表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラス転移に巻き込まれ用務員は魔力が0だった。  作者: ぐっちょん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/16

第14話

ブックマークありがとうございます。

 ゴローの生活スキル一部

【ファイア】火をつける

【ウォーター】水を出す

【ウインド】そよ風をおこす

【ロック】岩を出す

【ライト】光を出す

【ダーク】暗くする

【アイス】氷を出す

【スタン】気絶させる

【ケア】治療する

【クリーン】綺麗にする

【リペア】修理する

【ポーチ】財布程度の容量のアイテムボックス


————

——


「おっ、なかなかいい感じじゃない?」


 俺がお世話になっている男娼館は快楽街でも外れの方にあり意外と敷地が広い。裏手の方が特に。


 この前、倉庫にある寝具を運び出した時に気づいたんだ。

 倉庫の裏手の方には結構な広さの荒れ地が広がり、さらに奥には荒れた垣根で囲まれたゴミ処理施設(裏手側が面している)がある。


 その先にはぐるっと王都の1番外側を囲っている防壁が見えるんだけど、俺がその外側に出る事はたぶんないだろうな。


 それで、話は戻るけど、この広い荒れ地はウチのオーナーの所有地でもあるらしく、ついでに言えば(スライムを利用した)ゴミ処理施設もウチのオーナーが営んでいるらしいのだ。


 ウチのオーナーは仮面をつけているから顔は見た事ないけど、雰囲気からしてかなりやり手のような印象があった。実際、印象通りの人だったようだね。


 ちなみにこの話はオーナーから直接聞いたんじゃなくて俺が荒れ地を眺めていたらシゲさんが教えてくれたんだよね。


 それで今は、以前購入した本を全て読み終わり魔道具屋さんにでも行ってみようかと思った。

 でも、場所を聞いたら少し距離があるため、乗合馬車を利用しないと大変っぽい。

 迷いに迷って結局は行くのをやめることにしたんだよね。


 というのも魔道具は高価な物が多いらしいからどうせ買う事はできない。

 ただ、どんな魔道具があるのか興味があっただけだし。


 それで、予定のなくなった俺は、日課にしているお店のクリーンやリペアをしていたんだけど、いつもしているからそれもすぐに終わり、今まであまり使っていなかったスキルで使い暇つぶしをしている。


「ちょっと、こっちが傾いているな。ここも少し削って……」


 ロックスキルを使い手頃な大きさの岩を出して、ウォータースキルで削っているのだ。


 ウォータースキルも使い出して、その便利が段々と分かってきた。


 蛇口から水を出しているようなイメージすればその通りにシャバシャバ水が出てくるし、シャワーをイメージすればその通りに出てくる。なんでも思い通り。


 そしてウォータースキルに慣れてきた所で、ウォーターカッターをイメージして硬い岩を削っていたところだ。


「よし、こんなところかな」


 それで完成したのが岩を削って作ったテーブルとイス。

 水飛沫で濡れた髪や顔を首にかけていたタオルで拭きつつ一歩離れて眺めて見る。


「なかなかいい感じじゃないか?」


 初めて作ったにしてはなかなかのできだろう。むふん。その出来に満足していると、


「何をやっとるかと思えば、ゴローは面白い使い方をするのぉ。見事なものじゃ」


 興味本位で近づいてきたシゲさんから声をかけられた。


「あ、シゲさん。あはは、初めて作ってみたから見栄えはよくないんですけどね」


 出来上がったイスにシゲさんと腰掛け座り心地を確かめてみる。


「うーん、座り心地は正直よくないですね」


「岩を削って作ったイスじゃろ? こんなもんじゃて……しかし、よくこのような手頃な岩を見つけてきたの……」


 シゲさんが座ったまま荒れ地の方に顔を向ける。


「ああ、この岩も俺が出したやつなんですよ、こんな風に」


 ロックスキルを使って手頃な大きなさの岩をポンと出してみせる。


 このロックスキルもなかなか便利でイメージ次第では大きさや形だって自由に変えれ……ん?


