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白の完全無欠  作者: 広瀬コテツ
コルク村編
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美少女と魔物(裏1)

 その日私は日課の薬草を採るためにコルク村を出ました。太陽がちょうど真上に来たような時間帯でしたからお昼時だったでしょうか。

 最初は森に入ろうかと思いましたが、最近夜になると森から不気味な声が聞こえるといっていた村長の言葉を思い出し結局草原を中心に薬草採りをすることにしました。最初はなかなか見つからなかったんですが、一度見つけると後は簡単です。そのすぐ近くにも薬草が必ず生えているからです。私はホクホク顔で採集にいそしみます。

 だいぶ夢中になっていたようで気付いた時には日が傾き始めていました。ここは結構村から離れているから日が暮れる前にかえろうと思い籠を背負います。薬草以外にも毒消しの葉や甘蕾なども見つけられたので私は大満足です。

「フフ~ン♪」

鼻歌を口ずさみ(鼻ずさみですかね?)ながら帰路につきます。




 それからしばらく歩いて行くと突然ゴオオォォ!!という音が背後から聞こえました。私はその声で立ち竦みましたが何とか勇気を振り絞って振り返ります。


 するとそこには<ジャイアントワーム>がいました。ジャイアントワームの足下には穴が空いています。恐らく地面の中から出てきたのでしょう。


 逃げなきゃ!!


 そうは思っても身体が動きません。それに今にも泣きそうです。いえ、もしかしたらもう泣いているかもしれません。そこでジャイアントワームがムヴヴゥゥゥと叫びました。

 私はその声で正気に戻りました。急いでジャイアントワームとは反対方向に走り出します。しかし、いくら私が全力で走っても向こうは歩くような速度で当然のように追ってきます。

「っい、いやぁ…っ…」

声を出してもどうにもならない状況だというのに自然と声が漏れてしまいます。

 そしてとうとう体力が無くなり、呆気なく小石に躓いて転んでしまいます。

 私は籠を抱えるように抱きます。本来なら籠を投げたりするのかもしれせんが、これは病弱なお姉ちゃんが私のために編んでくれた籠です。そんな事は出来ません。そしてそれを思い出すと急に恐怖が増えていきました。

 死にたくないっ!!生きたい!!お姉ちゃんに、お父さんに、村の皆に会いたい!!!

 でも私自身は何も出来ません。だから、思い切り叫びました。


 この声が誰かに届きますようにと。どうか私を助けて下さいと。


 ジャイアントワームがどんどん接近して来ます。もうダメだと思ったその時、目の前に黒い何かが飛び込んで来ました。

「ひっ……!」

思わず驚いてしまいました。なんとそこに現れたのは少年だったのです。

 黒い髪に鋭い眼。170くらいの背丈で見たこともない黒い服を着ている。剣も杖も持っていない。

 彼はいきなり私を抱きかかえると後ろに跳びました。すごい速さです。そしてそこに私を降ろし優しそうな顔で言いました。

「大人しくしてないと食べちゃうぞぉ!」

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