第119話 迷宮の恵みと、大地に響く歓喜の詩
第119話 迷宮の恵みと、大地に響く歓喜の詩
辺境の街アシュタルの東、小高い丘に広がる特級クラン『絆紋亭』の拠点であり、『絆紋公国』の中心地であるこの場所は、極北の絶望的な脅威が去り、世界が平和の祝祭に沸く中においても、いつもと変わらぬ穏やかで調和に満ちた朝を迎えていた。
庭の中央にそびえ立つ巨大な精霊樹は、深淵の虚無を完全に浄化した光をたっぷりと吸収し、一つの大森林と見紛うほどの神樹へと成長を遂げている。その豊かに茂ったエメラルドグリーンの枝葉が朝の心地よい風に揺れるたび、チリン、チリンと微かな鈴の音のような魔力の波紋が広がり、拠点全体を極上の癒やしのオーラで包み込んでいた。
「ウォンッ!」
「キュイッ!」
「きゅるるーっ!」
澄み切った青空の下、縁側で朝の空気を胸いっぱいに吸い込んでいる俺の足元へ、一番最初に俺の固有スキルである『絆紋』を受け入れ、共に歩み始めた最古参の相棒たち――銀色のウルフ『フェル』、純白のポーションラビット『ピコ』、そして空色小竜の『ソラ』が競い合うように飛び込んできた。
彼らの後に続くように、水豹のリン、幻宝石獣のキラ、白銀の幼熊ブラン、空間転移を操る銀狐のギン、鋼棘の鎧獣マル、疾風の隼ゲイル、影猫のシャロ、水妖の獺ミロ、風精のリスのルル、土精の土竜ドロ、星翼の梟ステラ、幻影の蝶ファル、雲羊のモフ、木精の栗鼠コノ、鎌鼬のタマ、鋼殻の戦亀カメ、雷雲の幼鳥ライたちが一斉に集まってくる。
さらに極北の遠征や各地の迷宮で家族となった数え切れないほどの魔物たち。氷牙の白虎ビャク、吹雪の妖精ユキ、霜結びの蜘蛛シモ、オーロラの精霊アウラ、氷晶の鹿ルカ、雪豹のマシロ、水晶の亀クリス、幻影の蝙蝠バット、白炎の狐ホムラ、浄水のスライムのスイ、鏡面の梟ミル、幻晶の穿山甲リン、虹光の蝶プリ、重力エイのフワ、影豹のクロ、磁力甲虫のジキ。
次元を司る星天の神狼シリウスや、時空の鯨クジラ、次元の螳螂カマ、星喰いのバク、星の精霊であるルミ、コア、ジュジュ。虚無の暴食者から浄化され生まれ変わった虚空の精霊ゼロ、時空猫のチク、星屑の幼竜アストラ。
そして日課の救済活動で新たに仲間となった琥珀の狐コハク、翠玉の螳螂ジェイド、紫水晶の蝶アメ、鋼角の猛牛バフォ、晶翼の蜻蛉トン、地揺らしの穴熊アナ、癒水の精霊シズク、土塊の猪ブブ、豊穣の案山子ワラ、蜜の妖精蜂ハチたちも、わらわらと俺の周囲に集まり、心地よさそうに喉を鳴らしている。
「おはよう、みんな。今日もいい天気だな」
俺が彼らの頭を順番に優しく撫でると、魔物たちは心底嬉しそうに目を細め、尻尾を振って応えた。庭の奥では、漆黒の竜ノヴァや紅蓮の火蜥蜴ガエン、鋼角の犀ザイン、岩砕の巨獣ダグ、砂塵の魔蠍ゼットといった大型組も、朝の日差しを浴びて気持ちよさそうに背伸びをしている。平和な空気が、この庭には満ち溢れていた。
「レイン様、朝食の準備が整いましたよ!」
厨房から、見習い魔導士のエリスと元宮廷料理人のセシルが、賑やかな声を上げた。
ダイニングルームの巨大なテーブルには、特製の魔力小麦で作った『焼きたてのハチミツと胡桃のパン』に、農学者セリーヌが育てた新鮮な根菜を使った『ゴロゴロ野菜のポトフ』、そして砂漠の巫女ナディアが持参したスパイスで味付けされた『極上オーク肉の厚切りベーコンエッグ』が並べられている。
「ガハハ! 今日も飯が美味いねぇ! 連日小隊を分けて世界中のダンジョンを間引きして回ってるから、朝からガッツリ食わないと力が出ないよ!」
女戦士のアイラが、厚切りベーコンを豪快に頬張りながら大笑いする。
