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14輪

「測定不能ってどう言うことだよ」


沈黙がおりる


普通にあり得ないことだ。だって測定不能なんて可笑しい……


そして、もう1つの本を恐る恐ると開いた。


そして祖父は直ぐに見つかった


歴代神陰学園の陰陽師達を圧倒的な差で追い越した様に祖父の名前が一番上に書かれていた。


「マジかよ……」


「広野江君は何も知らなかったの?」


「うん……僕自身、祖父に直接会ったのは壊れた僕を連れ出したあの時ダケだったから……」


「そうか」



……………間。



「「えっ?」」


「はっ?」


皆が一斉に僕を見る


「えっ!?何か僕、可笑しなこと言った?」


「言っただろッ!?」


「連れ去られた時に初めて会ったなら、何故その人が祖父だとわかった!!?」


「そうだよ!普通は不審者だと思うよね!?」


「あぁ~……」


言える訳がない。


祖父と会ったあの日、祖父が僕の家に来たあの日、両親がその人に向かって言った言葉だけの、何もソコに意味などこもっていない『お父さん』と言う言葉を放ったこと……


ぼんやりとだが聞こえていた……


だから、真っ暗な扉が開いて、(例え電気によって顔が見えなくても)着物を着た人が立っていたから、その人が僕の祖父だとわかった


まぁ、意識も朦朧としていたから着物だけで祖父と判断した僕の脳もある意味ではヤバかったのかもしれない……


彼らの言う通り、もし不審者だったらどうしたのだろう?


イヤ、当時の僕にとったら、『そんなこと』さえどうだって良かったのだろう


だってあの時の僕は人形だったから……




「でも、よかった……」


「えっ?」


美咲さんが突如言った言葉にビックリした


「だよな、もし、その人が広野江のじぃーさんじゃなかったら、こうして広野江とも出会ってないしな」


「お前の祖父には感謝半分と常識を持てと説教したい気持ち半分だな」








あぁ……


   あたたかい……



「オイッ!?広野江!?」


「どうしたんだ!?」


言われてから気づいた


僕の目から涙が出ていることに……


「私達、なにかしま「…りが……と」えっ?」


「あ……り…が………とう」





ありがとう……


 僕に優しくしてくれて


この温かな気持ちが心地よくて、僕は彼らに出会えたこの運命にさえ、喜びを感じ、噛みしめていた




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