給料は発生しません!
「人使い荒いにもほどがあらへん!?」
「まぁ……否定は出来ないね」
帰りの馬車の中、グッタリと横になりながらロットが文句を言うのも仕方ないと思えるほどに、最近の生徒会の仕事の我々への負担が大きくなっている。
「会計が体調不良で休学になったにせよ、一人分の仕事をオレら2人に振ってるにしたって、多ないか?」
「まぁ、ここぞとばかりに色々仕事を任されてる気はするけど……、頼りにされてるってことかな」
「給料も発生しぃひんのに」
ロットは座ると、そのポケットから馴染みの飴屋の飴を出すと口に放り込み、もう一つを向かいに座る私にもくれる。
「せやけど、なんや入学式からはじまり、なんや生徒会の仕事の全体見せられてる気ぃするわ。オレ、来年役員まではやる気ないんやけどな」
「私も流石に役員まではね……。折角学園にいるのならこの三年間は魔法祭にも出てみたいしねぇ。今でこそ中等部でお世話になった先輩の手伝いならばとしてるだけだし」
爵位の無いロットに、私も父が子爵の名を貰っただけの身では、今でさえアマトワ学園の名誉がある生徒会の手伝いをしているのもいい顔をしない人々が多いのも気づいていて、互いに小さく溜息を吐いた。
「そうは手伝い言うてもオレは貴族さんとの顔つなぎになると思えばしゃぁないと諦められるけど、レイは違うやろ。あんま無理せんでもえぇよ」
「私はロットと一緒にやれるならそれでいいさ」
「だからお前はもう少し歯に衣着せて喋れや」
「ロットにだけさ」
「そうやろなぁ。その面で他で言ったら大惨事やろしな」
微笑みを返せば、ただただ呆れた顔を返されるのが嬉しいのだと言うのは野暮だと思うが、きっと聡い彼では気付いてはいそうだが、言わないのも優しさなのだろうと、私も貰った飴を口に入れた。
区切りの関係で短くてすみません。
完結までは毎日更新したいなと思っております!……出来なかったらごめんなさい。
お付き合い宜しくお願いします!!(*´꒳`*)





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