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07:因果は廻る

「あ〜あ、完全にアクセスが減っちまったな」


 俺はスマフォで自身の小説のアクセス状況を見ながら歩いていた。

 実験が打ち切りになったせいで続きを投稿出来なくなった小説は、その日から次第にアクセスする読者が減っていき、今では日に数十件まで落ち込んでしまった。

 以前見た時、感想欄には「更新待ってます」や「もしかしてエタった?」といった書き込みが何件も続いていた。

 しかし、最近では読者も諦めてきたのか既にその書き込みすら途絶えていた。


「好きでエタったんじゃねえっつーの」


 愚痴るが状況は変わらない。





『感想が書かれました』


「ん?」


 久し振りに見る表示に、思わず目を奪われた。

 また更新の催促かとも思ったが、何となくクリックして感想欄を表示してみた。


















『思い知れ』

















「は?」


 表示された意味の分からない書き込みに、俺は思わず立ち止り呆けた声を上げてしまった。

 そして次の瞬間、キキ──っという音と共に激しい衝撃を受けて、俺は撥ね飛ばされた。

























 気が付いたら真っ白な世界に立っていた。


「……ここは?」

「気が付いたようじゃな」


 突然掛けられた声に驚いて振り向くと、ギリシャ神話に出てくるような白髪の爺さんが立っていた。


「ま、まさか……おい! 何で俺が被験者になってんだよ!?」


 混乱するままに叫ぶが、爺さんは鷹揚に頷きながら答えてきた。


「ふむ、混乱するのも無理はないの。

 まあよい、順序立てて教えてやろう。

 ワシはお主達が神と呼ぶ存在じゃ」

「手前には聞いてねえんだよ!

 おい、清水! 悪ふざけは止めろ!

 早く止めて俺をここから出せ!」


 上の方を見ながら叫ぶが、何も反応は返って来なかった。


「ふむ、現実を受け入れられんか……お主、自分が死んだことにも気付いとらんようじゃの?」

「ふざけんな、俺は死んでなんかいねえ!

 清水! 清水! いい加減にしろよ、バカ野郎!

 さっさと俺をここから出せーーーーーー!!!!」




















『感想が書かれました』





















ご読了、ありがとうございます。

おそらく忘れられていた頃かと思いますが、この作品は「ホラー」です。

少しは恐ろしく感じて頂けたでしょうか。


最後に出てきた場面が現実なのか仮想なのか、そしてラストで感想欄に書き込まれたコメントはどんなメッセージだったのか、それは皆様のご想像にお任せします。

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― 新着の感想 ―
このままエンドレスな感じなのかなあ…………。 実験が終わって、本格的にこの技術を使った製品が作られて、でもどのゲームにもログインしていないはずの誰かが常にログイン状態で存在していたり…………。そんな別…
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