「なるほどの……んん? ゴローや、突然考え込んでどうしたんじゃ」


「いや、俺気づいたんです」


 今座っているイスをイメージしながらロックスキルを使ってみた。


「げっ、やっぱり」


 俺が岩を削り苦労して作ったイスとそっくりな、切り株のような岩のイス(背もたれ付き)がポンと出て来た。


「なんてことだ」


「これはたまげたの」


 滅多な事では驚かないシゲさんもこれには目を丸くして驚いていたよ。俺は驚きよりもショックの方が大きいけど。まあいいか。他にもいい事思いついたし。


「これはどうだ」


 そう、アイススキルだ。お店で毎日使っている便利なスキル。

 ロックスキルができるならアイススキルだってできるんじゃないかと思ったのだ。

 ロックスキルの時と同じように形や大きさをイメージして使ってみれば、


「やっぱり、できたよ」


 切り株の様な氷のイスが出来上がった。太陽の光が半透明の氷にキラキラ反射してとても綺麗なイスに見える。


 それにアイススキルの方が使い慣れているせいなのか、ロックスキルよりもスムーズに作る事ができた。


「なんと」


 シゲさんが驚きつつもゆっくりと氷のイスに近づきそっと触れる。


「ふむ。氷じゃな」


「はい。やり方はロックスキルと同じだったので。でも溶けちゃいますからあまり使い道はなさそうですけどね」


「そうか……それはもったいないの」


「そうですね……」


 シゲさんがそこで何やら考え始めたので、俺は似たようなイスを何脚か作り、今度はロックスキルとクリーンスキルを同時に使ってみた。


 こうすればロックスキルで出した岩を消す事ができるっぽいのだ。

 何となくそう思っただけで根拠はなかったけど、二つ同時に使ってみたらイスはちゃんと消えていた。


「おお」


 クリーンスキルって万能だわ。面白くなってしばらくはロックで使ったイスとアイスで作ったイスを作っては消しを繰り返していたが、


「そうじゃゴロー。氷で花は作れんのかの? できるのならほれ、お主が気に入っている娘たちよ。エールに氷の花を浮かべてやれば喜ぶじゃろうて」


「氷で作った花をエールに浮かべる……?」


 エールに氷の花を浮かべてレイナさんとアンナさんの前に差し出している自分の姿を妄想をしてみる。


レイナさん『ゴロー、これを私にか。ふむ。奥はもう空いているか?』

『もちろん空いてます』


テレレレ〜。ゴロー超えちえちモードに突入。


 ふへ。


アンナさん『ゴロー。なかなか粋な事するじゃねぇか、よし奥いくぞ』

『はい、喜んで』


テレレレ〜。ゴロー超えちえちモードに突入。


 ふへへ。


「シゲさんそれ良いですよ! やる、俺はやるよ」


「そ、そうか。あまり無理せず頑張るんじゃぞ」


 しかし、氷の花は細かくて簡単にできるものじゃなかった。

 それでも2人の喜ぶ顔が見たくて俺は頑張った。かなり頑張った。その頑張りのおかげで夕方にはどうにか形にしたんだ。


 その夜。


「ゴロー、いつものをもらっていいだろうか」


「レイナさんいらっしゃい。はい、エールです」


「うむ。ん? これは氷のバラ、なのか!?」


「はい。レイナさんに喜んで欲しくて」


「そ、そうか」


 顔を真っ赤にしてちびちび飲み始めたレイナさん。その手が俺の頭を撫でたかと思えば、俺は抱っこされていて気づいた時には奥の部屋にいたよ。


 ちょっと反応は違ったけど、とても喜んでもらえたようで良かった。

 ちなにみレイナさんは機嫌がいいと俺の頭をよく撫でてくるんだ。


「ゴロー。あたいが来てやったぞ!」


「アンナさんいらっしゃい」


 次の日の夜には、アンナさんも来館してくれたので同じようにエールに氷のバラ(花)を浮かべて提供した。


「な、なんだこれ!」


「バラの花です、アンナさんに喜んでほしくて。あ、でも氷でできていますのですぐに溶けますけどね」


「そ、そうか。あたいにこんな綺麗な花を。ふふっ、エールに入れてってのがゴローらしくていいな」


 アンナさんは顔を真っ赤にした後に、ぐいっとエールを一気に飲み干し、妖しく笑ったアンナさん。

 次の瞬間には肩に担がれており気づいた時には奥の部屋で横になっていたよ。

 ちょっと思っていた反応と違ったけど、喜んでもらえたようでよかった。

 ちなみにアンナさんは機嫌がいいとよく笑い俺の背中をバシバシ叩いてくる。


 気をよくした俺。この日からエールに色んな形(花以外)の氷を入れるようにしたら、エールの売り上げがぐんぐん伸びて、みんなからとても感謝されたよ。


 俺は忙しくなったけどね……

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