「ええ。ですが、私たちの活動のおかげで、世界中の通常ダンジョンの生態系が保たれ、そこから得られる資源が人々の生活を豊かにしているのは事実ですわ。今日も気を引き締めていきましょう」
少女魔導士のルウも、優雅にポトフを飲みながら微笑んだ。
「平和の裏で魔物の過剰発生に怯える人々を放置するわけにはいきません。我が剣は、いつでも道を切り拓く準備ができています」
剣聖シルヴィアが静かに紅茶のカップを置き、凛とした視線を向けた。
幸福の報告と、新たなる開拓の進捗
朝食を終えた俺たちが執務室へ向かうと、そこには特級密偵のシオンと首席文官のエレナ、そしてアシュタル辺境国のアルベルト国王が、山積みの資料を前にしながらも、どこか嬉しそうな表情で語り合っていた。
「レイン様、おはようございます。本日はまず、各地の代官や領主たちから届いている『定期報告』からお耳に入れたいと思います」
エレナが眼鏡を押し上げ、分厚い束の中から数枚の羊皮紙を取り出した。
「結論から申し上げますと……我が絆紋公国およびアシュタル辺境国の傘下に入った全ての地域において、犯罪発生率は事実上のゼロ。飢餓や貧困も完全に根絶され、農作物の収穫量は過去最高を記録し続けています」
「おお、それは素晴らしいな。ブブやワラ、ハチたちの力も大きいんだろうな」
俺が感心して頷くと、エレナは微笑んで頷き返した。
「はい。テオ代官とエリス自警団長が治める農村地帯では、魔物たちの協力によって痩せた土地が見事に蘇り、近隣の小国へ無償で食糧支援を行えるほどに潤っています。テオ代官からの手紙には、『領民たちが毎日、お腹いっぱいご飯を食べられる幸せに涙して感謝しています。レイン様と魔物たちのおかげです』と、熱烈な感謝の言葉が綴られていました」
さらにシオンが進み出て、別の報告書を読み上げる。
「旧ゼノア領を治める若き子爵レオナルド様と、ノア様、ミレイユ様からも報告が届いています。彼らの領地でも、ダンジョンから溢れる魔物の脅威が去ったことで、安心して商売や農業ができるようになり、町はかつてないほどの活気に満ちているとのこと。領民たちは夜、怯えることなく眠りにつけることに、毎日のように祝杯を上げているそうです」
「ボルグ王やフローラ女伯爵、セドリック男爵たちが赴任した新しい開拓都市も、凄まじいスピードで発展しています。建築士テオや、アース・ベアのダイチ、フラワー・ピクシーのフローラたちの尽力により、自然と完全に調和した美しい街並みが完成しつつあります。世界中から移住してきた難民たちも、ようやく安住の地を見つけ、誰もが笑顔で暮らしています」
アルベルト国王が、深く感動したように息を吐いた。
「レイン殿……。私は長年、辺境伯としてこの地を治めてきたが、これほどまでに民が心から笑い、幸福を謳歌する時代が来るとは想像もしていなかった。これも全て、君の『絆紋』がもたらした調和の力と、決して驕ることなく日々の救済と間引きを続ける君たちの行動力のおかげだ」
「俺一人の力じゃないですよ。ここにいる仲間たちと、力を貸してくれる魔物たち、そして民のために汗を流してくれる善良な代官たちがいるからこそです」
俺が微笑むと、執務室に温かい空気が流れた。
「……ですが、レイン様。その平和を維持するためには、通常ダンジョンの管理という果てしない日課を続けなければなりません」
エレナが再び表情を引き締め、地図の一点を指差した。
「冒険者ギルドのバルカン様からの情報です。南西の山岳地帯に位置する『残響の晶洞』と呼ばれる通常ダンジョンにて、魔物の過剰発生が確認されました。ここは極めて純度の高い『響鳴石』が採掘できる有用なダンジョンなのですが、現在、魔物の大群によって完全に封鎖されています」
