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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
一章 パンデミックがやってきた編
14/76

14話 キレたぜお前

ダラダラ書けば毎日出せそうだけどそれだと締まりのない話になる。ちゃんと書いても締まりのない話になるから同じかな。

 フラグなんてモノは建っていなかったようだ。あれから1週間が経ち、嫌なくらい安全にことが進んでいる。最初の2日ぐらいは家に帰りたい、家族の安全を知りたいだとか言って出ていった奴らが数人いた。そう言った人たちに優先的に物資を渡して、学校には戻ってこないという約束で別れを告げていた。面識のある人は誰も出ていかなかったから特に何も変わることなく過ごしていた。そして今日は何も悪いことしてないのに会長に呼び出しをくらっていた。


「何ですか会長、俺何もしてないですよ」

「何で怒られる前提なのよ、今日はアズマくんに仕事をあげるわ」

「結構です」

「人間は慣れる生物なのよ、そろそろこの生活にも慣れて心に余裕が生まれてくるわ」

「聞けよ」

「そこで問題を起こす生徒がいないか見張りとは別に夜の見回りをお願いしたいのよ」

「何で俺なんですか」

「今朝たまたま視界に入ったからよ、それに見回りはあなただけじゃないわ。猛と田中くんにももうお願いしてあるの」

「あの2人ならやってくれそうですね」

「階毎に分かれて回ってちょうだい。やってくれたら明日は休みでいいから」

「まじすか?じゃあやります」

「ありがとう、じゃあ気をつけてね?人間何するかわかったものじゃないから」


 生徒会室を出ると外は暗くなり始めていた。電気は一昨日ついに止まってしまった。それまでに貯めておいた水があるけど学校以外の場所を探さないとダメだと会長が言っていた。まあ移動する準備でしばらくは学校にいるとも言っていた。


「ケイ、今日は私がソファで寝るからね」

「おお、おやすみ」

「?ケイも一緒に行きましょうよ」

「いや、俺は今日見回りをするらしい」

「らしいってなによ。見回りね...私も行くわ」

「何でだよ、寝とけ。俺は明日休みもらってるからできるんだ」

「いいじゃない。最近同じ生活でストレス溜まってたのよ、それにケイとも話せるし」

「俺と話したってつまらねえよ…あー途中で帰って寝るならついてきていいぞ」

「そうね、私も寝ないと疲れるしそうするわ」


 どうやら俺は三階の担当になったらしい。会長が決めたルールで自分の寝る教室を報告する義務があり、それが書かれたメモを渡されていた。誰も使ってない教室に入り、そこで過ごすことにした。

 夜10時を回ると、みんな寝静まったのか音が聞こえなくなった。


「怖いわね」

「ああ、怖いな」

「ケイってお化け屋敷とか平気な方?」

「絶対入らない、たとえ黒木先生に頼まれても入んないぞ俺は」

「なんでそこで黒木先生なのよ…もし私が頼ん」

「入らんな」

「即答すんな!」

「怖いものは怖いんだからしょうがないだろ」

「ふーん、じゃあ学校の七不思議とか知ってる?」

「知らん、知りたくない」

「私は最後の一つ以外は知ってる」

「は、話すなよ?」

「七不思議のうち1つがこの三階にある音楽室らしいのよ…」

「なんで話すの!なんで話すの!?」

「昔ピアノが好きな女子生徒が教師に性的暴行を加えられて、気を病んだ女子生徒が音楽室から飛び降りたらしいのよ…」

「や、やめてよ詩乃さん?」

「それから夜な夜な音楽室から誰もいないのにピアノの音『ジャーン!』キャッ」

「うっ、頭突きすんな!」


 自分で話してて怖がるなよ…。でも今音楽室の方からピアノの音聞こえたよな…。あは、あはは、そ、そんなまさかね!オバケなんていないことで有名だから歌にもなってるじゃん!


「け、ケイ。どうするの?」

「え、え?行かなきゃだめ?ほら音楽室で寝てる人がふざけてるだけだって!」

「さっきのメモに音楽室を使ってる名前なんてなかったわよね」

「やだよ!絶対行きたくない!」

「で、でも行かないと何かあった場合ケイの責任になるわよ」

「ええ、行くしかないの…?」

「わ、私もついて行くから大丈夫よ」

「まじか、絶対離すなよ」

「え、手繋ぐの?」


 そういって詩乃と手を繋いで音楽室に向かった。なに?女々しいだって?苦手なものは苦手なんだよしょうがないだろ!だいたいお化け屋敷とか考えたやつ絶対サイコパスだろ。人を驚かして金を取るとかほぼ犯罪じゃねえか!


