青春の影
古き良き昭和型の恋愛??
妙な二日間だった・・・・・
あのころの自分に、突然引き戻されたような変な感覚と、懐かしい匂い・・・・
梅田から、鶴橋で降りずに寺田町までの環状線に乗ったのは、もう二昔も前のことなのに
ドローボードを持った学生や、ファイルケースを小脇に抱えたニューフェイスを車内に見か
けると、あの頃の匂いまでかえってくるような、そんな懐かしさの中、ホームに降り立った。
街の様子は、僕を現実に引き戻す・・・・。見慣れない風景・・・・
時の流れの記憶を紡ぎながら路地から路地へと、五月らしくない暑い道をクーロンズゲートにでも迷い込んだ様に、遠い日をたどりながら歩いた。
今風の銭湯屋の前にあの頃のまま、その店はあった。店の奥にはいつものように
4人がけのソファーにだらしなく足を乗せて客待ちをしながら午睡をしている店主
扇風機の音だけが昼下がりの暑い路地に染みている。
「 おっさん、ねとったら客にげんでぇ、しょうばいや、しょうばいや!」
ソファーから「 えっ!そのいいかたは・・・」
むくりと起き上がった、けげんそうな顔が見る間に満面の笑顔に変わった。
「 なんや、くるんやったら連絡してぇな、あーぁびっくりした、おーい志摩!えらいこっちゃ
ごっついめずらしいひとが、きはったでーぇ! 」
「なんやな すっとんきょうな、声出して・・・・・」
2階からだるそうに踏板を鳴らしながら降りてきて、
「誰れやの?・・・・・・えっ!うっそーどないしたん!」
「嫌やわ、化粧しとらんのに・・・」
などと、わけのわからない歓待のなか、生ビールと、マスター自慢の、焼きブタを
つまみながら、二昔の記憶の断片を繋ぎあわしていた・・・・。
僕がまだ広告会社勤務だった頃、企画や、ネーミングに疲れると、この店に
来ては、訳の分からない話をしながら、まだ幼かった娘二人を遊び相手に半日
過ごしていたのだった。
その娘さんも、一人は嫁ぎ、もう一人も自立して、一人暮らしをしているとのこと・・・・。
「あの娘、どうしてる?」
「さぁどうしてるかなぁ・・・・一緒になっとったら、しょっちゅうきとったやろけど・・・
恋愛は令和になっても続く。。。