「響鳴石か。建築や魔導具の素材として重宝するやつだな。魔物が溢れ出す前に間引いておかないと」
「はい。すでにクロードやガレスたちの小隊は別のダンジョンへ派遣されており、手が空いていません。さらに、ギルドの調査によれば、このダンジョンの奥深くに、一攫千金を狙って潜ったまま帰還していないドワーフの鉱夫と人間の見習いがいるとのことです」
「逃げ遅れた民間人がいるのか。それは急がないとまずいな」
俺は即座に剣を手に取った。
「アイラ、ルウ、シルヴィア。今日もひと仕事行くぞ。ギンの空間転移で一気に南西の山岳地帯へ飛ぶ!」
「ガハハ! 任せな! 岩山だろうと水晶だろうと、アタシの斧で道をこじ開けてやるよ!」
「ええ。救出と間引き、迅速に終わらせましょう」
残響の晶洞と、間引きの進軍
銀狐のギンの力で空間を跳躍し、俺たちは南西の山岳地帯の中腹にぽっかりと口を開ける『残響の晶洞』の入り口へと降り立った。
洞窟の内部は、音を反射し増幅する特殊な水晶で覆われており、少し足音を立てるだけでも、奥から重低音の反響が返ってくる不気味な空間だった。
「音に反応する魔物が多いはずだ。慎重に進むぞ」
俺の足元では、フェル、ピコ、ソラが音を立てずに警戒を強めている。
ダンジョンへ足を踏み入れると、さっそく壁の水晶に擬態していた『エコー・リザード』や、天井から音波攻撃を仕掛けてくる『クリスタル・バット』の群れが襲い掛かってきた。
「キシャァァァァッ!!」
「ピキィィィィッ!!」
彼らは魔王の瘴気を持たない純粋な魔物だが、自然の魔力溜まりの活性化によって数が異常に増えすぎ、生存本能から凶暴化してしまっている。生態系を正常に戻すためにも、心を鬼にして数を減らさなければならない。
「フェル! 雷光で麻痺させろ!」
「ウォォォンッ!!」
フェルが音もなく地を蹴り、神速の雷光となってエコー・リザードの群れの中を駆け抜ける。雷の魔力で動きを止められた魔物たちに、アイラとシルヴィアが容赦なく斬り込む。
「邪魔だよッ!『旋風大車輪』!!」
「『神速・絶空の剣』」
アイラの戦斧とシルヴィアの剣閃が、過剰発生した魔物たちを瞬く間に光の粒子(魔石)へと変えていく。
「上空の蝙蝠は私に任せなさい!『インフェルノ・バースト』!!」
ルウの放つ炎が、天井に群がるクリスタル・バットたちを一掃する。
「きゅるるーっ!!」
ソラが神聖なブレスを放ち、魔物たちが残した過剰な魔力溜まりを浄化して、ダンジョンの環境を安定させていく。
間引きを行いながら下層へと進む俺たち。道中、採掘可能な響鳴石の鉱脈を見つけると、後で開拓部隊が安全に回収できるようにマーキングを施していく。
やがて、ダンジョンの深層に位置する巨大な水晶の空洞へと辿り着いた時、奥の方から激しい打撃音と、切羽詰まった声が響いてきた。
「くそっ、キリがねぇ! ミーナ、俺の背中から離れるなよ!」
「ボラン親方、もう魔力シールドが持ちません!」
声のする方へ駆けつけると、そこには巨大なハンマーを振り回すドワーフの男性と、彼を魔力シールドで守りながら必死に杖を構える人間の少女の姿があった。
彼らを取り囲んでいるのは、数十匹の『変異ハード・ゴーレム』。通常ダンジョンでありながら、あまりにも高い魔力濃度のせいで、ゴーレムたちが異常な硬度へと変質してしまっているのだ。
だが、俺の目を引いたのは、そのドワーフと少女の周囲で、彼らを庇うようにして必死に戦っている四匹の小さな魔物の姿だった。
