登場人物まとめ&解説
比較的駆け足で進んできましたが、とりあえず序章終了です。
登場人物のまとめや解説を行いますので、情報整理にどうぞ。
◆シン 年齢:16→21 レベル:??? 冒険者ランク:F→C
主人公。異世界からこの世界にやって来た青年。『スメラギ』に拾われ、修業と生活の術を学ぶことになる。彼の死後は『邪神』に憑依され、勇者と共に魔王討伐の旅に出ることに。その後、魔王城の前でスキル『跳梁跋扈』を発動し、返り討ちに遭うも『試練の神』の元へ運ばれ、対話する。
厳密に言えば、『邪神』に憑かれたのは師匠の死の直後からなので、魔王討伐の旅をしていたのは『伝心』によって精神が不安定となり、自身を『シン』と思い込んでいた邪神である。このため、魂が定着し彼が目覚めるまで、話す一人称は邪神特有の『己』となっている。また、邪神は多重人格ではなく言わば『並列人格』なので、取り憑かれた後は記憶を共有している。ただ、深層心理に『邪神』は到達できていないので、意識さえあれば肉体の主導権はシンが持つ。
対話を終えて目覚めた彼は、ノワールと共に旅を始める。
見聞きする他人の言葉に差異が発生するのは、『伝心』と『多言語習得』によって認識にズレが生じているせい。
◇使用魔法:忍術
自身の魔力に周囲の魔力を取り込み、『気』でイメージを集束、発声により現象を発生させる。範囲が大きくなればなるほど自身の魔力消費も大きくなるため、シンは主に自分や部分的な発生に留め、魔力を節約している。
・火遁:炎を発生させる。
・水遁:水分を操る。水を熱したり、冷やすことができる。シンは主に自分の血流を操り、身体能力向上に使っている。
・木遁:雷を発生させる。自分や鞘に使い、武器の射出に使っていた。
・金遁:金属を操る。操作範囲に限りがあるが、操っている金属に別の金属を触れさせると伝染し、同様に操ることもできる。
・土遁:足音、姿をカモフラージュする。
・空蝉:一定の距離を瞬時に移動できるが魔力消費が大きく、連発できない。
・分身:自分と同じ姿の魔力像を一体発生させる。攻撃能力は無く、術の重ね掛けや発動もできない。あくまで目くらまし。
◇所持スキル
・跳梁跋扈 ※現在は『超越跋扈』に変化
半径1km圏内の魔物を呼び寄せ、自身の軍勢として操る。発動するまでシンは『魔物を呼び寄せるだけ』のスキルと思っており、使うのを拒んでいた。魔王城の門前で初めて使い、バーサク状態となって意識を失う。
・伝心 ※現在は『伝承』に変化
相手に自分の思ったことを伝えられるスキル。修練により、伝えられる範囲を制御可能だが、シンは知らなかったので制御できておらず、無作為に自分の思ったことが伝わってしまう状態になっている。また、肌に触れると相手の深層心理を垣間見ることができる。この『肌に触れると深層心理が繋がる』という条項により、邪神が入っても『肌に触れていない』ため深層心理=魂の根底が完全に融合せず、一人格として弾くことができた。
・多言語習得
複数の言語を習得したことで発現するスキル。あらゆる言語を自分・相手に解りやすいよう自動変換・自動出力する。
・邪神の加護
邪神を身に宿す者のみが発現する。元々、『スキル』というものはこれを生み出すための副産物で、『スキルの神』が世のために他のスキルも放出した現象である。邪神を宿す者が死んだ時、近くの者に魂は憑依すると言われている。
・試練の神の加護
邪神の魂を完全に制御することができる。それ以外の能力は不明。
・勇者
互いに『勇者』スキルを持つ者が集まる。また、集まりきらなくても魔王と戦えるように、身体能力が倍増する。そして、レベル100を突破できる。レベル100を超えると全てのスキルはランクアップするようになっているので、魔族との戦いには重要になる。
・その他、不明
◆マリア・ストラスフィールド 年齢:16→21 レベル:不明
剛力の勇者。生まれた時から『勇者』スキルを持っており、貴族に引き取られたので姓がある。金髪に白銀の鎧をまとった美女だが、胸が小さいのを気にしている。シンがこの世界に来てから散々ボコボコにしたせいで、彼からは心中『ゴリラのマリア=ゴリア』と呼ばれていることもある。
幼少から『勇者』と呼ばれ期待をかけられていたこともあり、自身には『勇者』以外で何も無いのだと怯えていた。このため、事あるごとに功績を主張する悪癖を持っていたが、シンと触れ合ったことで彼に深層心理を悟られ友人となり、悪癖も消えた。ちなみに、前述の自慢とも思える行動と『勇者』という肩書のせいで、生まれてから真の友人と呼べる人物は一人もいなかった。
両目が蒼い色だったが、シンとの決闘で、片目が常に防御障壁を展開する『碧の魔眼』と変質している。余談だが、この世界では回復魔法や支援魔法など、光を司るものは白や緑がかって見える。
戦闘は光魔法を展開し、防御しながらパワーで押すスタイル。白銀の鎧は、魔法の輝きを敵から見えずらくさせるため。
◇所持スキル
・勇者
前述と同じ
・破壊者
マリアがゴリラたる由縁。所持者の力を2倍にする。
・その他、不明
◆クロエ 年齢:20→23 レベル:不明