「つ、ついたな」

「ええそうね」

「あれ?お前なんか余裕じゃね?」

「あれよ。泣いてる時自分より泣いている人を見ると心に余裕が出てくるやつよ、それのビビリ版」

「お前だけずるいぞ!」

「うるさいわね、とにかく誰もいないか確認して早く帰りましょ。余裕は出たけど怖いものは怖いわ」

「そ、そうだな…あれ?鍵がかかってる。鍵は会長が全部開けたはずなのに」

「え、じゃあ誰か中にいるってこと?」

「オバケではないってことだな!よし、じゃあノックで確かめてみるか。すいませーん!誰かいませんかー?」

「…何も反応ないわね」

「そんなはずないよな?鍵以外は中から閉めるしかないんだから…すいませーん!開けてくれないならドア蹴破りますよー?」


 そう言うと中からガタガタと音が聞こえてきてしばらくするとドアが開けられた。そこには1年の男子生徒が立っていて、中を見るとこちらも1年の女子生徒がいた。男子はイラついた様子で聞いてきた。


「あのー、なんか用ですか?」

「用というよりは音楽室は寝床に使うって申請されてないんですよ。あとたしか鍵はかけちゃだめだって会長が言ってたでしょ?」

「はぁ、すみません。じゃあ今後気をつけます」

「…あれは彼女さん?」


 あまりにも後ろの女子が見てくるので違和感をビシビシ感じていた。衣服も少し乱れてる...面倒ごとは勘弁してくれよ…?たとえ何があってももう見過ごそう。うん、彼らはカップルでハッスルしているだけだな。きっとそうだよ。


「はい、彼女です」

「ふーん、じゃあお楽しみ中邪魔して悪かったな!今度からは気をつけろよ?あとゴムはつけろよ!」

「あんたなんてこと言ってんの!童◯のくせに!」

「◯貞関係ねーだろ!じゃあ俺たちは帰るから」

「あはは、先輩達も付き合ってぶっ!?」

「ギャー!?何殴ってるのケイ!?そ、そんなに私と付き合ってるって言われるのが…」

「詩乃!田中でもタケさんでもいいから誰か強い人呼んでこい!」

「え?」

「早く!」

「う、うん」


 この野郎。やっぱり面倒ごとかよ。彼女が俺に向かって口パクで『たすけて』と言っているのがわかってしまった。見過ごせばよかったかなあ、今のは不意打ちで当たったけどこいつ不良っぽいし勝てる気しねえな。あ、政宗(バット)忘れた。


「て、てめぇ!何しやがる!」

「ナニしてるのはお前の方じゃねえのか?それにお前、外で見かけたことねえけど中で縮こまってるマンか?」

「何が悪い!てめえらが勝手に出て行ってるだけだろうがよ!」

「俺らが外で命かけているのに、てめえは何もしないはおろか、女子を襲うってのわよ…ちょうしがよすぎるんじゃねえのか?」

「…あ?おいww声震えてるぞww今更怖くなったのか?」


 そう言って男子は俺の肩に手を置いた。


「だいたいよ…なんでためぐちなんだよ…」

「まあまあwwもう無理しなくていいぜ?お前もこいつ犯したいんだろ?さっきの女貸してくれたらよ、こいつ一緒に犯してもいいぜ?」

「あ゛あ゛?」

「へぶっ!?」


 キレたぜお前。俺は外で頑張ってんのになんでこいつはいい思いしてんだ!不公平だ!俺だけ不憫じゃねえかよ!!!おい!!!


「野郎!」

「遅えぞコラ!!!」

「ぐっ…なんで」

「こちとら鍛えられてんだよ!現場舐めんな!」

「がはっ」


 思っていたより動きが遅えな!毎日パンダ相手にしたりタケさんやネコを見てるからこいつはすごく遅く感じるぜ!助け呼ぶ必要もなかったな。俺はこれから武闘派で行くぞ!!!腹を蹴られて蹲っていた男子が何か取り出して立ち上がった。


「てめぇ…」

「勝てんぜ、お前は…」

「へへ、マジで殺してやる!」

「!?」

「なんだよ?ナイフにビビったのか?」

「け、喧嘩は良くないよ…話し合いをしよ?靴でも舐めようか?」

「今更遅えんだよ!ぶっ殺してやる!」

「誰か助けて!!!」

「ええー!?」


 アルティメット東状態から普段の俺に戻った豹変ぶりに女子生徒が驚いた声を上げていた。だって喧嘩良くないじゃん?武闘派とか危ないし。だからさ、軽蔑した目で俺を見ないでよ女子ちゃん、ゾクゾクするからさ。


「勝てんぜ、お前は」DRAG◯N BALLのこのセリフめちゃくちゃ覚えてるんですよね。アルティメットver東

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