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#89 呼び出し

 ボロゴーヴに瞬間的な魔法代償集中を感じる。

 この瞬間的なやつは『戦技』だろうな。

 だが俺は弓を捨て手斧を抜きながらダッシュで近づく。

 槍使いは矢を防ぐ回転の『戦技』を使うことがあると、ラビツが教えてくれた。

 防御から攻撃へ移る前に一瞬生まれるかもしれない隙に賭けて。


 案の定、槍で防いだ矢が燃えて……それでも思ったよりも慌てないのはさすが。

 手斧で攻撃するにはまだ距離があるが、向こうの足は止まっている、そこへ『魔法転移』で『発火』強めで。

 今度のは威力多めでボロゴーヴもようやく動揺してくれて、俺は彼の首筋に手斧の刃を当てることができた。


「降参だ」


 大隊長タールの方を見る。

 烏の先祖返り顔は表情が読みづらい。

 『魔法偽装』の逆で、ダミーの魔法代償を通常の魔法代償と同時に集中し、消費のタイミングで消去した。

 これで魔法の出力と消費魔法代償量との釣り合いは取れているはずだけど……うまく誤魔化せただろうか。


「次! ジャブジャブ対メリアン!」


 挑戦試合は次の対戦へと移る。

 ジャブジャブは二班班長の鳥種(ホルスッ)

 全体的に細身で、武器も細長い曲刀だ。

 見た感じ、どことなくチャラさを感じる。


 メリアンは両手にいつもの円盾を取り付け、拳にはスパイク付きのプレートナックル。

 開始早々駆け出したメリアンに対しジャブジャブが盾の隙間から鋭い突きを入れたが、メリアンは絶妙に身を引いてかわし、しかも盾の縁とスパイク付きナックルであっという間に曲刀を挟んで砕いた。

 その勢いでジャブジャブの懐に踏み込み、スパイクナックルを顔面寸止め。

 あっという間に相手の降参をもぎ取った。


「次! ラース対マドハト!」


 ラースは三班班長の爬虫種(セベクッ)

 髪の毛は緑色だが、頭頂部はハゲている。

 温和そうな表情の割に、全身を覆う金属鎧にも、大きな円盾にも、金属製の戦槌にも、凶悪そうなスパイク付き。

 盾も戦槌もメリアンが持つ小剣のように普通の人が持つのより大きめサイズだが、その巨躯からはむしろ小さく見えるほど。

 体の小さめなマドハトとの体格差がエグい。

 対するマドハトは、短剣が一本……俺の予備のをあげたやつ。


 だが、開始早々しゃがんだマドハトに警戒して足を止めた瞬間、ラースの足元に大きな『大笑いのぬかるみ』が発動。

 ツルツル滑ってその場から移動できないでいるそこへマドハトが上手に小袋を投げる……油がラースの体にぶちまけられた。

 あれはナイトさんからもらった美味しい食用油なのだが、こんなこともあろうかと用意させておいて良かった。


「降参だ!」


 俺の『発火』を目の当たりにしていたからか、油だと気づいてからの降参が早かった。

 実際の挑戦試合の時間はメリアンとほとんど変わらないんじゃないだろうか。


「次! トーヴ対ファウン!」


 四班班長のトーヴは熊種(アルティオッ)

