿みたいで面白かった」
「でしょー。楽しかったー」
そのあとは高校に行って校舎に入れてもらえたから校舎を歩いて懐かしくて楽しかった。
こうして楽しく過ごした成人式から何日も過ぎて2月になったばかりのある日。夜ご飯を食べ終わってテレビを見ながら琉依さんとお話ししてると優菜から電話がかかってきた。
「優菜ーどうしたのー?」
『運命の人に会った!!』
「えー!!そうなんだー!!どんな人ー?」
『パパみたいな厳つい顔のでかい人!!』
「へー!!お義父さんみたいな人なのねー!!」
『琉依兄みたいにビビビッてきたの!!』
「すごーい!!」
『ねえ琉依兄は!?』
「琉依さんー?いるわよー」
お話ししたいのかなって思ってスピーカーにする。
「声大きいから聞こえてたけどなに?」
『琉依兄聞いてよ!!パパに似てる!!これは琉依兄の勘とも合ってるよね!!これこそ運命の人に違いない!!』
「確かに父さんみたいな人が良いんじゃないとは言ったけど顔のことじゃ」
『とにかくこれが正真正銘本物の運命の人に違いない!!だって一昨日の夜にね、パパが家につれてきた他の爽やか風な3人よりその人にビビビッときたんだ。野獣みたいに怖い顔してるのに私がおしとやかにお酒を注いであげたらね、すみませんって困った顔しちゃってさ、きゅんってしちゃって!!昨日も今日もぼーっとその人のこと考えてて全然仕事どころじゃなくてこれは間違いないって!!』
「うん!!間違いないわよー!!それで何してる人なのー?」
『公務員で市役所勤めだって。28才で小西浩一さんって名前でね、パパみたいに剣道が得意なんだって』
「すごーい!!優菜たくさん聞いたのね!!」
『もちろん!!あ、もちろんおしとやかによ。相手は28才落ち着いた大人の男なんだから。琉依兄は25才のくせに落ち着きないけど』
「悪かったね落ち着きなくて」
『私プロポーズする!!』
「ほえー?」
「は?」
『プロポーズ!!』
「そ、そうなのねー!!そうだわ、優菜も浩一さんにご飯を作ってあげたら良いんじゃないかしらー」
『そうね、胃袋を掴まなきゃね。じゃあね!!』
切れちゃった携帯を見てから琉依さんを見る。
「ところでプロポーズって結婚してくださいよね?一昨日会ったばかりなのにお付き合いしないで結婚?あ、お義母さんみたいな?」
「母さんは付き合ってなくても何度も会って出かけてたよ」
「そっか。あ、そうだ、優菜が自分から告白するの初めてねー。告白じゃなくてプロポーズだけど」
「うん……そうだね」
「琉依さん?どうしたの?」
琉依さんがそわそわしだしちゃってそう聞く。
「なんでもないよ」
「成功すると良いなープロポーズ!!」
「初めて言うのにフラれるなんて荒れなきゃ良いけど……いや、荒れるか……」
「むー!!フラれないわよ!!大丈夫なの!!」
「そ、そうだね」
上手くいくと良いなー。その次の日琉依さんが白いバラを買ってきてくれてなにが言えないことなんだろうって思ったけどそれを言えないんだったと思ってありがとうって言った。
それから数日後の夜。22時を過ぎてそろそろ寝ようとしているとチャイムが鳴る。なんだろうと思って琉依さんの後ろをついていく。
「え、優菜?」
「わー優菜なのー?開けよー」
優菜が遊びに来てくれたんだってドアを開けると優菜が抱きついてきてびっくりしちゃう。
「優菜どうしたのー?」
「プロポーズ!!プロポーズしたの!!」
「わー!!どうだったのー!?」
「はいって!!結婚してくださいって言ったらはいって!!よろしくお願いしますって!!」
「わー!!成功!!やったわね優菜!!」
「緊張したー……」
そう言って私に体重をかけてくるから倒れちゃいそうになるところを琉依さんが支えてくれる。
「なんでだろう、優菜惚れ薬でも盛ったの?」
「そんなことするわけないでしょ!!」
「惚れ薬ってなに?」
「本人はその気がないのに優菜に無理やりはいって言わされたんじゃないかと」
「そんなことないわよー。だって優菜こんなに美人さんだもの!!浩一さんも一目惚れしたのよー!!良かったわねー優菜ー」
「緊張して疲れた……今日はここに泊まるわ。明日土曜だけど仕事休みだし……げ、思わず来てしまったけどやっぱりポスター貼りまくりでキモい……よくこんな部屋で過ごせるわね……」
「ちょっと待ってよ、帰ってよ。そんなに文句があるなら泊まらなきゃ良いでしょ」
「優菜お泊まりしてくれるのねー嬉しいー!!おいでおいでー!!私のクッションもあるのよー!!」
優菜が初めて遊びに来てくれて嬉しくて眠気が吹き飛んじゃった。優菜に私のクッションを見てもらって優菜がお風呂に入る間にお布団を敷いた。琉依さんが熱を出したあとお布団はあった方が良いねって言って買ってあった。そこに優菜に寝てもらったけど楽しいからお喋りする。
「どんなだったの、優菜教えてー」
「ふふふ、きっと私の親子丼で胃袋を掴まれたのねー。今日は1人で来てくれてね、私が愛を込めて作った親子丼を食べて美味しいですねって言ってくれたんだー」
「わー!!やったわねー!!」
「だから結婚してくださいって言ったの」
「は?そこで?」
「煩い。琉依兄に言われたくない」
「どういう意味?」
「それでさー美香、さっきも言ったけど、はい、よろしくお願いしますって言ってくれたの。親子丼毎日特訓した甲斐があったわ。相当美味しかったのね」
「うん、そうねー!!」
「この手で作ったのよ、胃袋を掴むのと運命の人との結婚をこの手で掴みとったの」
そう言って両手を上に向ける優菜。その手にはほとんどの指に絆創膏が貼ってあった。
「優菜頑張ったねー偉い偉い!!」
「ふん、もっと褒めなさい」
「すごいすごーい!!」
「あー疲れたー寝るー」
「うん、おやすみー」
そう言って優菜はすぐに眠っちゃった。
「琉依さん、優菜良かったわね」
「うん、まあ頑張ったんだろうね」
「ふふ、本当ねー」
「告白は男からって言ってたのに」
「ね。自分を好きになってくれる人に告白されて付き合うっていうのが優菜だったのに」
「本当に運命の相手には自分からいくんだね。偉そうなこと言って……来た時すごい動揺してたのに」
「すごく緊張したのねー」
「とりあえずこれで優菜も落ち着いてくれるし安心だね」
「そうね。早く浩一さんに会ってみたいなー」
「そうだね」
次の日優菜は改めて浩一さんに会うことになって、私に会わせてくれるのはもう少しあとになった。優菜がすぐに一緒に住みたいって言ったら浩一さんは一人暮らししてるおうちに優菜を呼んでくれて、私と琉依さんが会うのは2週間後の土曜日の夜になった。楽しみ。