絶体絶命の危機と、小さな守護者たち
一匹は、透き通るような美しい甲羅を持ち、ゴーレムの打撃を受けるたびに美しい音色を響かせて衝撃を吸収・反射している亀――『響石の亀』。
もう一匹は、空中にふわりと浮かび、柔らかな光を放ちながら、ドワーフたちに癒やしの魔力を送り続けている水晶の海月――『浮遊晶の海月』。
さらに、金剛石のように輝く鋭い爪を持ち、ゴーレムの足元を掘り崩して動きを封じている穴熊――『金剛の穴熊』。
最後の一匹は、白銀に輝くミスリルで構成された小さな機兵。自らの体を盾にして、少女に迫る攻撃を弾き返している――『白銀の機兵』だ。
「ガキンッ!!」
ハード・ゴーレムの巨大な拳が白銀の機兵を弾き飛ばし、響石の亀の甲羅にヒビが入る。
「キュゥ……ッ!」
「ピピピッ……!」
四匹の魔物たちは、明らかにこの過剰発生したゴーレムたちによって住処を追われ、たまたま逃げ込んできたドワーフたちと協力して、必死に生き残ろうと抗っている純粋な魔物だった。
「もう限界だ……! 俺たちの欲深さのせいで、こんな優しい魔物たちまで巻き込んじまった……!」
ドワーフの親方ボランが、絶望に顔を歪める。
「させない! フェル、ピコ、ソラ!」
「ウォォォンッ!!」「キュイッ!!」「きゅるるーっ!!」
俺の号令と共に、絆紋の光を纏った魔物たちがハード・ゴーレムの群れへと雪崩れ込んだ。
フェルの『天雷の咆哮』がゴーレムたちの巨体を痺れさせ、ピコの『ホーリー・ムーン・キック』がその異常な硬度の装甲をいとも簡単に粉砕する。ソラが神聖なブレスを放ち、空洞内の過剰な魔力を完全に中和した。
「これで、終わりだ!!」
俺は右手の甲の『絆紋』の光を長剣に限界まで纏わせ、一閃する。
ズバァァァンッ!!
翠色の極限の浄化の光が波紋のように広がり、過剰発生していたハード・ゴーレムの群れは、一瞬にして光の粒子(大量の魔石)となってダンジョンのマナへと還元された。
迷宮からの生還と、新たなる家族
戦闘が終了し、静寂が戻った水晶の空洞。
ドワーフのボランと少女ミーナは、突然現れた俺たちの圧倒的な力に腰を抜かし、へたり込んでいた。
「た、助かったのか……?」
「あ、あの……あなた方は……?」
「怪我はないか? ギルドマスターの依頼で、ダンジョンの間引きと君たちの救出に来たんだ」
俺が剣を収めながら声をかけると、二人は涙を流して深く頭を下げた。
「あ、ありがとうございます……! 俺はドワーフの探鉱者ボラン。こっちは見習いのミーナだ。響鳴石の魅力に取り憑かれて、ギルドの警告を無視して深入りしちまった……馬鹿な真似をした」
「ボラン親方だけじゃありません。私も、止められなかったから……」
「無事で何よりだ。猛省して、これからは安全第一で頼むぞ」
俺が苦笑しながら言うと、俺の足元で、傷ついた四匹の魔物たちが身を寄せ合って震えているのが見えた。
俺はゆっくりとしゃがみ込み、右手の甲の『絆紋』の光を灯して、そっと彼らの体に手をかざした。
翠色の温かな波紋が、四匹の魔物の傷ついた体を優しく包み込む。
『万物の調和と極限浄化』の力が、彼らのヒビ割れた甲羅や金属の傷を瞬時に修復し、枯渇していた魔力を満たしていく。
(……あたたかい光。この音、とても心地よい響き……)
響石の亀から、風鈴のような涼やかで美しい思念が伝わってくる。
「ああ。俺はレイン。お前たち、見ず知らずの人間を庇って、最後まで戦い抜いたんだな。すごい勇気だ」