 ラースに負けじ劣らじの巨体の半分以上を隠せる扉並みの大方盾を構え、奇妙な武器を持っている。

 ……えっと何だっけかな。あれ、元の世界で何かのゲームで見たことあるな……円盾の両側に動物のねじれた角を取り付けたみたいな……確かマドゥだったかな、名前。

 インドの武器だったってのは覚えているんだけどな……こちらでもインドっぽい地域があるのか、それとも元の世界のインドから転生した人が居るのか、単なる偶然か。


 トーヴはその体の大きさの割りにかなり素早い。

 防御は盾をメインにしており、鎧は動きやすそうな軽量の革鎧のみ。

 マドゥは突いたり薙ぎ払ったり、トーヴは器用に扱っているが、ファウンは二本の短剣で上手にさばく。

 それも無駄のない動きで。

 ただ、全然攻撃をしない。延々と避け続けるだけ。

 初めは面白がっていた観客の傭兵たちも、次第に飽き始めてきたのか倒せ倒せと野次を飛ばし始める。

 そんな中でずっと平然と避け続けるだけのファウンは相当な神経をしているんだろうな。


 誰も止めないので戦闘は延々と続く。

 どのくらい時間が経っただろうか、トーヴの攻撃がだんだん粗くなり始める。

 ファウンは相変わらず……いや、鼻歌を歌っている。

 いまや誰も野次を飛ばさずずっと二人を見守っている。

 ファウンはただ単に避けるだけじゃなく、襲いかかる武器を上手に受け流すことで自分があまり動かずに済むようにしている……しかもそれをずっと続けている。

 おそらく寿命の渦から相手の動きを予測している……にしてもそれをこれだけの時間ずっと続けられる集中力はすごい。

 今は味方のポジションで居てくれるけど、油断しない方が良いだろう。


 それからさらに時間をかけ、半ホーラどころか一ホーラ近くかわし続けた所で、トーヴが根負けして降参した。

 その四戦が終わったところで拍手が起こる。

 この世界(ホルトゥス)でも拍手は称賛の意味を持つ。


「お前らこれからギルフォド自警団を名乗れよ!」


 誰かが叫ぶと、拍手がより一層大きくなった。

 どうやら俺は……俺たちは、なんとか乗り切れたようだ。


 その後は、他班の入れ替え戦を見学する。

 しかし、俺が戦い始めるまでは明るかったパリオロムがやけにおとなしい。


「どうした? 便所のそばが名残惜しいのか?」


 メリアンが冗談を言っても反応が鈍い。

 結局理由はわからないまま、予定されていた挑戦試合が全て終了した。




 俺たちは一班へと昇格し、元々の一班から四班は、二班から五班へと降格になった。

 班長同士が望めば、班長だけ挿げ替えという選択もできるようだが、俺は五班全員で一班と入れ替わることを望んだ……そう。俺が班長になった。

 てっきりメリアンがなるものだとばかり思っていたが、大隊長タールの指示で一班の班長と戦ったのが俺だったために、俺が班長ということになったのだ。

 俺なんかに務まるのだろうか……不安は多いが、とりあえず今は糞尿臭から遠い場所で食事や睡眠が取れるようになることを素直に喜ぼう。


 挑戦試合の後は続けて走り込み。

 その後、木槍を使った模擬戦。

 普段使っていない武器と、自分の普段の近接武器とを交互に用いて模擬戦をすると、両方の武器に対する理解が深まり、武器の長所短所を知るだけじゃなく、相手の武器を奪って戦うときにも役に立つとのこと。

 かなり実践的な訓練だ。

 戦闘の経験値が低い俺にとってはありがたい……元の世界では体育の授業で柔道とか習ったのを面倒がって軽く流していたのを今更後悔する。




 訓練は昼過ぎまで続き、それから遅めの昼食。

 今日は部屋の入れ替えがあったので、夕方までは荷物の移動を含め休憩となった。

 そのさなか、大隊長タールから、俺に呼び出しがかかる。


 俺にだけ。


 やけに緊張するのは、タールがレムールを見ることができると聞いているから。

 それも『虫の牙』で召喚したレムールを。


 『虫の牙』の呪詛が移せも壊せもすることは事実としてわかっているが、それをいつ、どういうタイミングで俺が手に入れたかの答え方を間違うと、俺からディナ先輩へとつながってしまいかねない。

