22輪
「死ぬのはテメェだ」
ザンッ!!
阿比王が女の腕を斬った
『あ゛ぁぁ゛あ゛ぁぁぁ゛』
「広野江ッ!!」
「大丈夫か!?」
「怪我とかありませんか!?」
阿比王に続いて、瀧月君、亜矢椿先輩、美咲さんが入ってきた
「皆……どうして……」
「阿比王が突然『あの馬鹿ッ!!』って言って走り出していったから」
阿比王が走り出して、迷うことなくここに来た。それは、阿比王がここを熟知している証
「ンの馬鹿野郎ッ!!起きたなら起きたで大人しくしてろ!!」
「それは!ごめん!でも、気づいたら夜で、何にもしてなくて!」
「イヤ?それは半分瀧月のせいだろ?」
「薪割りで割った薪が綺麗に広野江君に当たって気絶したので……」
「頭痛くなかったか?」
うわぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ~//////
薪割りの薪が頭に当たるとか何処のマンガの世界だよ!!////
恥ずかしくて羞恥で死ねる/////
『あぁ゛……なぜ……邪魔を゛する……わ゛たし達の……アイヅの……』
女はそう言うとさらに醜く姿をかえた
「ンだよコイツ!」
「悪霊だな。しかも厄介なことに、この場所を霊界にして支配するつもりだ」
本来ここにあった、あの穏やかな気持ちになる場所の雰囲気さえ、消えそうだ
「瀧月!戦うぞ!莉緒!広野江を守れ!」
「「はい!」」
「えっ、守られるの!?」
おぞましく醜い女の悪霊。阿比王に斬られたハズの腕は元に戻り、その腕を僕らに向かって振りおろしてくる
「禁!!」
「縛!!」
美咲さんが悪霊の攻撃を防ぎ、防いだ瞬間に亜矢椿先輩が悪霊を縛魔の五芒で捕らえた
「ナウマクサンマンダ バザラダン センダマカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン!」
瀧月君が真言を唱えて悪霊を攻撃する
「悪鬼調伏!」
「万馬拱服、急々如律令!!」
瀧月君と亜矢椿先輩の両方の攻撃を喰らった悪霊は、段々と姿を消していく
調伏された……のか?
「消えた……んだよな?」
「さぁな」
阿比王は曖昧にしか言わなかった
「ねぇ、阿比王」
「あ?」
「1つ聞かせて、さっきの悪霊」
あの悪霊に襲われていた時、あの悪霊が放った言葉
『さぁ、死ぬがよい゛。゛陽日鎖 ゛の家に来たごど、後悔ずるがよい』
「何でおじいちゃんの名前……」
「………」
「阿比王ッ!!」
知りたいダケなんだ
あの悪霊の時だけじゃない、あの女郎蜘蛛の時だって……
「答えてよ!阿比「とりあえず、腹へったから飯作れ」
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とにもかくにも、亜矢椿先輩と美咲さんが作ってくれた夕飯を食べることにした
亜矢椿先輩と美咲さんが作った和食はとても美味しかった
「味濃いな……魚はもっと焼いとけよ、後、おひたしも微妙だな」
1人小姑の如く、文句を言いながらも食べてる人(妖?)もいるが……