俺が微笑みながら亀の甲羅を撫でると、亀は安堵したように目を細めた。浮遊晶の海月もふわりと俺の頬にすり寄り、金剛の穴熊は誇らしげに胸を張り、白銀の機兵は「ピポッ」と電子音のような鳴き声で敬礼のポーズをとった。
「ウォンッ♪」「キュイッ♪」
フェルやピコたちも近寄り、新しい家族を歓迎する。
「俺たちは、外の世界で新しい街や安全な場所をたくさん作っているんだ。もしよかったら、俺たちの家族にならないか? お前たちの音や癒やし、そして鉱石を操る力は、街づくりにすごく役立つはずだ」
俺の誘いに、四匹の魔物は嬉しそうに大きく頷き、俺の周囲を囲むように身を寄せた。
「よし。亀のお前は『オト』だ。海月は『クラ』。穴熊は『ダイヤ』。そして機兵は『ギル』だ。今日からよろしくな、みんな!」
「キゥゥッ♪」
「ポワァッ♪」
「グルルッ♪」
「ピポッ♪」
新たな家族オト、クラ、ダイヤ、ギルを迎え入れた瞬間だった。
「あ、あのっ……! レイン公王様!」
ドワーフのボランが、決意に満ちた顔で立ち上がった。
「俺たち、この子たちに命を救われました。それに、あんたのその魔物たちに対する深い慈愛……噂には聞いていたが、本物だ。もしよかったら、俺たちもアシュタルで働かせてくれませんか!? 鉱脈の探査や、響鳴石を使った魔導具の加工なら、誰にも負けません!」
「私も! 見習いですが、精一杯お手伝いします!」
ミーナも力強く頭を下げる。
「もちろんだ。アシュタルの魔導技師クロムや、建築士のテオ、バランたちが、君たちの腕を必要としている。一緒に、世界一豊かな街を作ろう」
俺が手を差し伸べると、ボランとミーナは歓喜の涙を流してその手を握り返した。
こうして、腕利きのドワーフ探鉱者ボランと、見習いのミーナという優秀な人材が、新たな人間の仲間として陣営に加わったのである。
日課の終わりと、笑顔の帰還
残響の晶洞の間引きと資源回収を完璧に完了させ、俺たちは拠点へと帰還した。
領主の館の中庭では、今日もまた、各地のダンジョンから無事に帰還した小隊たちと、新しく加わった仲間たちを歓迎する温かい夕食の席が設けられていた。
ボランとミーナは、さっそくクロムやテオたちと鉱石の加工技術について熱く語り合い、大いに盛り上がっている。
そして魔物たちも、響石の亀オトが美しい音色を奏で、浮遊晶の海月クラが幻想的な光で中庭を照らし、金剛の穴熊ダイヤがダグやドロたちと力比べをし、白銀の機兵ギルがマキナと一緒に規則正しい動きでダンスを踊って、皆を楽しませていた。
「また大家族になっちまったねぇ! 賑やかで最高だよ!」
アイラがワインを一気飲みして笑う。
「ええ。私たちの救済の旅は、決して無駄にはなっていませんわ」
ルウが、オトの奏でる音色に耳を傾けながら優しく微笑んだ。
「ウォンッ!」「キュイッ!」「きゅるるーっ!」
フェル、ピコ、ソラが俺の膝の上に飛び乗り、顔をすり寄せてくる。
彼らの温もりを感じながら、俺は満天の星空を見上げた。
世界中の通常ダンジョンの沈静化は、決して終わることのない日課かもしれない。だが、その過程で救われた命があり、新たに結ばれた絆がある。
民の幸福を願い、魔物たちと心を通わせる。絆紋公国が紡ぐ調和の輪は、これからも果てしなく広がり続け、この世界をどこまでも優しく、そして豊かな場所へと変えていくのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 【安全第一】死に戻り商人の異世界スローライフ~万能魔法と『リトライ』を駆使して完璧な物流網とインフラを整備し、のんびり隠居を目指します~
https://ncode.syosetu.com/n1368mp/