 この国を守るギルフォド砦の傭兵部隊の大隊長という存在は、気軽に敵対していい存在ではないし、そもそも俺とオストレアが揃っても勝てないなんて言われているし。


「リテルを、ではなく一班の班長を、呼んだようだから」


 オストレアが俺を落ち着かせてくれる。

 するとマドハトも近寄ってきて頭を撫でることを要求する。

 何の脈絡もないが、緊張が少しほぐれたのは確かだ。


 心の準備をしてから、俺は大隊長にあてがわれたという屋敷へと向かった。




 大隊長の屋敷は、俺たちの隊舎からは屋外訓練場と大食堂を挟んだ向こう側。

 『魔力感知』でいうと、全方位の円形では届かないが、方向を決めて距離を伸ばせば範囲に収まる距離……もっともこれは俺の距離。

 『魔力感知』自体が苦手なマドハトだと全く感知できない距離だ……いやいやネガティブなことは考えちゃいけない。

 不安が自分の孤立状況にばかり意識を集めようとする。

 気持ちを落ち着けて、頭の回転を鈍らせないようにしなきゃ……。


 訓練場の脇の道を通り、大食堂の前も通り過ぎると見えてくる、二階建ての四角い建物。

 無骨で飾り気がなく、窓が小さく、住居っぽさが薄い。

 昔は現在の中壁が外壁だったため、「外壁内」にある建物は、現在の外壁を建築中に小さな砦として使用したものの流用が多い。

 だから威圧感がある。


 気圧されそうなときこそ、思い出せ。

 マクミラ師匠の教え、冷静に状況を把握できる紳士たれ、と。

 カエルレウム師匠の教え、思考を止めるな、と。

 ディナ先輩の教え、油断するな見落とすな。


 深呼吸を一つして、大隊長の屋敷の扉をノックした。




 頑丈そうに補強された扉の向こうから、足音と寿命の渦とが近づいてくる。

 やがて扉はゆっくりと開かれる。


「やあ、新しい第一小隊一班の班長殿、入りたまえ」


 烏頭の大隊長タールは、表情の見えない顔でそう言った。


「第一小隊一班班長リテル、入ります!」


 片膝を着くお辞儀のあと、足を踏み入れる。

 入ってすぐの部屋はがらんとしていて家具の類は何もない。

 奥の壁の中央に二階へと上がる階段があり、明かりはその先から漏れる光のみ。

 階段の両脇には扉が一つずつあり、タールは左の扉を開けた。


 タールに続いて次の部屋に入ると、部屋の中に灯り箱(ランテルナ)が置いてある。

 部屋の中に並べられた防具を揺らめく炎が照らすと、今にも動き出しそうな気がしてくる。


 タールはおもむろに腰を落とすと、一番重そうな金属鎧をかけてある台座を肩で押した。

 カタンカタンと床下で何かが動く音が聞こえた後、タールは床の中央をまさぐり、床の一部を回転させ、取っ手のようなものを引き出した。

 さらに取っ手に指を引っ掛け、床を持ち上げる。


灯り箱(ランテルナ)を持って先に行きたまえ」


 タールが持ち上げた床の下には、地下へ伸びる階段。

 理由は告げられない。


「はい」


 そう答えるしかないよな……閉じ込められるとかじゃなければいいけど……。


 灯り箱(ランテルナ)を手に取り、地下への階段に一歩踏み出す。

 石造りの丈夫そうな階段。

 覚悟を決めて下りて行く。

 真っ直ぐに伸びていた階段はすぐに螺旋階段となり、縦に二アブスくらいはゆうに降りたところでようやく扉に行き当たる。

 ここで待つべきか、入るべきなのか。


「扉に突き当たりました!」


 試しに大きな声で報告してみる。


「入りたまえ」


 返事の声はそう遠くない……足音が着いてくる気配はなかったし、タールの寿命の渦はまださっきの部屋にあるままなのに。

 扉に手をかけると、鍵はかかっていないのか向こう側へ簡単に押せる。

 少し力を入ると、扉は軋みながら、奥に隠していた光景をさらけ出した。


 一瞬、灯り箱(ランテルナ)を落としそうになる。

 そのくらい異様な光景だった。


 壁一面に顔が並んでいた……仮面?

 それにしてはやけにリアルだ……落ち着け、俺。

 この突然のホラー状況に呑まれるな。


 趣味が悪いだけとか、何かの修行に使うとか、そうじゃなきゃ……心の中で言葉を飲み込む。

 いや、そうじゃない。


 部屋の奥に一つだけ、周囲のものとは異なるものが置いてあった。

 それは一見すると裸婦像とでも言うべきもの。

 ただやけに生々しい質感……そして認めたくないけれど、俺はそれを、いや、その人の生前を見たことがある。

 頭の中に浮かぶ単語……死に人形。


 思い出したと同時に大きく斜め前へ跳ぶ。

 そのまま灯り箱(ランテルナ)を床へ置き、手斧を構えた。

 避けたつもりだった……しかし、自分の肩口に新しいレムールが蠢くのを感じる……もしかして『虫の牙』?

