戻った日常
生理が終わったのでアパートに帰ることにした。生理じゃなくても闇の日に来るからとレイジュ様を宥めて帰って来た。
留守をしていたときにザリやエトたち、セドなどが尋ねてきていたようで心配された。お見舞いをされるなど、嬉しい事なのだがこれから毎月のことなどでどうしたものかと考える。
ロゼの生理はちょっとキツめだった。前世の頃はムリして出勤していたがこの世界でムリをするなんてナンセンスだ。実際にザリはちょっと気分が悪いと言っては休んだり、すぐに帰ったりしている。ポーション飲め!と言いたい所だがポーションを飲んで休む社会なのかもしれない。
エトたちとセドにはなにか滋養のいい、果物などを貰ってしまった。これはありがたく頂く。今度、飯でも奢ろうかな。
また日常の生活に戻る。ザリの工房へと向かう。
新雪の為、雪が柔らかい。雪は好きなので誰も踏んでいない道を敢えて歩く。ザリの工房に着くとまず、ザリの工房の後片付けから始める。たった1週間で工房は泥棒でも入ったのか如くに荒れていた。せっかく新雪を歩き楽しい気分で出勤したのに、げんなりである。
ザリは腕がいいのかザリ専用のポーション置場が各店に設置されているほど人気があり常に品薄状態だ。
ザリはロゼと同じ水の精霊と契約をしている。髪は薄い青で、はちみつ色の瞳をしている。でもレイジュ様とはちがう。黄色かもしれない。
ザリの精霊はロゼを見るとすぐに隠れてしまった。人見知りの精霊なのかな?
水の中級ポーションと言うとひどい頭痛やめまいなどに効くポーションだ。中高年が陥りやすい病の為、需要に事欠かかない。出荷してはすぐに売れてしまうため、少し割高なのだという。普通30ベニーのところザリ印の中級ポーションだと45ベニーなのだとか。
いや高い!頭痛薬に4500円も払わない。
1週間休んでいたため、鍋や薬草のクズや器が散乱としている。ロゼはひとつひとつ丁寧に洗い、ゴミを片していく。
1週間分ため込んでいた為、午前中まで掛った。
「1週間休んでなにしていたんだ?アパートに寄っても留守だったし。」
まさか精霊王と談笑してなんて言えない。
「ちょっと体調が悪かっただけだ。夏にちょっと無理していたから。宿で静かに寝ていたよ」
「そうだったのか?どこの宿だ?今度休みを取った時はお見舞いに行くから教えといてくれ」
「ありがたいが、そういうのがいやだから黙って宿をとったんだ」
「え?でも心配だろう」
ロゼは沈黙することにした。こういうのをありがた迷惑と言う。あんまり深入りしてほしくない。
まだ、すべては話せない。成人するまでは深入りすることなく過ごしたいのだ。
「おまえは壁があるな」
ザリがため息を付く。
壁のないやつがこの世にいるのか、そんな奴はただの幸せな奴だ。俺にはあり得ない。ザリは幸せにその歳まで過ごしたんだな。うらやましい。でも私は違うほっといてほしい。
ザリはたまに一緒に風呂屋に行こうと言ってくる。ロゼが汚らしいからだろう。
もちろん断る。最近毎日言ってくるから、なにか理由があるのかと思って聞いた。
あまり汚らしいと近所迷惑とか言われてザリに迷惑が掛かっているのであれば、どうにかしなければならないだろう。
「ああ、近所の八百屋の2番目のお嬢さんが婿にどうかって?今度お見合いをしないか?俺の弟子なら将来安泰だとかで、気立てもいいし、近所でも人気の子だよ」
ザリがにこにこしながら言ってくる。
「お見合いなんてしない。そんなことで風呂屋に行けって言っているのか?だったらもう二度と俺の私生活に指図しないでくれ。作業のことなら兎も角、そんなくだらないことで指図されたくない」
「くだらないって、結婚はくだらなくないだろう?」
「大きなお世話だよ。結婚相手は自分で決める」
「弟子の結婚相手を決めるのも師匠の仕事なんだぞ」
「じゃあその仕事は放棄してくれ、ポーション作成のみで結構だ」
「頑なだな…」
「…」
ロゼは自分の仕事に戻る。薬草を均等に切ったり、潰したり、乾燥させたり、やることは山積みだ。休む前にたくさん用意をしていたのにもうない。ザリは自分では一切やらないらしい。
他にも薬草の枚数、足りているか保存の確認、売上金額の確認、取寄せの確認、注文数の確認、出荷の確認、瓶の回収、洗浄。足りなければ瓶の注文、弟子というか事務員のような仕事をしている。
余った時間で練習しているのが現状だ。早く中級ポーションを作れるようになって面倒なやり取りをなくしたい。
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