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生まれ変わったら異世界だった

初投稿です

楽しんで頂けると嬉しいです(^^♪

 気が付いたら、銀髪紫の瞳をした異国の女の子に生まれ変わっていた。

感度の悪い鏡に映し出されたその見た目は、大きな瞳に濃い紫をしている、銀髪は短くクルクルとした天然パーマで、男の子の服装をしていた。

 この地域では貧しい家庭が多く、女の子のいる家庭では一般な処置である。近所のお古が出回り、小さい女の子用の服は売ってない。


 生まれ変わったと明確に認識したのは最近の事。最初はいつ意識したのだろう?

もっと前…。お母さんは死んだと聞かされた時くらいだろうか。

「またいないの」って思ったのだ。

また?なぜまたと思ったのか、それから徐々に思い出していった。

前世の記憶がある。よくラノベで読んでいた世界。異世界だ。

なぜ異世界だと分かるのか、街並みや行き交う人々の服装、髪の色どう見ても地球じゃない。それにちょっと色々変わっているし。


 なぜかトイレだけは水洗だった。それだけは助かった。

トイレ事情まで詳しく表現されているラノベは少なかったのでどうしているんだろうと思っていたが、よかった。もうあとはどうでもいい。

 湯に浸かりたいとか米が食いたいとか贅沢いいません。眠れる家とキレイなトイレがあれば十分です。はい。


 トイレは各家にタンクのようなものが元から地下に設置されていて、そこに排泄物は溜まっていく仕組みになっていた。タンク自体が魔術具らしくたまった排泄物は自然と消えていく。そのエネルギーは魔石だ。魔石は、この世界では生活必需品だ。魔獣という魔力を帯びている獣から取れる石のことで、魔力がある。使っていればその魔力は無くなっていくらしい。その都度、魔力を補給しなければならないが、その方法は各自家庭による。自分自身で魔力を込めるものもいれば魔石を買って魔力を込めるものもいる。魔石は魔石屋さんで売っているらしい。

空になった魔石は魔力を補給することで復活する。


トイレ事情が明るいと人生も明るい。ような気がする。



「お父さん、おはよう」

「ミル、今日は少し早く出る。支度をしなさい。」

「はい」


 私の名前はミルという。苗字はない。

父は花屋をしている。いつも朝から市に行く。私も8歳になった頃から早く仕事を覚えるようにと一緒に行っている。


 家族は父子ひとりだ。父・ジョセフは緑の髪に瞳も緑だ。ジョセフはイケオジだが不愛想でいつもピリピリしているので私は苦手だ。私が前世持ちじゃなく普通の子供だったら父に甘えたりして、こんな父でもデレデレになっていたのかな?

 自分が普通ではないことには父に申し訳ないと思うが、苦手は苦手だ。


 そう私は、見た目は子供、中身は大人というどこか聞いたことのあるようなフレーズが出そうだが、ちょっと違う。今は幼い子だが中身は52歳で死んだ宇津瀬うつせ 美玖みくという前世の記憶があるだけの一般人である。頭がよかったということもなければ、なにか秀でた才能があったわけでも、すごくなにかに未練があったわけでもない。

 ただのおばさんだった人だ。



 この世界は、イースリッドという。精霊王ヒースの信仰があり、それによってこの世界が回っている。らしい。イース教なるあやしい団体や自然神教など同じ一神教にも関わらず、色々な宗教が混雑している。それは前世と同じだなとミルは思う。


 私が生まれた国は、ルクセルボルン王国という。

現王は第86代目マクシミリアン・ルクセルボルン国王。歴史ある王国だ。

国が認めて信仰しているのは精霊王ヒースのみである。らしい。


 私が住んでいる所は王都の近隣の街でユロランという。すこぶる田舎ではないが、私の地域は下町といったところで、花屋も小さなお店だ。父と子でやっと食べていけるぐらいでしかない。人の出入りは有るため花などの娯楽でしかないものでも商売が出来ている。



「ミル、おはよう。今日も市か?」

 声をかけてきたのはお向かいの雑貨屋を営んでいる3男のルーイだ。

「おはよう、ルーイ。そう市に行ってくる。ルーイはこんな朝早くどうしたの?」

 ルーイはきれいな金髪で青い瞳をしている。将来はイケメンだろう。

「オレも今日から父さんと市に行く。うちは雑貨屋だからミルの家みたいに毎日じゃなくて助かったよ」と笑っている。

「いいなぁ。毎日こんな朝早いのは眠いよ。」

 私とルーイが話をしていたら父・ジョセフが借りてきた馬車で近づいてきた。

「ミルそろそろ出発するから」

「はい。ルーイまたね」

「ああまたな。しかしミルのオヤジはいつ見ても迫力があってこえーな」

 ルーイの最後の方の言葉はジョセフが聞こえないほど小声だ。


 ジョゼフは大柄なうえ、不愛想だ。

しかし、顔が整っていたため、母が亡くなったあとは縁談が絶えなかった。それをジョゼフはすべて断っている。周囲は今だに亡くなった妻を愛しているのだとほっこりしていたが、そのしわ寄せはミルにくるのだ。私はさっさと再婚してほしいと思っていた。


 私は市場に向かうため父が運転する貸し馬車に揺られながら昔にふけっている。

前世の自分がどうやって生きていたか昨日のことのように思い出せる。美玖は、52歳の独身女性だった。母は幼い頃に他界、父は2年前に他界していた。自身で安い中古マンションを購入し、猫1匹と暮らしお金はなくとも優雅な独身貴族を謳歌していた。とは言うものの美玖の前世はあまり、楽しいと言える人生ではなかった。早くに母を亡くしてからは明るかった性格も影を潜め、いじめに合うようになった。

 容姿も勉学も秀でたものはなく、高校を卒業してからは普通の会社員として仕事をしていた。

根が明るかったり、物事に対して細かくなかった性格もあって一人でもなんとなく生きてはいけていた。

 ただ、やはり一人で生きて行くのはつまらなかった。たくさんの友人と家族に囲まれた生活を望んでいたが、恋愛も友人関係もうまく行かなかった。

そんな人生だった。


どうやって死んだのか…。その辺は記憶が定かではない。


 ただ、置いてけぼりにしてしまった猫はその後どうなったのかとても気になる。

一応、数少ない友人には、自分が死んだら猫のことをお願いはしていた。可愛がってもらえていると信じたい。



よかったと思っていただけたら評価☆を頂けると励みになります(^_-)-☆

よろしくお願いします(^◇^)

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