 タールの寿命の渦はまださっきの部屋……しかし今、この部屋の入口に立っているのはタールにしか見えない。


 ああ、そうか。クラーリンさんに教えてもらった『新たなる生』と似たような魔法を使えば、見せかけの寿命の渦だけあの部屋に残して、本体の寿命の渦は偽装して隠密行動なんてのもできなくはないだろう。

 どうしてこんな大事な局面でそれに気づかないんだ、俺……って、反省は後でいい。

 これはもう戦うしかないってことだよな。


「どういうわけか『虫の牙』の呪詛傷があるにも関わらず平気で魔法を使っていましたね。まあ無効化される可能性もあるでしょうから、もう一つ宿らせてもらいましたよ……それにしても」


 タールは部屋の中へと入り、後ろ手に扉を閉める。

 ガチャリという音が続く……鍵を閉めでもしたのだろうか。


「やはり母君には見とれてしまうのですね。いや確かに美しいですよ。キカイーなんぞに好きにさせておいたのはもったいなかったくらいです」


 やはり、か。

 この裸婦像は、彫刻なんかじゃない。

 俺がディナ先輩に魔法で見せてもらったディナ先輩のお母さん、その人の……死に人形ってやつだ。


 俺の寿命の渦が単なる猿種(マンッ)の冷静な状態をキープしていることを改めて確認する。

 タールはディナ先輩につけた『虫の牙』の呪詛傷をちゃんと認識しているようだが、俺はあくまでもディナ先輩とは関係ないスタンス……だから怒りは抑えなきゃいけない。


「母君? タール大隊長殿の母君なのですか?」


「ほう。とぼけるのですね。それは構いませんが、この私をアールヴごときと一緒にしないでいただきたい」


 ごときって。

 見下しマウントを続けるのは激昂させるつもりだろうか。

 この世界に正当防衛という概念があるかどうかはわからないが、少なくとも先に手を出したのは向こうだし、俺に手を出させるための挑発とは違う気がする。


「アールヴさん、という人は知りませんけど……どこの小隊の人ですか?」


 うわ、舌打ちが聞こえた……その理由に、俺は気づいた。

 この臭い……そういうことか。

 俺はあのときのことを思い出す。

 確か、こんな感じだった……体が緩慢になり、動けなくなってゆく感じ……膝にも力が入らなかった……腰から落ちるように地面に尻もちをつき……。


「ようやく毒が回ったか。時間稼ぎをしたことで自らの首を締めるとは」


 タールは含み笑いを浮かべながら近づいてくると、突然俺のズボンに手をかけ、手にした剣で裂いた。


● 主な登場者


有主(アリス) 利照(トシテル)/リテル

 利照として日本で生き、十五歳の誕生日に熱が出て意識を失うまでの記憶を、同様に十五歳の誕生日に熱を出して寝込んでいたリテルとして取り戻す。ただ、この世界は十二進数なのでリテルの年齢は十七歳ということになる。

 リテルの記憶は意識を集中させれば思い出すことができる。利照はこれを「記憶の端末」と呼んでいる。

 ケティとの初体験チャンスに戸惑っているときに、呪詛にて不能となったが、ようやく解放された。

 その呪詛を作ったカエルレウムに弟子入りした。魔術特異症。猿種(マンッ)

 レムールの「ポー」と契約。伸ばしたポーの中においても、自分の体の一部のように魔法代償を集中したり魔法を使えることがわかった。


・カエルレウム師匠

 寄らずの森に二百年ほど住んでいる、青い長髪の魔女。猿種(マンッ)

