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プロローグ
習作
ふと気が付いたとき、その真っ黒いものはすでに僕の意識のなかに侵入していた。
たとえそれを見ていないときでも、ことあるごとに脳裏にちらついた。
まるで網膜に像が張り付けられて、誰かが光を遮ったり解放したり、遊んでいるみたいだった。
いや、もしかしたら、僕の脳には一定間隔のインターバルで点滅するシステムが、事前に組み込まれていたのかもしれない。
今までは気づいていなかったけれど、頃合いになったからか、それともちょっとした摩擦が起きてのことか、そのシステムが発動したのかもしれない。
それとも、あまりにまっさらで変幻自在だったから、神様がスパイスをひとつまみ入れたのかも。
否、それは確かめようのないことで、確かめる必要のないことだ。
まったく馬鹿馬鹿しい妄想の連鎖。産み落とされた泥たちが誇る、呪われた考え方。
ただ確実に言えることは、僕はその黒いものの一部であり、僕がいなかったとしても、その黒は変わらず存在していたということ。
結局この世のものは、大層な理由もなく、ただそこにあるだけ。
ただ、それだけ。




