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出発の朝

 ロゼはその足でキキ師匠の所にも報告に行き、教会に言って魔術具の登録をすませ使い方を教わった。赤い魔術具だった。どっかに〶のマークがあるのではないかと捜したがなかった。


 アパートに戻るとバルがいた。

「また来たのか。なんだ」

 バルは瞳が緑になっている。

「そんな言い方あるのか、その…礼をいいに来た。闇の精霊と契約出来たよ」


 らしいな。黒ちゃんがバルの周りを嬉しそうに飛び回っている。


「よかったな。ああ、そうだ。明日から王都に向かう、もうここも引き払うから」


「そうか、わかった。転移して向かうのか?」


「いや、駅馬車で行く。街道から王都近くまで転移してそこら辺の集落に落ち着こうと思っている。春になったら知り合いが俺を拾って王都まで一緒に行くことになっている」


「なんか面倒だな…でもその方法は正解だ。勝手に王都に転移すると大変なことになる。普通の街はいいが、王都は転移で入って来たことがわかるようになっているからダメだ。ちゃんとスズカに登録をしないと拘束されるぞ。」


「へぇ、すごいな、よかったよ。王都に転移して観光に行こう思っていたんだがやめておこう」


 スズカは万能だな。


「それより、なんで瞳を緑にしているんだ?」


「なんでだ?いいだろう?」


「全然、悪趣味だ。青にしろ」

「なんで青なんだよ!紫と青ではあまり変わりがないだろう!」

「髪も青にしたらいいじゃないか」

「髪も出来るのか…じゃあ髪も緑にしたらいいだろう」

「おやじを思い出す。やめてくれ!」

「え?そ、そうだったのか…じゃあやめよう」

 知らなかったのか。近辺調査をしていたんじゃなかったのか?


「すまない。そうだったな。思い出したよ。見たことがなかったから…」

忘れていたのか。


ロゼと同じ青い銀髪に青い瞳にしてもらった。

「兄弟みたいじゃないか!」

バルが言う


それが狙いだ


「明日一緒に北門まで行かないか?」

ロゼはにっこりと笑う


「は?」




 朝2の音の少し前に駅馬車の停留所に向かう。たぶん音ぴったりに出発はしないと思われるが、ロゼは5分前行動が身についているのである。


 停留所に着くとレオンに師匠のキキ、ルキ、ムカイ、エトやミタやウタ、アパートの面々がいた。


 げっ、なんでこんなにいるんだ。


 昨日の夜にアパートの奴らには明日旅立つことは告げていた。夜中までお酒を飲んでお別れ会をしたのだが、見送りに来るとは思わなかった。見送りはいいと言ったのに。しかも音も「朝3の音」だ。と言っておいたのに、バレていた。


「ロゼから音を言ったからな、あやしいと思ったんだよ!ギルド長に聞いてよかったぜ」


そんなときにだけ気が回るウタ…お別れ会の前にレオン宅に聞きに行ったらしい。


 みんなから元気でと言われエトからは涙ぐまれた。あいかわらずエトは可愛い。

そんな中、レオンから大きなトランクを渡された。

「なんだこれ?」

「あ~餞別だ。俺が若い事使っていたローブやブーツとか色々が入っている。それとルキのお下がりとかな」

「私のは、女の子用のカバンとか服とアクセサリーとかあるから使って。あんたの身なりはボロボロ過ぎるわ」


 今のロゼは土や煤はさすがにつけていなかったが、あいかわらずジョセフのお下がりを着て、ユロランの住民から貰ったカバンを使っていた。ローブもこの街で最初に買ったものだ。安手の物でくたびれている。



 キキからも錬金のベルトをもらった。ベルトには薬草や素材が数個掛けられる仕様になっている。女子用なのか石など付いていておしゃれだ。キキのお下がりだろう。少々年季が入っている。

「ロゼはあんたは急すぎるわ!春になったら私も王都に行くから!おとなしくしてるのよ!」

なぜ来る?


ロゼはうれしくなって、にっこりと笑う

「ありがたく、使わせてもらう」

いつもとちょっとだけ違う笑顔にみんなは動揺にする。


「「いつも、そんな風に笑ってろ!」」

ムカイとレオンの言葉が重なる。


 いつも笑っているだろう。失礼な。


駅馬車にトランクを預けようとして横にいる奴の紹介を忘れていた。

「ねぇ、ロゼこの人は誰?」

ルキだ。


「あ~、叔父だ」

「「「えっ?」」」


一同の声が重なった。


 実は叔父が下町で暮らしていたが、兄弟と折り合いが悪く一緒に王都に行くことにしたと説明した。下町に住んでいること以外、嘘は言っていない。


「それで春に一緒に行くのを拒んだのね」

ルキはちょっとほっとしている。自分が嫌がられたわけではなかった。


「叔父がいることは言ってなかったから」

秘密主義のロゼは家族構成など誰にも知られたくないのだと思わせている。

「本当に家族がいたのね」

 なんの事かと聞けば、ちょっと前だがロゼは街を歩いていた時に近所のおばさんやおじさんに身体の弱い弟は元気かとよく声をかけられていた。なんのことがわからなかったが、テキトーに濁していた。どうやら間引きに行かないのは幼い弟がいて看病をしなければならないからだとルキが噂を流していたようだ。

「おまえか…」


「でもおじさんには見えないわね。すごく若い」


「母親が違うからな」

 昨日設定を考えた。バルの父親が若い女と浮気をして出来た子供で昔から兄弟にいじめられていた。その兄弟の子供がロゼというわけだ。なかなかややこしい。


複雑な家庭環境なのだろうと多くは聞いてこなかった。


 よしよし。バレたら謝ろう。


 ロゼとバルは駅馬車に乗り込んだ。みんなから見送られ旅立った。

駅馬車が出発しても見えなくなるまでみんなは見送ってくれた。ロゼもずっと手を振っていた。

「おまえ、意外と人気あるな」


バルからお褒め頂いた。



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よろしくお願いします(^◇^)

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