 肉体の成長を止めているため、見た目は若い美人。家では無防備な格好をしている。

 寄らずの森のゴブリンが増えすぎないよう、繁殖を制限する呪詛をかけた張本人。

 ディナ先輩、ルブルム、リテルの魔法の師匠。ストウ村の住人からは単に「魔女様」と呼ばれることも。

 自分の興味のないことに対しては、例え国王の誘いであっても断る。


・ルブルム

 寄らずの森の魔女カエルレウムの弟子。赤髪の美少女。リテルと同い年くらい。猿種(マンッ)のホムンクルス。

 カエルレウムの弟子を、リテルのことも含め「家族」だと考えていたが、とうとうリテルとキスをした。

 質問好きで、知的好奇心旺盛。リテルと一緒に旅に出るまでは無防備だった。

 利照へ好意を持っていることを自覚し始めている。レムとも仲が良くなった。


・マドハト

 赤ん坊のときに『取り替え子』の被害に遭い、ゴブリン魔術師として育った。

 今は犬種(コボルトッ)の先祖返りとしての体を取り戻したが、その体はあんまり丈夫ではない。コーギー顔。

 ゴブリンの時に瀕死状態だった自分を助けてくれたリテルに懐き、ずっとついてきている。

 クッサンドラを救うためにエクシとクッサンドラの中身を『取り替え子』で入れ替えた。

 明るい性格。楽しいことばかり追い求めるゴブリン的思考だったが、利照と一緒にものを考えるようになった。


・ディナ先輩

 フォーリーに住むカエルレウムの弟子にしてルブルムの先輩。

 男全般に対する嫌悪が凄まじいが、リテルのことは弟弟子と認めてくれた。ゴーレム作成の魔法品をくれた。

 アールヴと猿種(マンッ)のハーフ。ウォーリント王国のモトレージ白爵(レウコン・クラティア)領にて壮絶な過去を持つ。

 フォーリー以北への旅について、大量の忠告をしてくれた。


・メリアン

 ディナ先輩が手配した護衛。リテルたちを鍛える依頼も同時に受けている。

 ものすごい筋肉と、角と副乳を持つ牛種(モレクッ)の半返りの頼もしい傭兵。二つ名は「噛み千切る壁」。

 円盾と小剣(ごつい)を二つずつ持ち、手にはスパイク付きのプレートナックルを装備。

 騎馬戦も上手く、『戦技』や『気配感知』を使う。一ヶ月後だったラビツとの結婚はさらに二ヶ月延期になった。


・ラビツ

 ゴブリン魔術師によって変異してしまったカエルレウムの呪詛をストウ村の人々に伝染させた。

 ケティの唇をリテルのファーストキスよりも前に奪ったことについて謝罪した。おっぱい大好き。

 高名な傭兵集団「ヴォールパール自警団」という傭兵集団に属している。ようやくリテルたちと会えた。


・レム

 バータフラ・レムペー。クラースト村のバータフラ世代の五番目の子。

 魔法に長けた爬虫種(セベクッ)の少女。リテルより若いが胸はかなり育っている様子。髪型はツインテール。

 その母親は利照同様に異世界イギリスから来た。

 名無し森砦の兵としてルブルム一行の護衛として同行。洞察力があり、頭の回転も早い。

 利照のことをお兄ちゃんと呼び、慕っている。ルブルムやマドハト同様に頼れる仲間だが、とうとうリテルとキスをした。


・ケティ

 リテルの幼馴染で想い人。一歳年上の女子。猿種(マンッ)

 旅の傭兵ラビツに唇を奪われ呪詛に伝染し、それを更にリテルへと伝染させた。

 カエルレウムが呪詛解除のために村人へ協力要請した際、志願し、リテル達がフォーリーを発つ時、メリアンと共に合流した。

 盗賊団に襲われた際は死にかけたり、毒で意識不明になったり。

 足手まといを自覚し、ストウ村へ先に戻った。


・ファウン

 アイシスの街で意気投合した山羊種(パーンッ)三人組と一緒に居た山羊種(パーンッ)