聖女の勇者。眼鏡を掛けた元ギルド職員。優しい物腰と回復魔法、美貌とスタイルで、ギルド内外の男性ファンから『聖女』と呼ばれていた。スキル『聖女』の素養を持っており、冒険者の助けになればと、密かに回復魔法の練習に励んでいた。元より努力家だった彼女の修練は異常であり、魔法をひたすら練習し、力尽きたら自身を回復し、さらに練習、魔力が尽きたら回復薬を飲み、さらに練習し、と昼夜問わず繰り返していた。ほぼ眠っていなかったが、受付に立つ際は自身を回復して笑っていた。彼女の髪が緑がかっているのは、回復魔法の発動痕が色素に定着してしまったからである。『聖女』の素養は、無理矢理こじ開けられたと言っても過言ではない。なお、当初は「私」と自身を呼称していたが、ルーシーに張り合って「ワタクシ」と名乗っているうち、引き際を無くしてこちらも定着してしまった。
戦闘時は後方に下がり、回復と支援を行う。
◇所持スキル
・聖女
魔力が2倍になり、蘇生と肉体再生が行えるようになる。
・勇者
前述と同じ
・その他、不明
◆ルーシー 年齢:21→24 レベル:不明 冒険者ランク:C→A
魔法の勇者。帽子を被り、ローブがはち切れんばかり、クロエを超える肉体を持つ褐色の美女。魔性の女に見えるが、14人家族を支えようとする家族想いの女性。収入とシンの仇討ちのため勇者パーティに入るが、婚期を逃す危機感に襲われている。
戦闘時はクロエと同じく後方に下がり、強力な魔法を放つ。
◇所持スキル
・勇者
前述と同じ
・その他、不明
◆リアム 年齢:25→28 レベル:不明
剣技の勇者。甲冑に身を包んだ巨漢。ルーシーの兄で、8人兄弟の長兄である。生まれ持った武の才能があり、とある道場にて師範にまで上りつめていたが、生来の放浪癖が顔を出し、ふいに旅に出た。ルーシーを危険から守るためとは本人の弁だが、彼女が冒険者になったのは、彼が出奔した後である。体躯による飲み食いのせいで、常に困窮しているように見える。
戦闘時は前線に出て、剣技による封殺と盾役を担う。
◇所持スキル
・剣技
剣術の最高峰。当初は鉄剣がもたないと、使うのを嫌がっていた。
・勇者
前述と同じ
・その他、不明
◆ノワール・ノルン 年齢:15→17 レベル:不明
暗黒騎士の勇者。姓を持つことから、貴族の家柄であることが覗える。大きな目に縦長の瞳、跳ねた銀髪に小さな身体と、出会った人に猫のような印象を持たせる。緊張しやすく、すぐ口調がたどたどしくなってしまう。闇魔法の使い手として、光魔法を使うマリアと旅を続けていたが、魔族との激戦で行方不明となる。その後は魔王に発見され、幹部として密かに護られていた。
彼女の鎧が黒いのは、マリアとは逆の黒い魔法痕を隠すためである。
試練の神によりシンと合流し、二人旅を始めることになる。
◇使用魔法:闇魔法
・ダークウォーター
黒い霧で視界を悪くする。この霧は魔法なので、夜目の利く相手にも効果がある。術者の視界には影響しない。
◇所持スキル
・勇者
前述と同じ
・その他、不明
◆魔王 年齢:不明(外見は20歳前後) レベル:5000
『試練の神』に創り出された現魔王。女性。他の者とは違い、『同種のみ殺せる』カルマを背負っている。根は優しく、あまり自ら暴力を振るいたがらないが、レベルがレベルのため、指一本、風圧だけでも並の生物には致命傷になる。いざ戦闘になると気怠そうに振る舞うが、これは上記の通り本気になれないのと、魔族領での仲裁や暗殺、つまり『戦い』というものに飽きて、心底うんざりしているからである。
◆魔族
『種族の神』が種族同士の戦争を憂い、共通の敵として生み出した存在。一人一人が同レベルの他種族と一線を画すスペックを誇る。敵として生み出されたものの、神々からは一種族として尊重されているので、一部は寵愛や他種族との親交を許されている。先代の魔王だった『試練の神』の頃から、表立った戦争も起こしていない。
◆邪神
もう一人のシン。古くから存在していたが、あることにより肉体を失い、生物の身体を渡り歩いている。融合を繰り返したせいで自分と他人の区別が曖昧。そのため自身も相手も「己」と呼称する。『個』として最強の存在である、魔王の肉体を狙う。
取り憑いていた『スメラギ』の身体が病に侵され、老い先短い状態となった後でシンと出会い、彼の師となり育てていた。実際には彼の持つ『伝心』目当てで、彼の身体を乗っ取ろうと考えていたが、死ぬ間際に最終目的である魔王が現れたことに歓喜する。しかし、魔王には『純潔』を持っていたことで弾かれ、当初の目的であったシンに取り憑く。が、彼の『伝心』によって魂の定着が不安定となり、自分をシンだと思い込んだまま勇者と合流、旅をすることになる。
試練の神と話すうちに魂が定着し、自身を思い出すが、即座に意識を取り戻したシンに封印され、彼の中で別人格として眠っている。
◆試練の神
元は魔王。元は人間。転移経験者にして憑依経験者、波乱の人生を送った男神。世界に『業』をばら撒き、邪神を見つけようとしていた。
自身を『悪人』と称しているが、それは今までの行い全てを後悔しているから。また、自分の言葉が『真実』でありながら、『真意』を悟られないよう二転・三転させることへの後ろめたさを表している。
◆スキルの神
元は人間であり、試練の神の師匠だった。幼さの残る風貌の女神で、天然ボケのきらいがある。基本的に、この世界の人全てを信じており、皆に優しく接し、皆からも『スキル』含めて信仰されている。神々の中でも嫌われている『邪神』の魂を、唯一『加護』として扱っているのも彼女のみである。
なお、スキルは一人につき先天的に一つは付与している。その後、修練などで後天的に増やすことが可能。