 ルージャグに襲われて逃げてきたクーラ村の子供たちを、彼なりに助けようとはしていたと申告。

 リテルを兄貴と呼び、ギルフォドまで追いかけてきた。偽ヴォールパール自警団作戦に参加


・タール

 第一傭兵大隊の隊長。『虫の牙』の所持者。

 挑戦試合で一班の班長に勝ったリテルを、自分の屋敷へと呼び出した。


・プルマ副長

 第一傭兵大隊の万年副長。鼻梁に目につく一文字の傷がある羊種(クヌムッ)の女性。

 筋肉が大好きっぽく、メリアンに会えたことに興奮していた。


・パリオロム

 第一傭兵大隊第一小隊第五班の先輩。猫種(バステトッ)の先祖返り。

 毛並みは真っ白いがアルバスではなく瞳が黒い。気さく。


・オストレア

 第一傭兵大隊第一小隊第五班の先輩。鳥種(ホルスッ)の先祖返り。真っ白いメンフクロウ顔。

 前班長を含む四人に襲われかけたが返り討ちにし、そいつらの棒を削ぎ落とした。

 フラマの妹であり、タールを父の仇と付け狙う。


・フラマ

 アイシスの宵闇通りの高級娼婦。おっぱいで有名。

 鳥種(ホルスッ)の半返りのようだが、嘴はない。足は水鳥のよう。

 魔法を使え、他の人には見えないはずのポーの姿が見える。

 『虫の牙』を持つ者が父の仇。


・ボロゴーヴ

 一班班長。鳥種(ホルスッ)。二十代半ばの槍使い。


・ジャブジャブ

 二班班長の鳥種(ホルスッ)。全体的に細身で、細長い曲刀を使う。

 どことなくチャラい。挑戦試合でメリアンに瞬殺された。


・ラース

 三班班長の爬虫種(セベクッ)。髪の毛は緑色だが、頭頂部はハゲている。

 温和そうな表情の割に、全身を覆う金属鎧も大きな円盾も金属製の戦槌も、凶悪そうなスパイクが。

 挑戦試合ではマドハトに近づけぬまま負けた。


・トーヴ

 四班班長の熊種(アルティオッ)。巨体。扉ほどもある大方盾とマドゥを装備する。

 挑戦試合ではファウンに攻撃をかわされ続け、根負けした。


・マクミラ師匠

 リテルに紳士たれと教える狩人の師匠。猿種(マンッ)

 狩りができない日は門番をしていたりも。


・キカイー

 モトレージ領を治めていた白爵(レウコン・クラティア)

 幼きディナとその母を欲望のままに追い込み、我がモノとしたがその後、ディナに復讐され絶命。


・ナイトさん

 元の世界では喜多山(キタヤマ)馬吉(ウマキチ)。元の世界では親の工場で働いていた日本人。

 四十五歳の誕生日にこちらへ転生してきた。馬種(エポナッ)。元はニュナム領兵の隊長をしていた。

 今は発明家兼ナイト商会のトップ。ヒモパンやガーターベルトやコンドームの発売もしており、リテルを商会に誘ってくれた。

 サスペンションなど便利機能がついた馬車「ショゴウキ」(略してショゴちゃん)を提供してくれた。


・レムルース

 地界(クリープタ)に存在する種族。肉体を持たず、こちらの世界では『契約』されていないと長くは留まれない。

 『虫の牙』の呪詛のベースにされていた他、スノドロッフ村の人達が赤目を隠すために『契約』している。

 レムルースは複数形で、単体はレムールと呼ぶ。

 ディナ先輩の体からリテルの腕へと移ったレムールは、リテルと契約し「ポー」という名を与えられた。



この世界(ホルトゥス)の単位


・ディエス

 魔法を使うために消費する魔法代償(寿命)の最小単位。

 魔術師が集中する一ディエスは一日分の寿命に相当するが、魔法代償を集中する訓練を積まない素人は一ディエス分を集中するのに何年分もの寿命を費やしてしまう恐れがある。


・ホーラ

 一日を二十四に区切った時間の単位(十二進数的には「二十に区切って」いる)。

 元の世界のほぼ一時間に相当する。


・ディヴ

 一時間(ホーラ)の十二分の一となる時間の単位(十二進数的には「十に区切って」いる)。

 元の世界のほぼ五分に相当する。


・クビトゥム

 長さの単位。

 本文中に説明はなかったが、元の世界における五十センチくらいに相当する。

 トシテルが元の世界の長さに脳内変換しないでもいいくらい、リテルが日常的に使っていた単位。


・アブス

 長さの単位。

 元の世界における三メートルくらいに相当する。


・プロクル

 長さの単位

 一プロクル=百アブス。

 この世界は十二進数のため、実際は(3m×12×12=)432mほど。


・通貨

 銅貨(エクス)銀貨(スアー)金貨(ミールム)大金貨(プリームム)

 十銅貨(エクス)(十二進数なので十二枚)=一銀貨(スアー)

 十銀貨(スアー)(十二進数なので十二枚)=一金貨(ミールム)

 十金貨(ミールム)(十二進数なので十二枚)=一大金貨(プリームム)


・暦

 一年は、十ヶ月(十二進数なので十二ヶ月)+「神の日々」という五~六日間。

 それぞれの月は、母の月、子の月、大地の月、風の月、水の月、海の月、光の月、空の月、星の月、火の月、父の月、闇の月と呼ばれる。

 各月は、月の始めの十日(十二進数なので十二日)間は「月昼」週。次の六日間は「月黄昏」週、最後の十日(十二進数なので十二日)間が「月夜」週。トータルは十二進数で三十日間。

 毎月の、月黄昏週の一日が満月で、月夜週の九日が新月。月は二つあるが、大きい月の周期が基本で、小さい月の周期は二日ほど遅れている。夜が明けるまでは日付は変わらない。

 第八十九話終了時点では火の月、月昼週の一日の午後。


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